【チョコレートタッチ】あらすじ・ネタバレと読書感想文の書き方大ヒント
パトリック・スキーン・キャトリング (著), 佐藤淑子 (翻訳)
出版社 : 文研出版 (2021/10/20)
発売日 : 2021/10/20
言語 : 日本語
単行本 : 128ページ
ISBN-10 : 4580824881
ISBN-13 : 978-4580824881
こちらでは
2022年の「第67回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校中学年の部(3,4年生)の課題図書「チョコレートタッチ」の「あらすじ・ネタバレ」と読書感想文の書き方のコツ・ポイントをご紹介いたします。
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『チョコレートタッチ』あらすじ・ネタバレと感想・こんな子にオススメ
『チョコレートタッチ』読書感想文の書き方のポイント
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『チョコレートタッチ』あらすじ・ネタバレと感想・こんな子にオススメ
【チョコレートタッチ 登場人物】
ジョン・ミダス
勉強も音楽の楽団の活動もまじめにやるいい子だけど、食事よりもお菓子、とくにチョコレートに目がなくてウソをついてでも食べてしまう。
ジョンのパパとママ
ジョンのチョコレート好きを何とかしたいと、こまっている
メアリー
ジョンの妹。一番最初にジョンのチョコレート病に気がつく
クレイニアム先生
ジョンを診察してくれる病院の先生
スーザン・バターカップ
ジョンの友達。金髪に青いひとみのきれいな子。おはじきやコインをコレクションしている
スパイダー・ウィルソン
1学年年うえのやんちゃないじめっ子
プリムソール先生
ジョンのクラスの先生
クウェイバー先生
ジョンのいる音楽楽団の先生
赤レンガの店の主人
突然あらわれた赤レンガのお菓子のお店。なぜかジョンのことを知っている
あらすじ・ネタバレ
ジョン・ミダスは勉強も音楽楽団もがんばるだいたい良い子なのですが、お菓子が大好きすぎるこまったところがあります。食事は残すのに、お菓子ばかり食べたがるのです。特にチョコレートには目がありません。
ジョンの鼻の頭に吹き出物ができて、パパとママはクリムソン先生の病院に連れて行ってくれます。
でもジョンは「ほかのものはただの食べもの」でパパやママがいくらせつめいしても、ママがこまっていても、なぜチョコレート以外を食べなければいけないのか?わからないのです。
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ある日、太った男の子絵と「J.M.」というジョンの名前と同じ頭文字が書かれたコインを拾います。
スーザンの家に行こうとすると、初めてみる赤レンガのお菓子がたくさんかざってあるお店をみつけ、お店の男の人に中に招き入れられます。そのコインなら大きなチョコレート1箱を買えるというので、ジョンは「ママは気にしないよ」とそれをこっそり買って持ち帰ります。
ジョンは家でイレイニアム先生のひどい味の薬も飲んでいい子のフリをして飼ってきたチョコレートを食べました。いままでで一番チョコレートらしい味がしました。
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朝起きて口に入れた歯磨き粉も朝ごはんもすべてチョコレートになって、ジョンは大喜び。口でふれたものが全部チョコレートになるのです。妹のメアリーは「お兄ちゃんが、歯磨き粉を全部食べちゃった」とママに言ってもじょうだんだと思ってしんじません。逆にちゃんと朝ご飯を食べたジョンをほめます。
学校についたジョンは、汚い手袋をかんでいるとそれもチョコレートになりました。
学校のイジメっ子スパイダーがとりあげげ食べてみると、ただのふけつな手袋で吐き出しました。でもジョンにはチョコレートなのです。
次にスーザンが誕生日なのでパパからもらったコインを見せてきました。
ジョンが本物か?うたがうので、かんでみると、コインはチョコレートに代わり三日月形に噛みちぎってしまい、スーザンは「あんたなんか、だいっきらい」と泣きながら走り去り、ジョンはバツが悪くなりました。
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その頃になるとジョンの口の中はチョコレートでキモチ悪くなりはじめました。
でも飲み水も、えんぴつ、給食のおかず、音楽楽団でのトランペットまで、すべてチョコレートになってしまいました。
テストの答えも書けないし、スーザンにホントのことを言っても、怒ったまま信じてもらえないし、楽団でのソロ演奏もなんども練習したのに、ムダになり笑われてジョンは逃げ出しました。そしてプリムソール先生やクウェイバー先生、スーザンをうらみ、泣きながら家に帰りました。
