【喪中の正月】過ごし方とマナーやってはいけない行事・イベント一覧
年内に家族に不幸があった場合「1年間は喪中」というのはなんとなくわかりますが、その期間や範囲など、むずかしいところも少なくありません。
各言う著者宅も実は喪中真っ最中。喪中はがきの準備あたりから「今年はお正月がないのだ」という頭ではいますが、細かい事になると「これってやらないほうがいい事?」と疑問も出てきます。
そこで
喪中に控えた方がいい事は?
喪中に神棚やしめ縄・お札の交換はどうなの?
年賀状が来た時の対処法
などご紹介します。
喪中とは?喪中の期間と親族関係
喪中とは
身近な者や心を寄せる者、尊ぶべき者等の死を受けて、それを悲しむ者が一定期間中を過ごすことになる、日常生活とは異なる儀礼的禁忌状態
一般的には家族や親族などの近しい人を亡くした際「喪中」状態になる訳ですが、この解釈ですと「心を寄せる人」であれば友人・知人・恋人や直接会った事のないスターの死でも心を寄せているなら喪に服して良い事になります。最近はペットを飼っている人も沢山いますのでペットロスで喪に服したい方も実は多いのではないかと思います。
死別は悲しいことなので嬉しいことをしている場合ではないという心情的な理由のほかに「死は穢れの一種」であるとして、それに関与するものを一時的に地域社会の慶事より外すことによって「穢れを避ける」という意味合いを持つ場合もある
近親者の死で悲しみに暮れている人の心中察する事が出来ても「何と声をかけてどう接していいものやら」というデリケートな問題もあります。 「死は穢れの一種」と辛口な扱いですが「悲しみの中にいる人」と「おめでたい状況の人」の立場が双極の者同士は「一定の距離をおく」というのは理屈的には適切な判断とも言えます。
とはいえ「どれくらいの期間」喪中として身をつつしんでいれば良いのか?会った事もないような親戚のおじさん、おばさんが亡くなっても1年喪中なの?という疑問も出てきます。
実は昔は喪に服する期間は決められていたのです
まず、喪に服する期間には「忌中(きちゅう)」と「喪中(もちゅう)」という期間があり(重複している期間もありますが)少し内容が違います。
忌中(忌服期間)・・・「穢れ(ケガレ)である死を忌む期間」で神道の考え方のよるもので、忌中時(五十日)は、「自宅に謹慎する期間」で仕事を控え、殺生をせず、神社に参拝してはいけない期間でした。
喪中期間(服(喪)日数)・・・忌中後の喪中期間は「喪服を着用する期間」で慶事などは出席しない期間とされています。
仏教の場合、四十九日間は生と死の狭間に居る中有期間を「忌中」と捉え、四十九日法要を終えて忌明けとします。(浄土真宗の場合は「忌中」「喪中」という言葉を使いませんのでご注意を)
喪中の親族関係は?
現在は廃止されていますが、夫婦間や親子間でも男女の喪中期間の違いがあります。この内容に従うと、例えばおじさんが5月に亡くなったのであれば8月は喪が明けてますので、年賀状もお正月も通常通りに過ごして良い事になります。
ですが【夫は13カ月で妻は90日】など現代にはそぐわない感覚もあります。
夫婦間、親子間、親戚でもその関係性の深さは人それぞれです。やはり1年という感覚でいた方が差しさわりがないように感じます。
また「昔は50日も仕事休めたんだ、いいなぁ~」と頭をかすめそうですが現代では到底無理な法令です。まだまだ仏式で葬儀をあげる人が多いにもかかわらず、神道の考えによる「喪中は1年」最大で13カ月との社会通念が通っておりますので日本人の宗教感は昔からチャンポンになっている疑問がわきますが、しばらくは「慎んだ方が良いのでは」と思うのが心情でしょう。
喪中に控えた方がいい事は?クリスマスや初詣は?
