【ホイッパーウィル川の伝説】読書感想文あらすじ(ネタバレ)例文・オススメ度
読書感想文が苦痛で苦痛でたまらない
そんな人もわりと本が好きな人も、書かなければいけないのが読書感想文。
どんな本を選べばいいのか?迷っている人で「ホイッパーウィル川の伝説」を選んでしまった人にこの本の読書感想文の書き方のポイントをご紹介します。
読む前に「簡単に読める度」「簡単に書ける度」「こんな人におすすめ」やあらすじ(ネタバレ)も書いてあります。実は事前にあらすじを知っていると予習しているようなものですので、楽に本が読めて、世界観に入りやすくなるのです!!
「自分に合いそうだなぁ」「コレなら読んでみたいなぁ」と思えたり、「自分はこんな感想をもった」と感じたら読書感想文も楽になりますよ!!
————————————————————
【ホイッパーウィル川の伝説】おすすめ度・こんな人にオススメ
【ホイッパーウィル川の伝説】あらすじ(ネタバレ)
【ホイッパーウィル川の伝説】読書感想文の書き出し・例文
【ホイッパーウィル川の伝説】読書感想文の例文
————————————————————
【ホイッパーウィル川の伝説】おすすめ度・こんな人にオススメ
『ホイッパーウィル川の伝説』(あすなろ書房)
著者:キャシー・アッペルト / アリスン・マギー・著 吉井 知代子・訳 本体価格:1,400円 239ページ
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
“ケネン”は、魂とつながっている。どうしてなのかは、だれにもわからない。ケネンは人知をこえた理由でこの世界にやってきて、使命を果たしたら祖先のいる安息の地にもどるという。特別な絆で結ばれた二人の姉妹と子ギツネの魂が響きあうスピリチュアル・ファンタジー。
簡単に読める度 ★☆☆☆☆
簡単に書ける度 ★☆☆☆☆
こんな人におすすめ
生まれ変わり、輪廻転生スピリチュアルを信じる人
ファンタジーが好きな人
親しい人を亡くした人
兄弟仲で悩んでいる人
理性的に問題解決したい人
簡単感想
【内容情報】からして不思議系なのですが、早く走る事にこだわっていたお姉さんが事故死してキツネに生まれ変わり妹を守るというファンタジーです。なぜ俊足にこだわったのか?それはね・・・というお話です。
外国作品で扱うテーマが死という全体的に暗いダークファンタジーですので肌に合わないとそうでない人がはっきり分かれそうです。
訳者あとがきでは「悲しい話です…でも読みおえたとき、心があたたかくなっているのではないでしょうか」とありますが個人的には後味が悪く軽く憤りを感じましたので、この仮想世界にツッコミを入れたい現実主義の猛者は逆にやる気になるかもしれない1冊です。
自分にぴったりな本を選んでみよう。
【ホイッパーウィル川の伝説】あらすじ(ネタバレ相関図)
ジュールズ:11歳主人公。熟考的な性格。石ガールと呼ばれ集めている
シルヴィ:ジュールズの1歳上の姉。行動的で学校では学校一の陸上選手。ジョイナーに憧れる。
パパ:2人を愛していて、ジュールズの石マニアを応援。2人に「パパ憲法」という約束には厳しい
ママ:7年前に心臓まひで亡くなる
サム:ジュールズ、シルヴィの親友。兄のエルクがアフガニスタンから帰るよう願い石を川に投げていた。を心配している、動物好きでピューマが出る噂を
エルク:アフガニスタンからの帰還兵。
ハーレスのおばあさん:近所のおばあさん。ジークは孫
ジーク:エルクの親友。両親は亡くなりハーレスおばあさんに育てられた。
セナ:キツネ、ジュールズのケネンでつながっている
アーチャーさん:野良クマを退治したい牧羊家
奈落の淵:地殻変動によりそこだけ川底が陥没し水流も激しく落ちたら浮かび上がれない危険な場所
第1章
ジュールズとシルヴィは仲良し姉妹。シルヴィは走る事に夢中でいつもジュールズは置いていかれる事に不満を持っている。今朝も朝一でシルヴィは走りに行ってしまい、石ガールのジュールズは石をならべて気持を落ち着かせていた。
