【フラダン】読書感想文あらすじ(ネタバレ)と 例文・オススメ度

読書感想文が苦痛で苦痛でたまらない
そんな人もわりと本が好きな人も、書かなければいけないのが読書感想文。
どんな本を選べばいいのか?迷っている人で「フラダン」に興味のある人に、この本のおもしろい所や読書感想文の書き方のポイントをご紹介します。

読む前に「簡単に読める度」「簡単に書ける度」「こんな人におすすめ」やあらすじ(ややネタバレ)も書いてあります。実は事前にあらすじを知っていると予習しているようなものですので、楽に本が読めて、世界観に入りやすくなるのです!!
「自分に合いそうだなぁ」「コレなら読んでみたいなぁ」と思えたり、「自分はこんな感想をもった」と感じたら読書感想文も楽になりますよ!!

こちらでは
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【フラダン】おすすめ度・こんな人にオススメ
【フラダン】あらすじ(ネタバレ)と人物相関図
【フラダン】読書感想文の書き出し・例文
【フラダン】読書感想文の例文
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をご紹介します

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【フラダン】おすすめ度・こんな人にオススメ

『フラダン』(小峰書店)
著者:古内 一絵・作 本体価格:1,500円 288ページ
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
・女子率100パーセントのフラダンス愛好会に集められた4人の男子高校生。その目的は男女混合によるフラガールズ甲子園出場だった! 震災から5年後の福島を舞台に描くとびきりの笑顔と涙の青春ストーリー。

読書感想文の応募の決まり
高等学校の部 本文2,000字以内
・原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

フラダン
簡単に読める度★★★★☆
簡単に書ける度★★★☆☆
こんな人におすすめ
・フラダンスに興味と理解がある
・部活などの人間関係に悩みがある
・男子校、女子校に通っている
・震災の問題に興味がある

流し読み感想
人間関係で水泳部を退部した主人公がフラダンス愛好会の女子に「からだ目当て」としつこく勧誘されるところから始まりまり、紆余曲折ありながらもまぁうまく終る青春ストーリー。
語り口調も軽く、著者いわく「本作は震災五年後の福島を舞台にした物語ですが、大きなテーマの一つは「笑い」です。大笑いしながら、色々なことを考えていただけるように、心を込めて書きました。お楽しみください!!」とありますが、( ̄ー ̄)フッ程度の笑いです。またフラダンスに恩恵がないとダンスの解説がまったく想像できず「どうせなら広瀬すずとか腹だしOKのアイドルで映像化してください」と思わせます。
作者が実際取材したようでどこまでフィクションかはわかりませんが、福島で被災した高校生たちの今の地元民同士での悩みが現実ならば、なかなか世知辛いなぁ、頑張ってほしいなぁと思いました。
 

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【フラダン】あらすじ(ネタバレ)と人物相関図

辻本譲・・・水泳部退部した直後フラ同好会に勧誘される。優しい。
澤田詩織・・・フラの会長。空気を読まない強引身勝手風だが誠実。被災はしないが祖母と2人暮らし。
柚木宙彦・・・シンガポールからの帰国子女。肯定的で譲を煙に巻く天真爛漫のイケメンモテ男。譲いわく残念な男。
林マヤ・・・譲のクラスの女子。おとなしいがフラでは情熱的。震災の時に飼い犬ジョンが行方不明
安瀬基子・・・副会長、冷静な性格。かつて浜子と同じ仮設住宅。
薄葉健一・・・モヤシ青白い高1。父親が電力会社で共に重責を担いたく社会貢献できるフラに入部。
夏目大河・・・おっさん顔の高1。薄葉と幼馴染み。薄葉を助けたくて入部。
木原唯・・・産休中のフラの顧問。詩織と関係が…
花村・・・譲の担任。フラを迎合する木原の代理顧問。見た目おっさん。
朝日由奈・・・フェス後宙彦狙いで入部の1年。ダンス経験者で自己主張激しい
真壁浜子・・・ガングロ金髪眉毛なしヤンキーラッパー。豪快で薄葉をフォロー。かつて基子と同じ仮設。
  
~簡単あらすじ・ネタバレ~

男子が9割の福島県立阿田工業高校、主人公の辻本穣(ゆたか)はライバル松下の水泳部での悪習めいたやり方が気に入らず退部。すぐに「フラダンス愛好会」の澤田詩織が「体が目当て」と強引な勧誘される。
逃げ回る穣はシンガポールからのイケメン転校生、柚木宙彦に引きずり込まれ、ちょっと気になる林マヤの信頼のこもった視線に負け入部。フラ愛好会“アーヌエヌエ・オハナ”は会長の詩織、副会長で冷静な基子、マヤ、1年女子4人とおっさん顔の夏目、モヤシの薄葉と12人となった。
※アーヌエヌエ・オハナとは、家族の様な仲間という意味の由。