13か月喪に服す間、様々な行事があります。どこまでが良くてどこからが控えるべきなのか?難しいところです。
・神社への参拝
・結婚式や祝賀会など慶事への参加
・旅行
・年賀状、正月飾り、新年会、初詣
と言われ「神様の元に参拝すること」「祝いの席に参加する事」「旅行など行楽」などとされています。
とは言え、身内の喪に服するために他の身内の祝い事やお世話になっている方のお祝いに「完全に取りやめる、参加しない」というのも忍びない気がしますし、49日以降は参加するというのも一般的なようです。
また、喪中の考えは昭和22年に廃止されたものでそれ以降に取り入れられるようになったイベントや行事文化も沢山あります。
ここでは行事やイベントの本来の意味も検討して個人的に○×△で参加の是非を検討してみました。
喪中期間のイベント参加の有無
【12月】
冬至…○
クリスマス…△
お歳暮…○日頃のお礼なので
年越しそば…○一年間の苦労を切り捨て、翌年に持ち越さないおまじない的要素
正月準備…×松飾りや鏡餅、年始回りや人を呼ぶなども慎みます
カウントダウン…×
キリスト教圏内でクリスマスや新年のお祝いを控える習慣はないそうですが、派手な内容のパーティーは考えものです
【1月】
初詣…神社×寺院○、神社は死を穢れと捉えますが寺はその概念がない
おもち(鏡餅)…×お正月の準備の一つなので
おせち料理…×節日を祝うめでたい料理
書き初め…○1年の抱負ですので
七草がゆ…そもそもおせちを食べないので関係ないです
お年玉…△「お年玉」ではなく「おこずかい」「文房具代」「書籍代」として渡す工夫が多いです
十日戎(とおかえびす)…×兵庫県西宮神社の「福男選び」参加は×
鏡開き…飾らないので関係ない
どんど焼き…△古いお守りなど炊き上げるだけなら
成人式…家族だけなど内輪でお祝いし、派手に騒ぐのは控えます
お子さんにお年玉をあげないのが忍びない方は「文具代」など形を変える工夫をするそうです。
「おせち」を購入してしまった方は「普通の料理」としておじゅうから出し召し上がるか、気が引けるなら忌日数が開けるまで冷凍保存するという方法もあるでしょう。
【2月】
節分…○邪気払いですので
恵方巻き…○お祝いの行事でも仏教の教えとの関係もありません
バレンタイン…○
【3月】
ひな祭り…△女児の成長祈願
ホワイトデー…○
卒業式…○
卒業式謝恩会もお酒が入る場ですが、お付き合いや謝礼の気持はお伝えする方がベターでしょう。
【4月】
エイプリルフール…○
入学式…○
お花見…×
【5月】
こどもの日…△男児の成長祈願
母の日…○
【6月】
父の日…○
【7月】
土用の丑の日…○健康維持の行事
お中元…○
お盆お墓参り…○
【8月】
暑中見舞い・残暑見舞い…○
お墓参り…○
花火大会…△元々は飢饉と悪病払いが発祥理由
夏祭り…△
【9月】
敬老の日…○
【10月】
運動会…○
紅葉狩り…△
【11月】
七五三…○
喪中・年賀欠礼状の準備…○
基本は慶事(喜ばしい事)への参加は先方への気遣いも含め、「穢れである死を忌む期間」の自分は遠慮しますという事です。
年間行事は、自分だけの楽しみではなく家族のために祝う行事も多くありますが、例えば子供の日や七五三などは本来「ご祈願」です。敬老の日・父、母の日にしても本来「日頃の感謝」を伝える日です。
何かの行事でもそこにアルコールが入りドンチャンして「イエ~イ」となるのがこの時は不謹慎なのだと思います。お付き合い上、忌明けに祝い事に出席する予定があるのなら「慎みを持って参加する」というのが喪中の人のあるまじき姿のような気がします。
また、お付き合い上結婚式や慶事の祝いも「祝いの場には参加せずともお祝いはお渡しする」のがマナーと言えます。
西洋から来た日本ではイベント扱いの行事も「キリスト教の文化だから関係ない」との考えもありますが、羽目を外しすぎないのが良いでしょう。
個人差はあるでしょうが、近親の方が亡くなればやはりしばらくの期間は「あまり華やかな場にいてもね;」と心からは楽しめないかもしれません。逆に不幸があったにも関わらず旅行などの行楽に積極的に行かれるのは49日以降でも考えものです。
慶事の場には「参加してはいけない」ではなく「無理に参加しなくてよい」という心持とやはり故人を思い悼む気持ちを持てば、おのずと慎み深い行動になると思えますので、やはり自己判断で過ごすのがベストと思われます。
喪中の初詣、神棚やしめ縄・お札の交換は?
