【爬虫類(ヘビ・トカゲ・亀など)が死んだ時の対処法】安置方法と処理方法

蛇の寿命はおよそ15~20年(大型は20年とか50年以上とか)トカゲは平均10年、亀は平均して30年~50年と言われます。
ですが蛇もトカゲも亀も、日々の湿度や温度の管理メンテナンスは欠かせませんし、一生懸命ケアしても具合の悪さがわかりにくかったり、治療法が確立されていない病気や、専門病院の少なさもあり、残念ながら死んでしまう事もあります。

こちらでは、爬虫類のペットが死んでしまった時の対処法をご紹介いたします。

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【爬虫類(ヘビ・トカゲ・亀など)が死んだ時の対処法】安置と処置方法
【爬虫類が死んだ時】保冷剤(ドライアイス・保冷剤・氷)の量と使い方 
【爬虫類が死んだ時】土葬NGの理由と火葬方法・行政・ペット火葬どこがいい?
【爬虫類が死んだ時】残された水槽・ケージの適切な対処 
【爬虫類が死んだ時】祭壇やお骨の取り扱いとやるべき事
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【爬虫類(ヘビ・トカゲ・亀など)が死んだ時の対処法】安置と処置方法

爬虫類をペットとして飼うのは、日々の飼育環境を保つためにつくす気持ちが必要で、飼い主としてはなんとなく気持がわかるようになってきてかわいく感じるものです。それだけに一般に寿命が長めの爬虫類なのに死んでしまった時は余計に悲しくて落ち込むことでしょう。

ですが爬虫類が哺乳類と違う点は「爬虫類は死後の腐敗進行が早く傷みやすい」点や「犬や猫などの哺乳類のペット同様の葬送の仕方でいいの?」とどう対処すべきか判断がつきにくいところです。大切に飼ってきたペットですから「きれいな姿のままで一番いい形でおみおくり」と飼い主の方が納得できる対処法をご紹介いたします。

【爬虫類が死んでしまった場合の処置方法】

~必要なもの~

・体を清拭するタオル、ペットボディシート
・エタノール
・ペットシート、新聞紙など汚れたら交換できる敷物、段ボールや発泡スチロールの箱など
・使い捨て手袋。ゴミ袋 など
~処置方法~

・汚れているところがあれば体を清拭する
・ケガ、出血、脱腸などあればペットシートなどで部位を包みます。
・体を最小の形に整えます

 
ヘ ビ → どぐろ・渦巻き状 
イグアナ・トカゲ・ワニなど → 頭と尻尾を近づけた丸まった状態
亀 → 甲羅に顔、手足が収まっている状態

死後硬直は筋肉量が多い動物ほど固く強くでます。死後2時間から24時間くらいは硬直し、それ以降は筋肉の弛緩と腐敗も徐々に始まります。(カメは特に死後硬直が早いと言われます)
特に大きく育っている場合、火葬するにしても体勢が伸びたままでは移動が大変になります。汚れている場合はペットシート、清浄綿などで拭いてあげてから、体を最小の形に整えます。

【保冷と腐敗予防処置・安置方法】

~必要なもの~

・ペットシート、新聞紙など汚れたら交換できる敷物、段ボールや発泡スチロールの箱など
・使い捨て手袋、ゴミ袋 
・保冷剤 →下記参照

~処置・保冷腐敗予防・安置方法~

安置用の箱や敷物を用意する
・体の処置や清拭後、死後早めに「小さく丸まって寝ている状態」に整えます。
・死後硬直が始まっているようなら死後24時間以上たつと、筋肉の弛緩が始まりますのでヘビなどはそれからどぐろ・渦巻き状にします。
・爬虫類が入る段ボールなどの箱にタオルかペットシートを敷き簡易的な棺を作ります
・保冷剤による結露対策をします。

