【桜餅】道明寺と長命寺の違いと2種類ある由来と「桜餅の葉っぱ」は食べないのが正解?
春になると目にする春らしいお菓子に「桜餅」があります。桜餅は桜の季節に合わせて3月から4月に良く売られています。雛祭りのお雛様にお供えしたりお花見で頂くのも風情が合って素敵ですね。
私は桜餅というと道明寺で育ったので、長命寺の存在にまず驚きましたし「これを道明寺と呼ぶなんて!」と複雑な気持ちでした。この2種類の桜餅は地方によっては片方しかないのです。
こちらでは
【桜餅のちがい】桜餅は2種類あるのはなぜ?道明寺VS長命寺
桜餅の葉っぱ「食べる、食べない」問題どちらが正しい?
桜の香りのするお酒と桜餅に合う飲み物は?
をご紹介します
ひな祭りはなぜ桜餅?
ひな祭りに頂くおやつといえば、ひなあられや白酒や雛デコケーキも定番ですが「なんとなくピンクだし可愛いし」な気分になれるのは桜餅です。ですが桜餅がひな祭りの定番になったのはなんとも軽い理由がありました;
伝統は関係なく、食べやすくておいしいからひし餅に変わって桜餅になった
・・・ということです。
そういえばうちの雛人形のひし餅はプラスチックで出来ていた全くのレプリカだった気がします;3色のひし餅は緑は「健康や長寿」、白は「清浄」、ピンクは「魔除け」を意味する説と、緑は「大地」、白は「雪」、ピンクは「桃」で「雪がとけて大地に草が芽生え、桃の花が咲く」という意味なのですが、本物の餅だと調理しないと食べられませんものね。たしかに桜餅で正解かもしれません。
【桜餅のちがい】桜餅は2種類あるのはなぜ?道明寺VS長命寺
圧倒的に自分で作るなら長命寺の方が簡単です。
もちっとはしていますが餅かなぁ~という気もします。
道明寺で育った著者は未だ、長命寺をなんとなく認めたくない道明寺派なのです。個人的には道明寺の「ツブツブしたお米感」が好きだからです。そこでこちらでは道明寺と長命寺のそれぞれの桜餅について調べてみました。
【道明寺】とは
道明寺粉という、乾飯や煎り種の一種で、大阪の道明寺で保存食として使われた粉を蒸して作られたので道明寺または関西風桜餅と呼びます。
道明寺のカロリー:1個100gで200㎉です
こんなものを見つけてしまいました!
カップ桜餅!110g212㎉ ¥230-なり
アンコも道明寺粉のおもちも熱を加えるので形成するのは少し火傷に注意です。ですが透明のカップやガラスのコップ・器に入れたら大幅に時短できますし、なんとなく洋風デザートにも見えるし手も汚れません。
道明寺桜餅の元祖というのは定かではないのですが、名古屋と浜松間で東西に分かれているらしいです(ですが著者は北海道出身で道明寺でした)
老舗が分からないのが残念ですが、道明寺桜餅の美味しいお店を知りたい方は関西風桜餅・道明寺を50種類食べ比べたというスんゴイ方がいますのでこちらをご参考にされてはいかがでしょうか(注※ビックリされないで下さい)
長命寺桜餅にはしっかりとした由来があります。
江戸時代(暴れん坊将軍・徳川吉宗時代)に隅田川沿いにあった長命寺というお寺の門番、山本新六が、桜の葉っぱが沢山降り積り困るので塩漬けにしてお餅を包んで食べたのが、長命寺のできた由来です。以降「お花見名物」となりました。
そして長命寺は桜餅といってもガワは『餅』じゃなくて薄力粉と白玉粉です。
長命寺のカロリー:1個100gで238㎉
長命寺の方がカロリーが高いのが意外です。
ですが!そんな元祖長命寺が食べられるお店が今もあるのです!
長命寺開発者の山本新六のお店は今でも健在!「向島 長命寺 桜もち」で桜餅1品で300年やっているスゴイお店になっています。3月4月は長蛇の列で予約の人が優先になります。(イートインはできます)隅田川のお花見の時にイイですね。歴史があると知るととたんにありがたいものに感じてしまいます。失礼しました。
桜餅の葉っぱ「食べる、食べない」問題どちらが正しい?