戻ったシルヴィはシーズン最後の雪だから2人は雪だるまファミリーを作ろうとパジャマのまま飛び出しつつ、ママ雪だるま作りを絶対譲らない。
シルヴィはママが心臓麻まひで倒れた時助けを求めに走ったが助ける事ができなかったが「ママは遠くないところで私たちを見てくれている気がする」と話す。そしてママを恋しがる気持が強くなっているのがわかり、記憶があまりないジュールズは何もいえなくなる。
その時、川向こうから銃声が聞こえパパに行く事を禁じられている「奈落の淵」にジュールズが止めるのも聞かず、願い石を奈落の淵に投げに走って行ってしまう。「もっと早く走れますように」と願う理由は話してくれなかった
2人の親友サムも牧羊場のアーチャーさんのクマ退治の銃声を聞いていて動物好きのサムはうわさで聞いたピューマならいいなと思っていた。
サムの場合、願い石で兄エルクが戦争から戻る願いが叶ったが別人になって戻ってきた。それは親友ジークは兄と一緒にもどれなかったからだ。
ジークの祖母ハーレスおばあさんいわく、奈落の淵への願い事は石は深く暗い川底で光り水中で星になれば願いがかなう、ただし切なる願いじゃないとダメという。
エルクは戦争に行く前に2個のメノウをジュールズに託しエルクとジークが帰らなかった場合「石の洞窟」へ自分達をたたえるために持っていってほしいとたのんでいた。だがジークだけ帰らなかったのでジュールズはまだ石を持っていた。
じきにスクールバスが出る時間なのにシルヴィは一向に戻らない。キツネの鳴き声に「幸運のしるし」と喜んでも戻らない。しかたなく川の側に行って見ると川の上にはシルヴィが落っこちたような穴が開いているようだった。
第2章
同じ頃、森の中でキツネのセナが生まれた。セナはケネン(何かの魂とつながっている者)で使命を果たしたら先祖の下へ戻る存在。セナは「だれかが自分を待っていて探さなければ」と感じたり優しい兄と仲が良いが「走りたい」感情が強くセナを待つ<誰か>が森のどこかにいる事や石でできた洞窟があることもなぜか知っていた。そしてなつかしい臭いと人間の女の子が悲しみを吐き出す「シルヴィ」との叫び声を聞き名前がジュールスというのを知り、セナはジュールズとつながっていることを知っていた。セナをシスターと呼ぶピューマにひきつけられていたがピューマのもとには荒々しい臭いのするエルクが毎日おとずれ話しかけていた。セナもピューマもエルクの痛みを強く感じていた。
警察はシルヴィの捜索をしたが見つからない。ジュールズは「もっとちゃんと止めればよかった」の後悔し、パパの「誰もシルヴィを思いどおりにできない」の言葉に姉に激しく怒り、後悔し、どうして「もっと速く走れるように」の疑問だけが残った。
「シルヴィ以後」の時間、パパは仕事を休み森との境目に線を引き「ここから出てはいけない」と言う。ジュールズも学校を休んでいたがシルヴィを失った原因の願い石が憎く思う。
学校へ戻るよう言われた後、エルクも「森の中でジークに話しかけている」と<ジーク以後>を過ごしているのを知る。
今のジュールズは「石の洞窟を見つけたい」が切なる願い事になったが奈落の淵には二度といけない。
エルクから預かっている2つのメノウの事やパパも変わってしまった事、シルヴィを止められなかった自分をパパは好きじゃないし、ママの記憶も薄れてきている。すべてシルヴィのせいだと思った。それにジュールズが森に行ったなら事故はなかったのにと思う
サムが宿題を持ってきてくれたのにサムだけ2つも願いが叶ったのが腹が立ち「ひどいよ!」と叫ぶジュールズ。
夕方、クマを追い払う銃声が聞こえ母熊がいないかもしれない事をかわいそうに思うジュールズ。そして自分はママの事を覚えていない事をパパに謝る。久々に登校するとみんなが気を使ってくれるがシルヴィの次に足の速いリズが「まだ死体は見つからないの?」と話しかけられショックを受ける。そしてエルクがシークと話すために森に行くのがうらやましく、石の洞窟を見つけれるためにも森に行きたかった。