保冷処置します
・保冷処置は特に腐敗が進行しやすい腹部中心に当てます。
・タオルやペットシートで包んで結露対策をした保冷剤(ドライアイス>氷>保冷剤)を爬虫類の体の下に、内臓が冷えるように当てます。
 ヘビ → ヘビは縦長に内臓が配置されているので全身まんべんなく冷却できるようどぐろ・渦巻き状にして、身体の下に保冷剤をあてます。
 イグアナ・トカゲ・ワニなど → 腹部中心に下から保冷剤を当てる
 亀 → 甲羅はあばら骨なので冷却伝導率が低くなるため、腹部から保冷剤を当てます
・室温は20℃くらいの涼しい状態にします
・直射日光の当たらない涼しい場所に安置します
・保冷効果を高めるために、箱のふたは姿を見る以外なるべく閉めておきます

 

爬虫類を安置する部屋では、人がたくさんいたり、電気やテレビ、パソコンなどの発熱量の多い家電をつけっぱなしにすると室温が上がります。冷房以外の電化製品、暖房器具の使用も控える方が良いです。

※完全に凍ると「固く冷凍焼け」のように変色したり霜がつき、腐敗進行や臭気も抑えられます。
※凍った場合はドライアイス交換は1日おきで大丈夫です。
※氷、保冷剤はマメに交換が必要になります

【爬虫類が死んだ時】保冷剤(ドライアイス・保冷剤・氷)の量と使い方

■ドライアイス~ ‐78.5℃


 

~使用方法~

ドライアイスの1回の使用量:体重に合わせて使用量をかえます
体重10㎏未満:ドライアイス夏場4kg, 冬場2~3kg
25㎏未満:ドライアイス7,5㎏~
25㎏以上:ドライアイス8㎏前後
40㎏~:ドライアイス10㎏使用
 人間の成人と同等の使用量

ドライアイスは火傷防止に軍手やタオルで持ちます
ドライアイスをタオル、ペットシートなどで包みます
ドライアイス→爬虫類→タオルで体をおおい保冷します
 
~注意点~
・ドライアイスが大きすぎる場合ドライバーなどで割って使用します。
・室温、安置状態などでドライアイスの消耗の仕方は変わります
・残りは新聞紙に包み、保冷バッグ、発泡スチロールの箱などで屋外冷暗所で保管します

 
~ドライアイスのメリット~
・凍結効果が高く、遺体保全効果が最も高い
・体が凍結した場合、補充・交換は2日に1度ごとで大丈夫です
・人間同様にしっかり保冷できれば1週間ほど出棺(火葬)の日延べできる
~ドライアイスのデメリット~
・当て方や室温、季節により冷凍焼けや結露で霜がつく
・冷凍焼けや炭酸ガス(二酸化炭素)の酸欠事故への注意が必要
・密閉容器に入れると爆発するので厳禁です
・保冷剤はどの種類も火葬際に取り外します 
ドライアイス購入先
氷屋さん:10㎏5千円~「ペット遺体安置用」と伝えるとブロック状のドライアイスを用意してもらえます。
葬儀社:10㎏1万~。一番入手しやすいものの高め
ネット通販:キロ数も選べるものの到着日時が読めず到着時に溶けて消耗している場合あり

■氷~0℃から‐20℃

氷と塩を入れると-20 ℃まで温度が下がりますが、早く溶けます。保冷の仕方はドライアイス同様の位置に当てます。

 
~氷のメリット~
 ・保冷効果は高め
 ・ほかの保冷材の間に合わせに
~氷のデメリット~
 ・持続時間が短い
 ・溶けて水が出てくる
 ・濡れてしまう
 ・ひんぱんに交換が必要
 ・腐敗・臭気防止効果は強くはありません
 ・火葬時には取り外します

■保冷剤~保冷剤の表示温度

保冷剤は体を冷やす効果のみです。また、使用表示目安より早めに交換が必要です。

 
~保冷材のメリット~
 ・使いやすい
 ・繰り返し使用できる
~保冷材のデメリット~
 ・凍結するほどの保冷力ではないので、常に交換が必要
 ・腐敗・臭気防止効果は期待できない
 ・火葬・土葬時には取り外します

■冷凍させる~ ‐18℃

「保冷剤が間に合わない」「ご家族の理解了承を得られる」環境で、爬虫類があまり大きくないなら、冷凍用ビニールに包んで「冷凍庫で冷凍させる」という方法もあります。

【爬虫類の死後処置に冷凍庫に入れる場合の注意点】
・体液漏れしないようにビニール袋、タッパーなどに入れる
・冷凍すると膨張するので大きすぎる爬虫類は入れられません
・爬虫類を冷凍させる際は食品は一緒に入れない