でも、怒っていたのにスーザンは誕生日会に招待してくれて、途中までは楽しかったのに、ジョンとスーザンの「リンゴ食い競争」対決で二人はチョコレートまみれに・・・ショックをうけたスーザンをしりめに、ジョンはいたたまれなくてパーティーから逃げ出しました。
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ジョンがとほうにくれていると、仕事帰りのパパと会います。
正直に全部パパに話しましたが、赤いレンガの店はなくなっているし、しかたなく病院に行くと先生からは「クレイニアム病」つまりチョコレート病と言われます。
ジョンの病気にママは泣き出し、パパも鼻をかんで部屋を出て行きました・・・今まで自分のことで頭がいっぱいだったので、パパとママがどんな気持ちでいたのか気づいていませんでした。
ママの涙を見ていられないジョンは、ママのほっぺたにキスをしました。するとママは全身がチョコレートの像かわってしまったのです。
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ジョンは必死に、赤いレンガの店を探しました。その店の人はおぞましい魔法の力「チョコレートタッチ」のことを知っているにちがいないからです。
さっきはなかった店をみつけたジョンは店主に「ぜんぶあんたのせいだ!」とどなりました。
店の主人は落ち着いた様子で「きみがいつもとちがって、おかあさんを思いやっていてうれしいよ。だが正直さも大切。きみが本当のことを話すなら、助けになれるかも」といわれ、ジョンは真っ赤になりこの出来事はぜんぶじぶんのせいだとわかりました。
そしてあのコインは“よくばりな人間”にしか見えないお金で、チョコレート病はわがままの印といいます。
治療法の1つは、他人を思いやること。
きみはよくばりで、他の人にどんなことが起きているか、気にかけてこなかったから。
その条件に、チョコレートタッチの力をなくすか、お母さんをもとにもどすか、どっちにするかい?
ジョンはチョコレートしか食べられない未来にゾっとして、ママのことを考えてためらわず「ママ」をえらびました。
「チャンスをあげよう…家に帰ってたしかめてごらん」
ジョンは店を飛び出し、主人はあのコインに新しい名前がほれるようにみがこうとおもいました。
家に帰るとママもすべてが元通りでした。パパもママも何も覚えていません。パパに出された牛乳も普通の味でホッとしました。ジョンは主人にお礼を言ってない事を思い出し、行ってみましたが店はどこにもありませんでした。
感想文の書きやすさ ★★★☆☆
こんな子におすすめ
・食事の好ききらいがある
・食べすぎたり、飲みすぎたりしておなかをこわしたことがある
・欲しいものの取り合いをしたことがある
・欲しいと思ったら、どうしてもほしくなる
・だれかとモノを分け合うことが苦手
【作者のねらい】
「チョコレートタッチ」は、1957年に米国で最初に出版されたPatrick Skene Catlingによる子供向けの本です。
チョコレートタッチはギリシャ神話の「ミダス王の神話」をモチーフにしていて、「貪欲」についてのお話です。
そのため主人公の少年もジョン・ミダスという名前にし、子供にもわかりやすいように、主人公の欲望の対象を「お金」ではなく「チョコレート」にされました。
「ミダス王の神話」は何よりも金を愛している王様の「貪欲」で不幸になる物語です。
この物語をとおして「自己中心性VS思いやり」について考えてもらいたい内容になっています。米国中の小学校の授業のカリキュラムでもよく使用されています。
『チョコレートタッチ』読書感想文の書き方の大ヒント
読書感想文・用紙と字数のルール その他の詳細
原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。
小学校中学年の部(3,4年生)本文1,200字以内
※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。
①この本を選んだきっかけ
・チョコレートが出てくる楽しいお話だと思ったから
・お菓子が大好きだから
②簡単なあらすじ
ジョンはお菓子大好き。大切な栄養があるんだとお医者に言われても、お母さんが悲しそうにしても、食事よりもお菓子がいい。特にチョコレートは大好物。ある日不思議なコインを拾って見慣れぬお店に誘われ、パパとママが心配しているのに素晴らしいないしょでチョコを1粒買って食べた。すると翌日から、口にするものは全て激ウマチョコに大変身!最初は大喜びのジョンだったけど、やがて恐ろしい事態に気が付きます。
③感想(共感・反感・驚き・気づき・疑問など感情が動いたところ)
・大好きなお菓子をたくさん食べたいジョンの気もちもわかります(共感)
・ごはんも食べたいし、お菓子は別腹だとおもいます(反感)