詩織はDVDで男子だけで練習しろと放置され譲がリーダーとなり虚弱な薄葉を特訓。男子デビューは大失敗ながら温かい歓声で感動する。フラガールズ甲子園出場も決まりスポンサー後援の仮設住宅でのサマーフェスで事件が起きる。
「フラでみんなを元気に!」とインタビューに答えた詩織に電力会社勤務の薄葉の父にいちゃもんをつける仮設住人そして、仮設の老人は「フラダンスを見て喜ぶ被災者を見て安心したいのは未災地の人間…ダンスでここの人間の気持は変わらない」と一喝される。そして舞台は大失敗に終わった。

フェスPR番組を見た新人4人が宙彦目当てに入部。新人由奈のマウンティングを抑制できない落ち込んだままの詩織。更に基子、ヤンキーな新人の浜子の被災者と加害者側の薄葉の立場を知り「自分の事しか考えていなかった」と詩織はフラに出てこなくなる中、それぞれが心の痛みを抱え練習に励む。

譲とマヤは産休中のフラ顧問木原に相談すると、詩織の両親は離婚し震災の時も見放す母親で中学は不登校になったこと。同じく家族の繋がりを持たない木原と心通わせフラをはじめた事。そして今回、詩織は自分が母と同じと感じた事がショックなのだろうと語った。
詩織がフラ甲子園不参加の連絡をしてくるとセンターを要求する由奈。宙彦は詩織の公平さやリーダーらしさを語り、譲も詩織が誰より寛容で我慢強くメンバー思いだった事に気が付く。宙彦に一喝され由奈を含めた3人の新人1年は退部し浜子だけが残り薄葉を鍛えることに。薄葉自身フラが上手くなったから甲子園に出たいの言葉に全員がハッとする。そして詩織も含めた全員で出場したいと気持が固まるのだった。
マヤは譲に被災当時学校でメソメソすると「被害にあったほうが偉いのか」とすごまれる空気があった事。小中の頃臆病で被災しなかった松下は大声で言えることを探している様に見える事。水泳部の時から一番弱い人の事を考えられる譲がリーダーで良かったと話し震災でいなくなったジョン(犬)に似ていると話した。譲は何を言われようが、悲しんでいいし、人と比べる事じゃないと話すとマヤはセキを切って泣き出した。世界は広く、悲しみと理不尽でできていると思う譲だった。そして詩織を誘い出す方法を思いつく。

甲子園当日、課題曲「月の夜は」は譲だけがペアを組まないフォーメーションで踊り、会場に来ているかもしれない詩織を舞台に誘い出す作戦に出た。そしてこの町にいるおれたちはそれぞれの悲しみ、町のこと、自分自身の苛立ちも話し合うべきで、それをするのがオハナであり、今度は俺達が詩織を引っ張り出す番と踊った。そして花村に誘導され詩織が舞台に上がってきた。
結果は当然選外。だが2日目失格にならず出場できただけでよかった。そしてあの仮設の老人が薄葉の父と共に現れ、無言で詩織に花束を渡した。老人の穏やかなまなざしを見て、少しだけ何かを動かしたかもしれないと思った。狭い世界の上に大きな空が広がっていた事、悲しみをかかえながらもいつも心に虹色のオハナを咲かせようと思う譲なのであった。
  

【フラダン】読書感想文の書き出し・例文

上記の「こんなひとにおすすめ」を事例に書き出し例文を作ってみました。

・フラダンスに興味と理解がある
我が家は母がフラダンスを習っているので、少しは知っているつもりでしたが、男子がフラダンスとなるとやはりどんなものなのか?いろんな意味で興味津々で読み始めました。

・部活などの人間関係に悩みがある
高校での部活生活はそれまでと違い、練習内容、人間関係、ポジション争いなど仲間意識だけではないそれぞれの思惑は確かにあるものです。

・男子校、女子校に通っている
男女平等が当たり前の昨今、職業やスポーツなどそれまで領域が減りつつあるのが事実なのでしょう。内心男女それぞれ犯されたくない領域はあるのかもしれませんが、この作品では男女共に踊ることで完成するチームのフラダンスをテーマにしています。

・震災の問題に興味がある
福島の震災の時、時間が経つにつれ思ったのは、福島からはるか遠いここでも同じ日本人が欠けることはからだの一部が欠けるに等しい大問題で、日本国民全員が健康で安全な暮らしをすることが日本を支え、幸せに暮らせる条件。人は個々のようで実は集合体だったのだと強く思い知らされたことでした。
 

高校生の課題図書となると、取り扱うテーマに深めな社会問題を取り上げてきます。書き出しの冒頭はそれぞれの問題提起などで良いですがフラダンでは震災問題への意見が必須になります。
書き出し例文からつなげる文章として
・フラダンスなど集団での部活動の良い点
・人間関係のコミュニケーション
・男女平等
・震災6年後の復興への考えや教訓
などを組み合わせるなども良いでしょう。特に行間を読むには本書とびら内側にある「俺たちは、もっと話すべきだったんだ…」本書P264と思われ、色々な事を考えてほしい、本書の笑いについてふれるなら「重い話でありながら明るい気持になりました」なども良いでしょう。
  

【フラダン】読書感想文の例文

 
 