第3章
セナは<だれか>を見つけなければいけない思いが強くなっていた。<もどりどころ>に懐かしい臭いのヘアバンドの布切れをみつけ雪だるまファミリーや雪をふみしめる感触を思い出す。洞窟は見つける理由があるものだけに姿を現すのだったがそこでも同じ臭いを感じ入ると会いたかった<だれか>がいた。その女の人から”もっと速く走ってセナ”とメッセージを感じた。洞窟をでるとハンターがいてジュールズにヘアバンドをわたさなけらばならないと思った。
ジュールズは森に行きたい気持が押えられず、パパとの約束を破り森に入ってしまう。
そこでエルクが銃で発砲して21発打った後、銃を水に投げ込んで行ってしまった。足元にピューマの足跡をみつけ顔を上げるとすぐ先にキツネがいた。布切れをセナに渡すため地面におくとジュールズはその布に飛びついた。
キツネがあのヘアバンドをくれた事に混乱するジュールズ。家に帰るとパパもすぐ帰ってきて願い石になりそうな石をくれた。
パパもママと結婚したかった事と子供がほしかった事を願ったといった。2回願って2回とも叶ったからパパは幸せ者だといった。
ハーレスおばあさんが死んだ人をたたえるために洞窟に石を運んだというのを思い出し、エルクの発砲はジークをたたえていたのだと思いジュールズもシルヴィを石でたたえたいと思った。
セナはジュールズをあの洞窟に連れて行けば<だれか>と会えるのかもと思うがある日ジュールズとクマ、熊を追っている人間の臭いを同時に感じた。
ジュールズを待っていたセナは石の洞窟に連れて行かれ中からはシルヴィのココナッツのにおいとママのマグカップがあった。実はシルヴィは洞窟の場所を秘密にしていた事が頭にきたがママをたたえるためにしたこと、シルヴィには自分だけの場所が必要だったのだと理解した。
そして「もっと速く走れますように…ジュールズを守るため」「パパを守るため」とも書いてある石が2,30個あった。
シルヴィはママが死んだのは自分のせいだと思っていたのだ。ジュールズはシルヴィをどんなに愛しているか伝えたくて奈落の淵に行くことにした。
セナはジュールズを止める為ライフルの発砲音がしたがホイッパーウィル川に走った。そして聞こえるサムやエルク、ハーレスおばさんの泣き声とパパの声、キツネの鳴き声もひびいた。セナにケネンは「もっと速く走って」兄さんと母キツネは警告する声が聞こえたが走り続けた。
子クマが川のわきに出たところにはジュールズもいて、その瞬間ハンターのアーチャーさんも引き金をひいた。それが当たったのは飛び出したセナだった。クマは逃げてキツネ達の鳴き声がひびく中、セナは死ぬ事がわかり世界とお別れで落ちていく感覚と共に、会いたかった<だれか>に抱きしめられ”シルヴィ”と名前を呼ばれた。
クマを追っていたアーチャーさんはあやまり、パパは運が良かったというがジュールズはキツネが命を救ってくれたことがわかった。そして洞窟でキツネをたたえようと思った。ジュールズとパパは守られたのだと感じた。
森の中では兄さんキツネが妹が恋しくて泣いていた。
【ホイッパーウィル川の伝説】読書感想文の書き出し・例文
ファンタジーが好きな人
強い願いは人知を越えて不思議な出来事を呼び寄せるのかもしれない。目に見えなくても言葉は通じなくても世の中にはそんな不思議な出来事があるのかもしれません。
親しい人を亡くした人
「あのとき、どうして私は…」誰でも大切な人との別れを経験したのなら一度は考えるものなのでしょうか?本当に悪い事をしたわけでもないのかもしれない。理由があったのかもしれない。でも誰にも言えない後悔を抱えることがどんな人にもあることを知り、少し安心しながらやはり悲しい気持を思い出しました。
兄弟仲で悩んでいる人
家族というのは血を分け合っていても、どうしても理解し会えない部分も生じてしまうものです。育った環境は同じでもそれぞれが感じうけている影響の違い?それとも遺伝したDNAのわずかな違い?いずれにしても完全に協調しあう兄弟関係は難しいと感じています。
