「ブランケット・キャッツ」あらすじ(ネタバレ)感想・ドラマとの違い
ブランケット・キャッツ
2017年6月23日(金)スタートのNHKドラマ「ブランケット・キャッツ」
主演は西島秀俊と吉瀬美智子そして島崎遥香と中高年とAKBファンを吸着する配役です。
ドラマの「ブランケット・キャッツ」の原作は重松清。泣かせる作品を得意とする作家さんです。
ですが今回、あまり原作に忠実すぎると動物愛護系団体からクレームが来そうな一部内容もあり、またドラマの紹介でも設定が原作とは少々変更されています。
こちらでは
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「ブランケット・キャッツ」原作あらすじ(ネタバレ)感想
「ブランケット・キャッツ」ドラマとの違い
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をご紹介します
「ブランケット・キャッツ」原作あらすじ(ネタバレ)感想
【概要】
馴染んだ毛布とともに、2泊3日だけ我が家にレンタル猫「ブランケット・キャット」がやって来る。レンタルされる7匹の猫はみな頭が良く、レンタル中は好きな名前をつけて良い。
ただし生まれた時から使っている毛布(ブランケット)を入れたバスケットに入れて、夜は寝かせる事。毛布は洗わない事。決められた餌を与える事。ヒョウヒョウとした店長はそう言って猫を貸し出す。借りる客はみんなそれぞれ問題を抱えていて・・・
1花粉症のブランケット・キャット・・・ドラマゲスト:ともさかりえ
夫の不妊のため子供のいない夫婦。「両親にならないなら最大限お互いの個を尊重すること」を妻は提案し、寝室も家計も別、妻は旧姓で仕事を続けた。でも妻は年々色んな事に苛立ちをおぼえ、夫もきれいな生活に寂しさを感じていた…借りてきた花粉症の三毛猫はそんなきれいな生活をぶち壊し…。
2助手席に座るブランケット・キャット・・・ドラマゲスト:富田靖子
「自分にお似合いな不吉な黒猫」を借りる常連アラカンのたえ子。もう引退しているクロを借りることができ、共に車で旅行するのだ。今回はお金があるからレンタカーでベンツのSクラスも借りた。ドライブしながらバツ3でつくづく自分は不幸だったこと、そして30年勤めるみんな良い人の会社から3千万横領した事をクロに話す。クロはたえ子に何度も幻想を見せる…。
3尻尾のないブランケット・キャット・・・ゲスト:込江海翔 利重剛 中島ひろ子
中1のコウジは愛情過多で激情しやすい父親にたのんで猫をレンタルにつれて来てもらった。マンクスは「ノアの箱舟に最後に飛び乗ったからシッポが切れた」との伝説に運が良い猫と喜ぶコウジ。父親は店長の態度も気に入らないし、学校でイジメにあったら絶対コウジを守ると息巻く。でもイジメをしているのはコウジ本人。コウジは無意識にマンクスに「コウジ」と名づけ相談する。ついにバレて、父親の怒号が飛びコウジは父親を殴り飛ばしてしまう…。
4身代わりのブランケット・キャット・・・ゲスト:蓮佛美沙子 佐々木すみ江
半分ボケた祖母が施設に入る前に泊りにやってくる。去年死んだアメショーのロンロンの事も祖母に言わないと家族に決めたので似た猫をレンタルした。家族からは孫娘のヒロミに結婚するであろう長野を祖母に見せてやれとせっつかれれている。でも実はお互い結婚相手には違う気がして、疎遠になりつつあった。
5嫌われ者のブランケット・キャット・・・ゲスト:伊武雅刀 大賀 松本穂香
条件の良い格安マンションに住むフリーター25歳。彼女のエツコが子猫を拾って一緒に住みたいと言い出した。でも大家のジーサンは毎月かごに入れた性格の悪そうなレンタル猫で住人が動物を飼っていないか?チエックしてまわる。それなら子猫とそのレンタル猫をこっそり仲良くさせて鳴かせないようにしようと「ザツ(命名)」借りてみた。フリーターなので身分証明もなく結局エツコの名義で。バイト帰りにジーサンに難癖をつけられたので「あの猫は嫌われ者だから借りてるのか?」と聞くと大家の部屋に通された。仏壇には家族4人と子猫が一緒に写った遺影があって…。
6旅に出たブランケット・キャット(「さすらいのブランケット・キャット」改題)
アメショーでブラウンクラッシックタビーの猫は長年レンタル猫を勤めているのでニンゲンの扱いは(仕事だし)慣れていた。店長にも「レンタルだけじゃもったいないよな、おまえは」との声に苦笑しつつ、最近は心の奥の遠い記憶がかすかによみがえる…レンタルしたハズレな客のお姉さんは規約を違反して高速に乗り磯の香りがするところまできた。タビーは本当の自分の居場所へ向かうため脱走した。そして幼い家出中の兄妹に出会うのだった。
7我が家の夢のブランケット・キャット・・・ゲスト:奥貫薫 マギー
リストラされた父親は家族のため思い出作りの為にロシアンブルーを借りた。ささやかなマイホームも転売し退職金と共にローン返済に充てなきゃいけない。引越し、転校もしなければいけない。上の娘は怒っているし、下の息子は泣いている。妻は早く再就職を決めてと催促するがうまくいかない。せめてもの思い出に猫を借りてきて、撮影しても妻と娘はいらだつだけで自己満足と言われてしまう。せっかく来た家の購入希望者あてに娘は「この家を買う奴、不幸になれ」と落書きし、猫のもっとも大切なブランケットを捨ててきてしまう…。
【感想】猫好きにはおすすめできない?