 
【フラダン】読書感想文 1974文字・原稿用紙6枚

「世の中、不公平である事が公平」と何かの本で読んだ事があります。大きな悲しみや事件事故、この本のように震災に見舞われ今だ復興する事ができず失った物を取り戻せない人々がいるであろうこと。それに対して目をつぶっているつもりはなかったのですが改めて知らない現実にふれた気がしました。

この物語は震災から5年経ち、高校生となった譲たちが過去への向き合い方、現在の閉塞感、見えない未来の中でフラダンスを通して仲間と心を通わせあい、悲しみを抱えながらも立ち上がろうと気持を新たにするというストーリーです。
皆、福島の高校生ですが被災の程度で格差ができること、そのおかげで被災者同士でも悲しみの気持を共有しづらい現実などに驚きであるとともにショックを受けました。

日本人は平均を好みます。どこにいても中流意識が強く、中流である事に安心はしますがそれより劣ると人生にしり込みするか、言い訳するか、卑屈になることが多いように感じます。本書の中では林マヤの犬がいなくなったことは「それくらいの事で」と責められ、マヤの心の痛みの大きさはもっと大きな被害にあった人間に比べたらたいした事ない問題と階級をつけられてしまいます。かといって薄葉健一の父に酔いながらいちゃもんをつける全てを失った仮設住宅の人間や一喝する老人という荒ぶる弱者の利権のようなエピソードは悲しく憤りを感じたのも事実です。

震災のように本来だれも悪くない、犯人のいないアクシデントであっても問題の根源を見つけ出したい、白黒ハッキリさせて犯人を見つけたいとの気持はわかるような気はします。ですがそれはやはり弱さへの逃避のように感じてしまいます。
譲のライバル松下も震災被害にもあわない気弱な子だったのが、高校生になりイジワルになり、水泳部全体の士気を高めるためとの隠れ蓑のように部員にきびしく当たり、譲に「チャラ男」とからかったりします。マヤは「自分の言葉を持たない人」と言い弱さや譲への恐怖からそんな人になったのだと分析しますが、そうとでもしても自分本位の主張をだけを叫ばなければ生きていけない人の心の奥底を理解するとやはり誰も責める事はできません。

なぜそうなるのか?やはり人は自分の幸福と不幸を他人と比べてしまっているからではないか?と考えます。現状に立ち止まっている人はやはりそのループから抜け出せないと思うのです。ですが高齢といわれる年代の人が被災し、復興など考えられる気力も体力もない人々も存在していると思われ、そのような人の心の傷を癒し、未来を見てくださいと明るい声では言いづらく心を開いてもらうのは、すれ違う程度の人間同士では容易にできない事なのだと思われます。どんな辛さを抱えている人でも前を見ようと気持を持ち直してもらうのは、やはり大きな力が動かなければ変わらないのだとも思うのです。

担任の花村先生はホームルームで「工業高校の力で復興を…」とトツトツと話すのはいつもの事で譲はたいして聞いていなかったこの時、彼は自分の心しか見ていなかったのでしょう。
彼ら自身何もなかった頃のふるさとを取り戻したい思いもあるでしょうが、怒号を叫ぶ人々に根付く悲しみをやっと理解できた事で花村の言葉を理解し譲はこれからの生き方への決意が固まったのだと感じられました。
それぞれの悲しみも失った町も、自分自身の苛立ちも分かち合いながら失ったものを取り返していく事を求められる世代で他の地域の人間にはわからない重圧である事はたしかなのでしょう。
それをしていくためにはやはり家族のような喜びも悲しみも共有できる存在、フラで言うオハナが必要であり、詩織のような誠実さ、宙彦持つ肯定感、健一のひたむきな強さ、浜子の豪快な明るさそして譲の弱き者への優しさなど、個々の力を集合させ世の中を支えていくのが大きな原動力になるのだと感じました。
「北風と太陽」のように心の覆いを取るものはやはり明るさや温かさなどの愛情やひたむきさこそが強いのだと思われるからです。

いつも笑っている人間が強く、幸せなわけではありません。その笑顔の仮面の下に人は悲しみや悼みを抱えている場合もあるのでしょう。それでも強く生きていける力とはある時は冷静さであり、物事を大きな視野から見渡してみると立ち止まる暇がないことに気づけるのではないでしょうか?
現実に被災にあった方々は無念の思いが晴れない人、失った物を取り戻せず人生を終える人もこれから何年もつづくのではないかと思います。ですが福島の若者もそのほかの地域の若者もかつてこの国でどんな災害があり、何を受け継いでいくのか自覚している事はたしかです。
これから世を支える世代はその重圧を最初から知っています。それを担う力が気持を語り合えるオハナを持つ事が単純なようでとても重要な事などだと心に言い聞かせた作品でした。

あくまでも感想文の例文ですのでこれがオススメなわけではありません。いちど人が書いた感想文を読んでみると「どんな内容なのだろう?」と興味がわくかもしれません。他の課題図書と比べてみるのに参考にしてみてくださいね。マネッコはだめですよ~

【読書感想文課題図書】高校生・簡単に読める書ける本はどれ?

自分にぴったりな本を選んでみよう。

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