【セシルのもくろみ】あらすじ(ネタバレ)原作とドラマとの違い
2017年夏のフジドラマ【セシルのもくろみ】がはじまります
これは2008年~2010年に雑誌『STORY』で連載された唯川 恵 原作小説のドラマ化です。原作が10年前の作品ですので、ドラマは原作とのシチェーションとは設定変更されている点がいくつかあるようです。
こちらでは
————————————————————
「セシルのもくろみ」原作あらすじ(ネタバレ)感想
「セシルのもくろみ」ドラマあらすじと原作の違い
————————————————————
をご紹介します
「セシルのもくろみ」原作あらすじ(ネタバレ)感想
専業主婦の宮地奈央(38)は、夫と息子の3人で幸せに暮らしていた。ある日、友人に誘われて応募した女性誌の読者モデルに合格してから、生活が変わっていく。モデルたちの様々な思惑に戸惑いながらも、まだ“負けたくない”気持ちがあったことに気づく――。恋愛小説の名手が描く、アラフォー女性が再び輝く物語。
【登場人物】
宮地奈央~主人公。プチセレブ専業主婦。ヴァニティではダサい位置づけだが、なぜか人に恵まれる強運の持ち主。編集長南城にムラっとする。
沢口美奈子~愛称ミーナ。ヴァニティのトップモデル、引退予定だが奈央に優しい
樋口文香~読モに誘った美人の友達
坂下グレース葵~読モ仲間。ハーフ美人で押しが強い
小田亜由子~読モ仲間。おっとり系気取りのセレブ妻 学歴好き
安永舞子~ミーナ後釜候補モデル。根性が悪い
黒澤洵子~「ヴァニティ」編集者。ほぼ連絡係りで存在感なし
副編集長・石田~小太りだが東大卒で高級品を身につけてる
安原トモ~口の悪いが奈央と仲良いオネエ系メイク
沖田里美~ファッションライター、なぜか奈央に良くしてくれる
南城編集長~上手い事、奈央を持ち上げる。ミーナと付き合ってる。
————————————————————
追記 全キャストが発表されました
坂下グレース葵→佐藤江梨子 ハーフじゃなくなり日本人「坂下葵」設定になりました。カメラマンとウワキします。
小田亜由子→藤澤恵麻 原作名から「小田萌子」に改名。高学歴の副編が好きで原作ではサトエリ(葵)とカメラマンの不倫をリーク
副編集長・石田→眞島秀和
安原トモ→徳井義美 見た目のワイルドさは欠けますが、オネエ言葉を話せる綺麗なお笑いの方という事で抜粋?
南城(彰)編集長→リリー・フランキー うーん;なんか違う気もします
宮地伸行(旦那)→宇野祥平
宮地宏樹(息子)→佐藤瑠生亮
山上航平(カメラマン)→金子ノブアキ サトエリとウワキします。原作ではちょい役
樋口文香→加藤雅人 読モに誘った美人の友達だった役回りが男性に変更。
【原作あらすじ(ネタバレ)】
普通の主婦がプロのモデルに。アラフォーの少女マンガ的シンデレラ物語
主人公・宮路奈央は永大橋(中央区)の中古タワマン32Fに住む専業主婦の奈央。大手自動車メーカーエンジニアの夫と女子大卒業後2年だけ画廊でバイト後あっさり結婚。私立中1年の素直な息子がいる。子供に手がかからなくなったので、ピアノとか油絵とかバレエ、中国茶とかなにか趣味をはじめたいと思っていた。
そんな時、美人の友達・文香に「(雑誌ヴァニティ)読者モデルに一緒に応募しよう」と誘われあっという間に書類一次通過。二次審査に行く57,000円のワンピース購入。更なるハイソな応募者達に引け目を感じつつも奈央は合格。文香は落選で仲たがい。
奈央を含めハーフ美人・葵、セレブ・亜由子の3人の読者モの中「自分は3番手」と謙虚だがトモさんから「ダサい中にも可能性…5キロ痩せろ」石田から「(奈央の庶民的な)私服持ち込み企画が良かった」とジワジワ上がる評価が気に入らない葵と亜由子。メイクのトモさんからは「みんな心の中には『悲しみよこんにちは』のセシルみたいなとんでもないもくろみを持っている」と言われ「私もなのかしら?」とダイエットに励む奈央。