13カ月「喪に服す」意味では神社には訪れないほうが良いのでしょうが神道でいう49日は50日祭で『50日祭が終れば神社参拝も差し支えない』とされる場合もあります。神道では身内の不幸があると忌明けの50日間「神棚封じ」をします。年末年始も50日間に入っているなら忌明け後に交換します。ただし年末しか手に入らないしめ縄・破魔矢は準備だけして保管しておいても良いでしょう。
また1月半ばには「どんと焼き」があり、古いお守り・お札、鏡餅や書き初めを焼いてもらう事が出来ます。どんと焼きの火で焼いたお餅を食べて健康を祈る風習もありますが、そこは遠慮してお札を納める程度なら許される気もします。
ですが気にされないなら更に翌年までお守りを自宅に残しておいても罰が当たる訳ではありませんので、ご自分の気持ち次第でしょう。
お子さんの七五三や誕生後お宮参りが喪中と重なる事もあるでしょう。どちらも大切にしたい事柄ですので、何が正解かというのは現代では答えの出しにくい問題です。
喪中に神社に携わる行事では、その地域または氏神様の神社の考えによるところが大きいそうです。
やはり各個人の気持ちの問題にはなりますが、必要があり行かなければいけない時は神社に相談されるのが安心でしょう。
喪中に年賀状が来た、年末ぎりぎりに不幸があった場合
喪中はがきを出したのに年賀状が来た場合「寒中見舞い」で返信します。年末の忙しい最中の年賀状ですので先方のケアレスミスもあるでしょう。スマートに寒中見舞いでのご挨拶をしておけば大丈夫です。寒中見舞いは年賀状の代わりに出す挨拶状で、喪中と知らずに年賀状を下さった相手に、お返事(返信)として使うお手紙です。
寒中見舞いを出す時期は松の内(1/1~1/7)があけてから2/4頃の立春までの間に出します。1/5,6日頃発送すれば1月7日に着くでしょう。
喪中の方に、年賀状の代わりに出す挨拶状としても使われるのが寒中見舞いですので喪中はがきをもらった場合は寒中見舞いでお返事するのが大人のマナーです。
もし身内の不幸が起こり、12月31日に亡くなり葬儀は年明けの1月上旬でも、喪中期間は翌年の12月31日。次の年賀状は出しても良い事になります。この場合予想できなかった事で年賀状を出してしまったというのは仕方がない事です。
喪中に控えるべきことについては前項でご紹介しましたが、今度は逆に喪中でも参加が許されているものをみていきましょう。
引っ越し…○転勤などいたしかたない事情もあるでしょう
自分の結婚式…△キャンセルが難しいなら先方と要相談
服装や髪形…本来13カ月喪服ですが、無理でしょう
ネイルアート…常識の範囲内で
会社の社長が亡くなった…社葬でも会社は法人ですので「喪中期間」という定理はありません(ただし個人経営の場合は喪中にする事もあるようです)
お中元・お歳暮…お中元やお歳暮は感謝の気持ちを伝えるために贈るため、お祝いにはあたりませんが四十九日以降で紅白の熨斗も使わないようにしましょう。