【インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時の対処法】処置と火葬・土葬などお骨や埋葬方法
「ペットロスが一番つらく感じるペットは鳥」と聞くことがあります
鳥はおしゃべりができたり、幼鳥の頃からの飼育ですごくなついたり、オウムなど人間並みに長生きの鳥は意思の疎通も感じるようになり、ペットの枠を超えた存在となりますから亡くなった時の喪失感が大きいと言われます。もちろん簡単に別れるには辛すぎますし「最大限、安らかに荼毘に伏してあげたい」と願うものです。
こちらでは、ペットの小鳥が亡くなってしまった時の対処法(処置・火葬・土葬やお骨の埋葬方法)などの後悔しない見送りの仕方をご紹介いたします。
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【インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時】体の処置方法
■「目が開いている場合」
■「鳥からの感染症」に注意と対処法
【インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時】安置・保冷方法
保冷剤(ドライアイス・氷・保冷剤・冷凍庫)のメリット・デメリット
■ドライアイス
■氷
■保冷材
■冷凍庫
【インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時】火葬・土葬の方法とメリット・デメリット
■ペット葬儀社での火葬
■自治行政での火葬
■自宅敷地内での土葬
【インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時】亡くなってからやることと遺骨埋葬方法
■ペットの死後、遺骨が戻ってきてからする事
・霊園や納骨堂で供養してもらう
・自宅の敷地に埋葬する
・ペット用散骨をする
・手元供養をする
まとめ「小鳥との死別も冷静に対応し、悔いの残らない別れを」
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【インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時】体の処置方法
~必要なもの~
・体を清拭するタオル(エタノール)、ペットボディシート
・敷物(キッチンペーパー、新聞紙)など汚れたら交換
・使い捨て手袋、ゴミ袋 など
~処置方法~
・体の汚れているところがあればペットシートやエタノールを含ませたタオルなどで清拭する
・ケガや出血など損傷があれば、キッチンペーパーなどで包む
■「目が開いている場合」
目が開いたままだと、瞳の乾燥が見えたり場合によりコバエなどがたかることもあります
~処置方法~
まぶたを中心に額からマッサージして閉じてみる。 閉じない場合、死後24時間以上たって硬直がとけたころもう一度試みて閉じてみる。できない場合はやはりキッチンペーパーなどにつつんであげます。
■「鳥からの感染症」に注意と対処法
どんな動物も先天的に保有しているウィルスなどがあり、鳥から鳥、鳥から人間に感染する病気もあります。ペットが亡くなって飼い主の方もショックでメンタルが弱ると免疫力も下がります。亡くなった鳥やケージは使い捨て手袋やマスクをつけるなどして清掃・消毒し、直に触らないようにします。処置をした後の手洗いも大切です。
・口移しで餌やり、キス、人の唾液を飲ませるような濃厚な接触は避けます
・動物に触れた後や食事前は手を洗います
・鳥カゴの掃除や排泄物の処理はこまめに行い、環境の清潔を心掛けます
・食品を扱う場所(台所)や食事する場所には、鳥を入れないようにします
【オウム病(鳥クラミジア症)】
人畜共通感染症のひとつ。オウムという種類だけに発症するわけではなく、あらゆる種類の鳥に発症します。60%がオウム・インコ類であり、そのうち約3分の1はセキセイインコです。感染経路は「オウム病」に感染している鳥の乾燥した排泄物や羽毛の吸入、キスや口移しで餌を与えたりする際の経口感染からです。
【メガバクテリア症】
食欲や元気があっても感染する病気。鳥同士で感染しても必ずしも発症するものではありません。カビの仲間ですので使用していたケージや道具の消毒が感染の拡大防止にとても有効です。多頭飼いの場合や新しい鳥を入れる際にはすぐに接触させずに、古いケージは消毒し、健康診断を済ませてからの方が安全です。
【インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時】安置・保冷方法
~必要なもの~
・鳥の体格に合う箱(ふたを軽くしめられる箱、タッパー、プラケースなど)
・敷物、掛け用タオル・ハンカチなど数枚
・使い捨て手袋
~安置方法~
安置用の箱、布団に寝かせる
体の処置後、なるべく小さく寝ている姿に体を整えます。死後硬直は死後2~3時間頃始まります。
※ペット火葬の際、箱が燃やせない業者もあります。
インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時の保冷方法
~必要なもの~
・保冷剤 →下記参照
~保冷方法~
・腹部中心、出血個所を保冷
・小さなインコの場合、大きな保冷剤は体の下に置く。オウム、フクロウなどある程度大きい鳥は保冷剤は体の上に置きます