 
 
ペットだった動物を冷凍庫に入れるのは倫理的にどうか…とも思えますが爬虫類は腐敗が早いため、いち早く腐敗予防処置をしたい場合は冷凍庫に入れるのは得策とも言えます。人間も葬儀まで日取りがある場合、ご遺体用冷蔵庫で保管しますので同じこととも言えます。
 


扇風機は使用してはいけない?
遺体保全をするとき、室温を下げる必要がありますが、扇風機では室温は下げることができません。扇風機の風は「肌の乾燥」「腐敗進行」につながります。使用する場合は“室内の冷気の循環”としてのみ使います。
また「風を入れよう」と部屋の窓を開けるのも厳禁です。
かすかな臭気につられハエがたかり卵を産み付けようするからです。棺にする箱は蓋つきがベストなのは「保冷効果を維持できる」「虫の害」をさけれるためです。どうしても蓋つきの箱が用意できない場合は、タオルなどで全身を包み覆い隠すようにすると良いです。

※火葬をするまでの間が家族とペットとのお別れの時間になります。遺体保全の仕方によっては4,5日自宅安置をしても大丈夫ですが、徐々に「乾燥した感じ」「目元が落ちくぼんでくる」など見た目が変わってきます。

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【爬虫類が死んだ時】土葬NGの理由と火葬方法・行政・ペット火葬どこがいい?


爬虫類のペットが死んでしまった時「火葬するのか?土葬なのか?」判断が付きにくいものですが、爬虫類の場合「火葬」するのがベストです。
外国産の爬虫類や日本生まれの爬虫類でも、日本にはない病原菌や微生物を保持している可能性があり、土壌から日本の生態系を崩す可能性があります。土葬や川や海などへ流す水葬も厳禁。爬虫類の埋葬は火葬一択になります。

●土葬・水葬も厳禁

微生物や病原菌のせいで、土壌や川から生態系が崩れたり、病気の蔓延につながる可能性があるので厳禁です。
●違法になる

「自宅に庭が無いから、公園や河原など公有地に埋める」のは違法です。
ペットの死体は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」によって公有地に埋めることは禁止されています。同様に、川や池、海に流すのも禁止されています。
●植物が枯れる

「自分の私有地なら、土壌汚染とか関係ないのでは?」と鉢植えや花壇にその死骸を埋めると、植物が枯れてしまうことがあります。「生き物の死骸は栄養。土の肥料になる」というのは、必ずしもそうではありません。土や草木は意外に繊細でちょっとした微生物や病原菌によっても草木の生育環境を変えてしまいます。 

「一般ごみとして出す」
一般ごみの地域の該当日に出します。「ペットをゴミに出す」というのは道徳的には、あまりおすすめできるものではありませんが違法ではありません。「完全に凍結させる」「消臭剤を一緒に入れる」などし、爬虫類の姿が見えないように新聞紙やタオルに包みビニール袋に入れて出します。ゴミの回収の方もご近所的にも良くは思われません。

「市行政に依頼する」
市行政でも「爬虫類である」ことを相談すれば通常、火葬依頼を受け付けてくれます。一般ごみに出すのと同様に腐敗、臭い対策をして引き渡します。死体は布で包んだうえでビニール袋に入れるなど、地域行政ごとの引き取り条件などありますので確認が必要です。
産廃扱いとなり遺骨など返してもらえませんし、「ペット」でも丁寧な対応はしてもらえません。
ですが料金的には25㎏以内、中型犬以下の重さなら数千円で受け付けてくれます。

「ペット火葬業者に依頼する」
爬虫類をペット火葬業者に依頼する割合はかなり少な目ですが、ペットとして愛着のあった爬虫類ならば「火葬」という一般的な葬送方法を選ぶのが良いでしょう。
対応が丁寧なのと希望すれば、遺骨返却してもらえます。爬虫類の火葬実績のある業者を選ぶ方が安心です。料金は体重により変わります。自宅に駐車スペースがあれば、移動ペット火葬車に来てもらう方法もあります。