偶然ヴァニティのトップモデル・ミーナの息子と奈央の息子が同じ学校なのもおもしろくない葵と亜由子。ダサい奈央変身企画でロンドン帰りの美容師にカッパにされ読モ2人に失笑、企画もお流れ。ミーナのヴァニティ卒業の後釜を狙うNo,2,3が大喧嘩乱痴気騒ぎで離脱。読モから専属モデルの道もあることを知り「私なんて」と自信ない奈央をなぜかミーナに妙に気に入られ自宅に招待。服をプレゼントされたがミーナの家庭不和を知る。
ミーナ後釜候補にTVコメンテーターもする性悪・安永舞子が参戦した頃、葵はカメラマンとラブホ入りをリークされ離脱。奈央が「犯人は誰だ?」と気もそぞろで家事も手抜きになり旦那に怒られた後、犯人が亜由子とバレて離脱。読モ2人がやめたので奈央もリストラされる代わりに「ドレスアップして旦那とデート」企画を最後にと喜ぶが、旦那がドタキャン。代役の南城編集長にモデルクビ後もムラッとする奈央。
クビ2ヵ月後デート企画が好評だったので今度は専属モデルで再スカウトされる奈央。景気が悪くなり旦那の会社業績も落ち込み気味だがモデル復帰に「給料下がっても食わせられないわけじゃない」と反対する旦那を持ち上げ無事モデル復帰。
早々に舞子にイヤミを言われ、南城にかばわれつつプロ初仕事は息子の剣道の試合の日。
新たに所属したライター沖田里美と妙に仲良くなり、里美が押し気味の撮影を切り上げさせ試合に間に合う奈央。更に里美はミーナと奈央合同企画を立ち上げたり「モデルは半額で買える」と高級ブランド「G」に連れて行く。バックを「自分へのご褒美」に買う奈央。
里美の『先輩に(ハワイで)教わるショッピングの極意』でミーナに優しくされ楽しく撮影は終了したものの、最終日打ち上げで倒れる奈央。ベットまで運んだのが南城と知り、ムラッとした奈央は南城が忘れたパーカー片手に浜辺に走ったが、南城とミーナがデキているの知りショック。ミーナに会いたくなくなる奈央。
だが2人のW不倫は周りも周知の上で、ミーナにアラフィフ雑誌創刊を予定されていたが、不況でできなくなった南城とミーナの中が微妙な事も知る。奈央は離婚するつもりは到底ないが南城へのムラムラした気持を夫で解消する。
ヴァニティの大幅リニューアルが決まり、バツ1モデル出タレント・大沢レイ子、子なし女優・野中真奈美の当用にざわつく中、ミーナと渋谷ギャルショップでのショッピング企画はミーナの発案で編集会議にも出てスゴイと思う奈央。ミーナの息子は留学する事を知り、一瞬息子と将来同居したいと頭をよぎるが若い人にイタく思われても欲を捨てない、表紙を飾りたいを思う奈央。
南城にランチに誘われ「綺麗になったけどイメージチェンジとアピールポイントを持て」と言われ、パーマをかける奈央。里美からは表紙モデル候補の一人であるし、そろそろプチ整形しろと進められ考え込むものの遅刻した日に舞子から「南城とミーナに媚びてるくせに、顔も治さないなんて恥ずかしい」と言われ、お前に負けないとタンカを切りヒアルロン酸を打つ。
ある日幼馴染みとバッタリ会い、40年前の「G」のブランドバックが自分の「G」ご褒美バックより素敵に見えて愕然とする奈央。南城に古い物をリフォームする勉強をアピールポイントにすると伝える奈央。
そんな中、表紙モデルがダークホース歌舞伎役者の妻・御木本由香に決まりミーナは引退。南城とも旦那とも別れた様子。だがヴァニティの売り上げが急落し、現場の空気も悪くなる中、里美もヴァニティを辞めてミーナが実質編集長の『ジョワイユ』という新刊雑誌に移ると知らされる。ミーナも奈央に引き抜きの声をかけるが悩む奈央。そこへ南城左遷降格が決まり、奈央ショック。周囲に腫れ物扱いされ平然を装うイタい南城を、偶然忘れたピアスを取りに戻った奈央が飲みに誘い、資料室→子会社行きを知り南城と浮気する奈央。
自信のついた奈央はミーナの誘いを断り、ヴァニティでやっていくことにする。舞子もヴァニティで表紙になると仁義を通す姿にすがすがしさを覚える。更に家族でも人生それぞれと悟ったところに、仲たがい中の文香から『ジョワイユ』のモデルになった連絡をされ「ヴァニティの二番煎じ」と鼻でせせら笑う奈央は誰にも負けたくないと思うのであった。
【感想】