理性的に問題解決したい人
国による文化の違いは町並みも暮らしも地域で暮らす人々の考えも大きく違います。本書を読んで日本では改善すべき問題も他国では「そういうものだ」と見逃されてしまう事に大変驚きました。こんな危険なホイッパーウィル川の河岸工事しないのも、害獣駆除も町ぐるみで計画的にやらないのが信じられないからです。
【ホイッパーウィル川の伝説】読書感想文の例文
原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。
・中学校の部 本文2,000字以内
※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。
1203文字
他力本願の本来の意味の「他力」とは「他人」ではなく阿弥陀如来の力をかりること。「本願」とは人々が仏となろうとする願いのことです。
この物語は願い石にそれぞれの願いをこめて不思議な力にすがりたい間違った他力本願をするホイッパーウィル川の伝説が悲劇をわき起こします。
願い石は「切なる願い」じゃないと叶わないと言います。願いがかなっているのはサムとジュールズのパパだけです。もしかしたらシルヴィも止まれないほど速く走れるようになったので願いは叶っているのかもしれません。ただし実は誰も幸せになっていないのです。
サムは兄エルクが戦争から戻っても、親友ジークが帰れなかったことで抜け殻のような人間になります。パパはママと結婚して子供も欲しい願いは叶ったのですがママもシルヴィも死んでしまいます。そのシルヴィも走りすぎて死んでしまいます。それぞれ天から振ってきたかもしれない幸福をみんな本当の意味での喜びにできない結果になりました。
切なる願いとは絶対手に入れたい物、取り戻したい物、守りたい物などになるのかもしれず、そこには命が関わってくるようです。死というだれかとの別れはきっと残された者の方が後悔が大きいのかもしれません。分かり合えなかった気持や伝え切れなかった思い、やり残した事など「あの時ああしていれば」と長く後悔や苦しみ時には怒りも感じるのかもしれません。
姉妹・家族でもそんなおたがいの気持が分かり合えていなかった事が悲劇の最大の原因なのです。たしかに心の内を家族にさらけだすのは恥ずかしい事なのかもしれません。ですが誰かの死を経験する機会だからこそお互いの気持を吐露するチャンスなのだとおもいました。
ちょっとしたボタンの掛け違いを正すだけで悲劇は回避できるのです。家族より実現化するかどうかわからない石に願いを託すのは実に残念な因習の町だなと思いました。
シルヴィは他力本願の本来の意味のように人知を越えたケネンの存在、キツネのセナになりました。物語では最初からジュールズに命の危機がせまっているのを運命がわかっているように「速く走れ」とセナはささやかれます。セナ=シルヴィにしてみたら守りたかったジュールズを命を張って守れた事で満足だったのかもしれません。一見美しい姉妹愛のようですが後味が悪いのはシルヴィの願いは自分本位で家族の気持は考えていないという事です。ジュールズと兄キツネの願いは共に生きたいしかなかったでしょうから、セナ=シルヴィを亡くした喪失感を英雄視した美談で語ることはできないと思います。人は愛する人が生きている事こそが願いです。ですがシルヴィは誰にも止められない残念な子でした。
願い事は「少し幸運を引き寄せる程度」だと思う人の方が幸せなのだと思います。努力を誰かにわかってもらう事、意思や願望を誰かと分かち合う事こそ本願成就する最善策と思います。
あくまでも感想文の例文ですのでこれがオススメなわけではありません。いちど人が書いた感想文を読んでみると「どんな内容なのだろう?」と興味がわくかもしれません。他の課題図書と比べてみるのに参考にしてみてくださいね。マネッコはだめですよ~