・室温は20℃くらいの涼しい状態にします
・直射日光の当たらない涼しい場所に安置します
・保冷効果を高めるために、箱のふたは姿を見る以外なるべく閉めておきます
~注意点~
安置する部屋で、電気やテレビなどのつけっぱなしでも室温が上がります。冷房以外の電化製品、暖房器具の使用は控えてください
副葬品を供える
副葬品とは火葬や土葬の埋葬時に一緒に棺に入れるものです。
ペットならおやつやエサ(少量)は紙に包み、おもちゃなどになりますが、ペット火葬業者に依頼する場合は「燃える素材のモノのみ」火葬を受け付けてもらえる場合もあります。ですが副葬品がたくさん入っていると火葬時間の目安が難しくなるので副葬品すべて受け付けない場合もあります。依頼時に事前確認も必要です。
保冷剤(ドライアイス・氷・保冷剤・冷凍庫)のメリット・デメリット
保冷処置をしっかりしてあげると、腐敗進行や死後変化を遅くすることができ、火葬や土葬までの自宅安置の日数を伸ばすことができます。ドライアイス、氷、保冷剤、冷凍庫保管などどの方法が良いか?のメリット・デメリットをご紹介いたします。
ドライアイスはペットの体重にあわせて適用量をあてます。鳥の大きさに合わせて量を(割るなどして)調整し、ドライアイスをタオルや専用のドライガードに包んで体の腹部や顔周辺が冷えるように保冷します。(ドライアイス量は目安です)小さな鳥は体の下に置いて保冷します。
ドライアイスの量:500g~1㎏
鶏の体重:2.5~3Kg
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ドライアイスの量:500g
タイハクオウム:500~630g
メンフクロウ:250〜600g
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ドライアイスの量:250g
セキセイインコ:30 – 40 g
① ドライアイスは火傷防止に軍手やタオルで持ちます
② ドライアイスをタオル、ペットシートなどで包みます
③ ドライアイス→タオル→鳥→タオルで体を包み冷気を循環させて保冷します
~注意点~
・急激に凍らせ過ぎないよう、少量から使用します
・ドライアイスが大きすぎる場合ドライバーなどで割って使用します
・室温、安置状態などでドライアイスの消耗の仕方は変わります
・残りは新聞紙に包み、保冷バッグなどで屋外、冷暗所で保管します
~ドライアイスのメリット~
・凍結効果が高く、遺体保全効果が最も高い
・体が凍結した場合、補充・交換は2日に1度で大丈夫です
・しっかり保冷できれば1週間ほどは出棺(火葬・土葬)の日延べできます
~ドライアイスのデメリット~
・当て方や室温、季節により冷凍焼けや結露で霜がつきます
・炭酸ガス(二酸化炭素)の酸欠事故への注意が必要です
・フタ付き容器は完全密閉するとドライアイスで爆発する可能性もあります。スキマをあけて軽くフタをします
・保冷剤は火葬、土葬の埋葬の際には取り外します
ドライアイス購入先
氷屋さん:10㎏5千円~「ペット遺体安置用」と伝えるとブロック状のドライアイスを用意してもらえます
葬儀社:10㎏1万~。入手はしやすいものの高額です
ネット通販:キロ数も選べるものの到着日時が読めず到着時に溶けて消耗している可能性があります
~氷のメリット~
・保冷効果は高めですが、ほかの保冷材の間に合わせに使います
~氷のデメリット~
・持続時間が短く、ひんぱんに交換が必要
・溶けて水が出てきて濡れてしまう
・腐敗・臭気防止効果は強くはありません
・火葬・土葬時には取り外します
~保冷材のメリット~
・食品用の小さな保冷剤なら小鳥には使いやすい
・繰り返し使用できる
~保冷材のデメリット~
・凍結するほどの保冷力ではないので、ひんぱんに交換が必要です
・腐敗・臭気防止効果は期待できません
・火葬・土葬時には取り外します
■冷凍保管する~ ‐18℃
「保冷剤が間に合わない」「ご家族の理解了承を得られる」環境であまり大きくない鳥なら、ラップと冷凍用ビニールに包んで「冷凍庫で冷凍させる」という方法もあります。鳥は体重も少ない小さな動物なので、保冷処置より冷凍保管の方が管理は簡単になります。
・霜がつかないようラップなどで包み、タッパーなどに入れます
~冷凍庫保管のメリット~
・確実に腐敗進行は抑制できます
・1か月くらいは保管できます
~冷凍庫保管のデメリット~
・水分でむくんでいる場合、冷凍すると膨張する可能性があります
・冷凍させる際は食品は一緒に入れないようにします
・絶対忘れない事と、家族全員が認知するように注意が必要です
ペットだった動物を冷凍庫に入れるのは倫理的にどうか…とも思えますが、人間も葬儀まで日取りがある場合、ご遺体用冷蔵庫で1週間~10日ほど保管することもありますので同じ方法となります。
葬祭業界ではご家族が亡くなった時、棺に入れる副葬品として「ペットだったこの子も一緒におねがいします」と亡くなってラップに包んで冷凍しておいた小鳥を冷凍庫から持ってきた…という話もあります。ペットの飼い主としては「同じお墓に入りたい」という気持ちもわかる一例です。また爬虫類や熱帯魚など腐敗進行が早い動物も「冷凍保管」を一案とする例もありますので推奨とは言い切れませんが、心理的に納得できればこの方法を取り入れるのもまちがいとは言えません。
扇風機は使用してはいけない?