・本当は歯磨き粉や手袋、コインなのに、チョコレートとして食べちゃって魔法がとけたら体大丈夫か?心配になった(驚き)
・どうしてそんなに甘いものにこだわるのだろう?心の病気なのでは?(気づき)
・勉強も音楽も生活態度もマジメなジョンはストレスがたまっていてチョコレート食べたいのでは?(疑問)
④自分の意見、似たような経験談
・たらこ中毒になったことがあって、たらこがあれば何杯でもご飯を食べてしまったことがあった
・みんなで分け合う給食は、だいたいの目安でわけるスープとか汁モノがいつもちゃんと平等に行きわたらせるのがむずかしくて苦手
・欲張りで強欲な人って、自分が気持ちよくなることしか考えていないし、自分が欲張りだとも気が付いていない
⑤本を読んでの意見(本を読んで学んだこと、自分の意見、今後の生活に生かしていく。など)
かわいくて、たのしそうな表紙の本でしたがとても怖い物語でした。
ジョンは甘いもの、とくにチョコレートに目がなくて、普通の食事をすることの大切さやパパやママの心配する気持ちがわかりません。
ある日ふしぎなコインをひろって、初めて見るお菓子屋さんの主人から「特別なチョコレート」をそのコインでママたちに内緒で買います。
翌朝からはジョンの口に触れたものは全部チョコレートに…朝食までは良かったけど、チョコレート化することで、友だちからも嫌われ、勉強や練習したことも全部無駄になって、ママまでチョコレート像になってしまいます。
ジョンはそこでやっと、自分にとって大切なものがチョコレート以外にもたくさんあると気が付くのです。
キリスト教で「人はパンのみにて生くるものにあらず」という言葉があります。
人間は、物質だけではなく、精神的にも満たされることを求めて生きる存在である、ということです。
甘~いチョコレートを食べたその時、たしかにウットリと幸せな気分になります。
でも甘いものを食べ過ぎると「くどいな、しつこいな」と口の中が重たい気分になって幸せ気分は不快になります。
人間が1種類の食べ物だけで生きていければ、とても簡単だし楽だとおもうけど、人間はいろんな食べ物をだれかと一緒に食べると、楽しいし元気な気分になっておいしく感じます。
チョコレートも一人で食べるより、みんなで食べたほうがおいしい。自分一人でよくばっている時、そのせいで誰かに迷惑をかけているかもしれない。
きっと子供だけじゃなく、世界中のみんなで仲良く分けることを意識したらいいと思いました。
【みんなの感想】
コワー。偏食と嘘の罰にしては重すぎるのでは?…と思ったら1952年の作品。さもありなん。ジョン・ミダス。かのギリシャ神話のミダス王の血を引くのか?触れたもの全てがチョコレートになるという「チョコレートタッチ」…梶尾真治の『チョコレートパフェ浄土』を思い出したー。コワー。中学年の課題図書…書きやすいかもね。回収されない(明文化されてない)問いもたくさん。「言葉をたくさん覚えればそれだけ正確に考えられるようになりますからね」(80p)の先生の言葉がいいな。
主人公のジョンはチョコレートが大好き。ある日、古いコインを拾い、それを使って不思議なお店で買ったチョコレートを食べてから、口に触れたものが全てチョコレートになってしまう。最初は良かったが、少しずつ大変な事に。魔法を解く鍵とは・・・。何事もほどほどが一番だし、相手を思いやる気持ちも大切ですね。
ジョンはおかしが好き、特にチョコレートが大好きで、チョコレートさえあれば、ほかは何もいらないと思っていた。ある日、古いコインを拾い、それを使って不思議なお店で買ったチョコレートを食べてから、奇妙なことが起こりはじめる。有名なギリシャ神話がモチーフになった、楽しいお話。探しても見つからない、必要な人だけが出会える不思議なお店は、コンビニたそがれ堂を思わせる。
ホラーというわけではないけど、また同じことがどこかで起こるのでは…というドキッとした読後感があるのが良い。チョコレート大好きな子に読んでほしい。
【読書感想文の例文】(外部サイト)
読書感想文は正解があります
読書感想文は、まじめで真剣に本のテーマを考えている「とても正しい優等生な意見」が良い評価をもらえます。
「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」と先生方は判断するからです。
内閣総理大臣賞 <小学校中学年の部>
◆西崎千青 岡山県 倉敷市立倉敷東小4年
「オーバーテーブルでつながる気持ち」・・・「二平方メートルの世界で」(小学館)から
文部科学大臣賞 <小学校中学年の部>
◆河崎美空 鳥取県 鳥取市立賀露小4年
「カメムシがおしえてくれたこと」・・・「わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話」(福音館書店)より
読書感想文を何をどうやって書けばいいのか?前年の課題図書の読書感想文全国コンクールの入賞作品を参考にすると書き方のコツが身につきます。