とあるアンケートでは道明寺・長命寺ともに「食べない派」の方は「葉っぱごと食べたら、しょっぱすぎ」「葉っぱ独特の筋が嫌い」「葉っぱは飾り」「お前はウサギか」などのご意見もあります。
また、桜の塩葉に含まれる香りの成分【クマリン】これに肝毒(肝臓に対して毒性があること)発がん性があるじゃん!と鋭い所をつく方もいます(少しくらいならなんともありません)
そもそも、なぜ桜餅に葉っぱがついているのか?
・桜の葉の特有のいい香りがするので、鼻でも楽しめるように香り付け
・葉でつつむ事で乾燥を防ぐことが出来る
・餡の甘さと塩のしょっぱさがほどよくマッチして、最後まで飽きない味を表現
・お箸などを使わずに手で持って食べられる
と、香りや味もUPさせ、効率的である実は計算しつくされた和菓子だったのですが
桜餅が桜餅たる本当の理由は
【桜の葉っぱが巻いてあるから桜餅】というのです。
そう考えると道明寺と長命寺が形も素材も全く違うのに、双方桜餅と名乗る理由に合点がいきます。元祖長命寺の桜餅は今でも白い餅で、ピンクに色づけされているから桜餅な訳ではないのです。
このままでは桜餅の葉っぱを嫌っている人は
「桜餅自体を否定している?!」
と言う事になりかねませんが
ここで食べない派を援護してくれるのは元祖長命寺の山本屋さんです。
「長命寺の桜餅の場合、葉を巻くのは香りづけと乾燥防止目的なので、食べないことをお勧めする」
とお店の方はおっしゃってくれています。
もちろん全ての桜餅に該当する訳でもなく
「桜葉もお餅と一緒に食べていただければ嬉しい」
という和菓子屋さんもあります。
全国で作られる桜餅の葉っぱ生産のシェアのほとんどが
伊豆半島の西側にある「松崎町」で作られていて桜の葉っぱ農家に「桜畑」があるそうです。
(伊豆半島は実は色んな種類の桜が咲いています)ほぼ国産農家が作ったの桜餅の葉っぱですからそれを考えるとクマリンを大目に見てもいいかと思います。
和菓子屋さんも賛否両論ですので
桜餅の葉っぱは食べる人の好みです。
桜の葉っぱの塩づけにも和菓子専門店ならそれぞれ作り方にこだわりがありそうですので「こちらの葉っぱは食べていいもの?」かどうかお店の方に尋ねても良いかもしれませんね。
ちなみに桜餅というと緑茶でしみじみするのが定番な気がしますが
ポーランドのウォッカ「ズブロッカ」は桜餅の香りがする
クマリンが含まれたお酒です。
バイソングラスという貴重なイネ科の植物から出来ています。
「じゃあ、ズブロッカも飲みすぎたらヤバイじゃないかっ!」
と言う事になりますが、クマリンの半数致死量は実験動物で
200mg-600mg/kg(体重当たり)人間だと体重50kgの人なら500mgになります。
ズブロッカ1リットルに含まれるクマリンは12mgくらい。
つまり1日にズブロッカを50リットル飲むと肝障害が起きる危険があります!
その前に急性アルコール中毒です。
そんな桜の香りのズブロッカにはフルーツが合うのです。
ということは桜餅も意外とリンゴやオレンジジュースなどが合うかもしれませんね。
和菓子についている葉っぱ問題で実は、とある方も
【葉っぱが原因でその和菓子が嫌いになった】ことがあります。
とある方とは【昭和天皇】です。
渡辺誠さんという昭和時代に大膳に入りしたフランス料理のコックさんが
おやつとして昭和天皇と皇后に柏餅を御所へ持って行くように命じられました。
昭和天皇がそれを召し上がって一言「美味しくない」
凍りつきながらお皿を取りに行くと柏の葉の葉脈だけがきれいに残っていました。
なんと昭和天皇柏餅の葉っぱも食べてしまったのです。
皇室には「お皿に盛りつけてあるものはすべて食べられるもの」というルール
肉も魚も全て骨は取った状態で召し上がっていただきます。
柏餅を葉っぱ付きのまま出したので、昭和天皇に食べさせてしまったのです。
その後「柏餅だけはちょっと・・・」と昭和天皇が言ったとか言わないとか。
この渡辺さんこの後、女官と大膳の課長からこっぴどく叱られたそうです。
桜餅出しておけば良かったのに~(笑)