雑誌『STORY』読者には32階のタワマンに住む専業主婦は「ふつうの冴えない女」扱いなのですが心にセシルがいるのでやっぱり野心家でした。というお話です。
女同士の策略・陰謀などが盛り込まれていますが、主人公奈央はそれらに加担する事無く、正々堂々強運のみ(プチ整形はありつつ)でモデル道をトントン拍子に突き進み、プロとなり好きな男とも家庭が壊れない程度に浮気し、最後は高慢ちきな女となります。
原作の受け止め方が「独立した女の生き方」と捕らえるか「美魔女の魂胆は醜悪」と捕らえるか意見が二分する作品です。通して読むと、作品としては昼メロ的単純なサクセスシンデレラストーリーで「STORY」の示唆のもと書かれた美魔女脳作品だというのが深く感じられます。唯川恵氏はけっこうな商業作家なのだなぁと知りました。
「セシルのもくろみ」ドラマあらすじと原作の違い
「セシルのもくろみ」は2008年連載スタートですから、10年も経つと時代背景(流行や感覚)がちょっと古いです。
美魔女ブームも「STORY」が2009年に立ち上げたブームですが「いい年こいてキレイで若い見た目の女性を『美魔女』と呼んでチヤホヤする風潮はおかしい」と2015年に小籔千豊氏が苦言を呈したのをきっかけにすっかり影を潜めてしまいました。
したがって原作そのまま「美魔女売り」ドラマにしてしまうと、またしてもフジテレビは炎上してしまいますので、かなりの設定変更がされています。
宮地奈央→真木よう子
着飾らない金型仕上げ工の旦那を持つパート専業主婦。体育会系で威勢良い。ある日読モにスカウトされデビューするものの、装う世界に抵抗を感じる。が、周囲と関わるうち違った価値観を見つけていく。
他人にどう見られるかより自分がどう生きたいかを清らかに貫く、心の強い女性
浜口由華子→吉瀬美智子
原作にキャラなし。カリスマモデル「ハマユカ」奈央と正反対のキャラで「幸せに見えること」が使命
孤独を隠してトップに立ち続ける
原作トップモデル「沢口美奈子(ミーナ)」のキャラ変とおぼしき存在
沖田江里→伊藤歩
原作名「沖田里美」→「沖田江里」半信半疑で奈央とタッグを組む失業転職で崖っぷちでライター転身
フリーであることに不安を感じている独身ライター
黒沢洵子→板谷由夏
編集部デスクで元モデル。子供をあきらめた。
原作では連絡係り程度の登場。
安永舞子→長谷川京子
物言いはキツイが正義と仁義のある元一流モデル
後半戦に登場?
他、気になるキャラは誰?
読モ仲間で上昇志向の高いハーフ美人の坂下グレース葵や、オネエメイクさんの安原トモも誰がやるのか気になりますが、一番気になるのはやはり南城編集長です。原作は最後主人公奈央が南城と浮気して一皮向けたプロのモデル根性を身につけます。ドラマ紹介では主人公キャラはやや貧乏だけど威勢のいいサバサバ体育会系キャラとうたっているのと同時に生き方の多様になった女達の「幸せに見えることへの固執」に疑問符を呈し、存在を認め合う事で生きづらさを減らす事ができるカモ?と提示していますので、真木よう子の不倫なんて導入したら炎上間違いなしです。原作からどのように変化されるのか楽しみですね。
つい先ごろまで放送していた「見た目が100パーセント」
ドラマ内で美容研究するのが毎回あるシーンで、スポンサーはコーセーでした。そして出演俳優たちがドラマの続きを装った小芝居を目にし「ん?何か釈然としない違和感…これってCMじゃない?」と違和感を感じた方も多いはずです。
この「出演者や場所や番組進行(キャストとシチュエーション)がその直前まで見てた番組内容と関連させて放送される」「視聴者に番組が続いてるように見せてコマーシャル」はネイティブ広告とも言われ「うっかり見せられた不快感」を感じえずにいられない代物です。
ですが最近、そのようなCM手法をとる番組を多くなってきていて「うっかりCM視聴率」が取りやすいドラマ作りができるので10年前の小説がドラマ化したのか?と推測できます。
おそらくこのドラマでも光文社の広告が入ってくる物と思われます。誰がCMに登場するのかも気になりますね(笑)