作品としてはさらっと読めるけれど、短編集なのでそれほど充実感はないともいえます。
大まかなテーマは「家族愛」ですが不妊、病気、イジメ、不正規効用、死別、リストラなどそれぞれのテーマがありつつ、猫もまじわるのでファンの間では「ほんわか風」との定評はあります。
とはいうものの、各章の登場人物がほぼダメ人間であることも否めなく、問題を見てみぬフリするモンモンとした人間だったり、どこか他人や社会からの被害者づらしつつ、その実、加害者である事を正当化していたり自覚していなかったりなど、どうも欠落した人を猫がなんとなく彼らの問題に気付かせるきっかけになるという作品です。
「嫌われ者の…」では偏屈な大家の息子一家4人全員火事で焼死したものの、子供たちが助けに行った子猫は生きていて今はブランケット・キャットになっている…という落ちですが、大家が「動物を飼うな」と見回りしたり、ネチネチ難癖つける性格になったのもうなづける唯一の作品です。他の作品はどうもレンタルする登場人物の心理に共感するのがなかなか難しく「一時の感傷がそのまま凝り固まった人」の人生をこじらせている状態を猫きっかけに一歩踏み出せそうかな?という予感を感じさせる終りかたをそれぞれしています。
登場する猫がケガや死んじゃうということはありませんが、脱走して野良猫化する事を良しとする「6旅に出たブランケット・キャット」には愛猫家としては如何なものか?と眉をひそめてしまい「レンタルするのは犬でもサルでも良かったんじゃない?」という意見もあります。
テーマとして扱われる客達の抱える問題はちがうものの、パターンは一緒なので凡庸と評価されたり、新人でも書けると酷評する人がいるのも理解できます。
総評としては原作を読む分には、肌に合う人・合わない人がはっきりとわかれると思われる作品です。
「ブランケット・キャッツ」ドラマあらすじとゲスト
原作とドラマとでは設定が大きく変わります
家具の修理店を営む椎名秀亮(西島秀俊)は、幼馴染の獣医師藤村美咲(吉瀬美智子)とともに、亡き妻(酒井美紀)が飼っていた猫たちの新しい飼い主を探していた。そこに、祖母が大好きだった猫の身代わりとなる猫を譲って欲しいと、ヒロミ(蓮佛美沙子)が訪ねてくる。秀亮は、ヒロミの家を下見したうえで、毛布と一緒に猫を渡す。猫との再会に喜ぶ祖母に、ほっとするヒロミだったが、今度はヒロミの婚約者に会いたいと言い出して…。
第1話は原作では4身代わりのブランケット・キャットの内容になります。そしてどうやら客のヒロミ(蓮佛美沙子)の恋人役に西嶋秀俊があてがわれるのではないか?という展開が予想されます。
原作からの変更点
レンタル猫ショップ→妻の形見の猫の譲渡
レンタル猫ショップ店長→家具職人
ほかにも、西嶋秀俊の関係者がワラワラ登場したり、番線ポスターではアメリカンショートヘアーのブラウンクラシックタビーがレッドクラシックタビーになりそうなど(動物プロの都合でしょうか?)ドラマしか見ない人なら気にならない変更点がちょいちょいありそうですね。
猫を通じた、客と西嶋秀俊も心の成長がドラマになるのでしょうね。個人的には5嫌われ者のブランケット・キャットのゲスト:伊武雅刀さんがワケ有りくそジジイを演じるのが一番期待できそうです。
放送を楽しみにしましょう!