「その他」


「剥製にする」
亡くなったペットを剥製にするという方もいます。ペットの愛し方は人それぞれで自分で剥製にして保存するケースもあります。専門店に依頼する場合は時間とお金がかかりますがクオリティの高い剥製になります。

【爬虫類が死んだ時】残された水槽・ケージの適切な対処


爬虫類が亡くなってしまった場合の飼育ケースは衛生面を考えて、正しい方法でリセットする対処が必要です。
雑菌や病原菌、カビが発生しないように、しっかり殺菌・熱湯消毒・日光消毒をし乾燥させます。また、ペットが亡くなった事で飼い主の方もメンタルがさがって抵抗力も弱くなっているかもしれません。ご自身の手洗いや衛生面にも十分な配慮も必要です。

【爬虫類が死んだ時】祭壇やお骨の取り扱いとやるべき事


ペット火葬などでお骨を返却してもらった場合、供養や納骨を考えることになります。また(特定動物)だった爬虫類は行政に申請が必要な爬虫類のペットは亡くなった事を届け出なくていはいけません。

●お骨が返ってきたら「後祭壇」を作る
最近は犬や猫などのペットが亡くなった場合、お骨の有無にかかわらず後祭壇(写真・好きなエサ・おやつ、水)を供えペットを偲ぶ祭壇(コーナー)を作る人も多いようです。ペットに宗教は関係ありませんが、お骨がある場合などはそのまま置いておくのも忍びないので、このようなコーナーを作るのも一考です。

●爬虫類の死後の各諸届
(特定動物)飼養していた特定動物が死亡、販売、譲渡しなどで減少した場合、減少した日から30日以内に「特定動物飼養・保管数増減届出書」によって行政への届け出が必要です。

●遺骨をどこに納骨するか考える
ペットの遺骨は「死後いつまでに納骨」という期限はありません。
ですが「納骨せずにずっと自宅に置いておきたい」という考えは間違いではありません。ですがもし、飼い主の方が亡くなった場合、事情を知らない遺族や部屋を片付ける方がペットの遺骨をゴミとして処分してしまう話はよくあります。 遺骨については飼い主の方自身でなんらかの落ち着いた形に収めることをおすすめします。


■霊園や納骨堂で供養してもらう

・年間の管理費がかかります
・安心してお参りができます
■自宅の敷地に埋葬する

・通常、骨壺から出してお骨だけ埋めます
・転居、土地の売却などの可能性がある場合はおすすめしません
・お骨が土に戻るのは意外と年数がかかるので、動物に掘り返されないよう深く埋めます。
■ペット用散骨をする

・ペットの散骨事業(海・山・宇宙)業者に依頼する
・自分で行う場合、お骨をパウダー状にし、私有地以外にまく場合、土地所有者に許可が必要
・業者に委託か散骨に参加かで、料金の幅があります
・散骨後は管理、法要など維持費がかからない
・お墓参りができなくなる

■手元供養をする

・遺骨ダイヤモンド(海外での加工のため半年ほどかかります)
・ペンダントへの加工(少量)
・遺骨ロケット・ペンダントに入れる(少量)
・ぬいぐるみや人形の中に入れる

「自分の死後、一緒にお墓に入りたい」という飼い主の方の強い希望があってもペットの納骨を許可している墓所じゃないと断られます。飼い主だった故人の意思として「飼い主の方の火葬時に棺にペットの遺骨を入れる」という離れ業をするご家庭もあるようです。

爬虫類が死んだ時は腐敗予防対策と火葬一択
爬虫類好きな人は結構いますが、生前も死後もそのお世話をするのは世間への気配りも必要になる、繊細なケアが必要なペットになります。

●爬虫類は腐敗進行が速いので「保冷処置」は必須。場合によっては冷凍庫での保存もあり。
・外国産や病原菌の有無もありえるので、土葬はNG。火葬のみOK
●特定動物だった場合は死後30日以内に届け出が必要
・飼っていたケージをそのまま使いまわさず、殺菌消毒
●お骨は飼い主の方がしかるべき方法で埋葬を済ませる方が安心

 
飼ってみるとかわいい爬虫類。日々欠かさずケアしても亡くなってしまうこともあるかもしれません。「きちんとつくした」「立派にお世話できた」と思える、誇れる葬送を…

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