遺体保全をするとき、扇風機では室温は下げることができません。扇風機の風は「肌の乾燥」「腐敗進行」につながります。室温をクーラーで下げる必要がありますが扇風機は“室内の冷気の循環”としてのみ使います。
また「風を入れよう」と部屋の窓を開けるのも厳禁です。かすかな臭気につられハエがたかり卵を産み付けようするからです。棺にする箱は蓋つきがベストなのは「保冷効果を維持できる」「虫の害」をさけれるためです。どうしても蓋つきの箱が用意できない場合は、タオルなどで全身を包み覆い隠すようにすると良いです。
※火葬、土葬をするまでの間が家族とペットとのお別れの時間になります。遺体保全の仕方によっては4,5日自宅安置をしても大丈夫ですが、徐々に「乾燥した感じ」「目元が落ちくぼんでくる」など見た目が変わってきます。
【インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時】火葬・土葬の方法とメリット・デメリット
ヒトが亡くなった時、火葬することを出棺(荼毘に伏す)と言います。
鳥の場合は「火葬や土葬のどちらにするか?」私有地がある方は選ぶことが出来たり、お住まいの地域でのペット火葬業者の有無、飼い主の日程も含め、鳥をどうやって荼毘に伏すか?決めることになります。
●ペット葬儀社での火葬
~メリット~
・親切な対応をしてもらえます
・遺骨の返納の有無を選べます(※要確認)
・自宅駐車場や庭先で火葬できる車で出張してくれる業者もあります
~デメリット~
・それなりの料金がかかります
・お骨をどうするか?の納骨の課題ができます
※小鳥の場合、骨が小さいためペット葬儀社でもお骨を残すのが難しいと言われることもあります。お骨返却を望む場合は小鳥火葬の実績がある業者で、返却有無の確認したうえでご依頼されるほうが良さそうです。
※ペットでも一般的には家畜あつかいになる鳥(鶏、烏骨鶏、七面鳥など)は火葬を受け付けない場合もあります
●自治行政での火葬
~メリット~
・料金は5000円未満
~デメリット~
・遺骨返却はありません
・丁寧な対応はしてもらえません
※ペットでも一般的には家畜あつかいになる鳥(鶏、烏骨鶏、七面鳥など)は火葬を受け付けない場合もあります
●自宅敷地内での土葬
・場所:日当たりがよく水はけのよい場所、隣の敷地や道路から離れた場所
・綿や絹などの土に還る自然素材の布で包んで埋めます
・埋め戻すときは30センチ以上「盛り土」をすることで鳥の体の腐敗に伴い土が平らになります
~メリット~
・自宅庭などいつでもそばにいられ愛着が持てる
~デメリット~
・公有地での埋葬は厳禁。許可を取らずに好きな場所へ埋めてはいけません
・「ほかの動物に掘り返される」「悪臭などの衛生面」「虫が地表に湧く」などの対策から深く掘るのがコツです
・遺体の腐敗分解は数十年かかることもあるので、埋葬した場所周辺の土いじりは控えます
・遺骨の土葬も100年単位で分解されないので、土いじりは控えます
・転居、土地の売却などの可能性がある場合はおすすめしません
【インコ・オウム・フクロウなど鳥が死んだ時】亡くなってからやることと遺骨埋葬方法
●火葬・土葬後「後祭壇」を作る
後祭壇には「写真・好きなエサ・おやつ、水」を供えペットを偲ぶコーナーを作ると飼い主のグリーフ(悲嘆)ケアになります
●鳥の死後の各諸届
・ペット保険加入の場合は解約の手続きをします
●遺骨をどこに納骨するかを考えます
ペットの遺骨は「死後いつまでに納骨」という期限はありません。
ですが「納骨せずにずっと自宅に置いておきたい」という考えは間違いではありませんが、飼い主の方が亡くなった場合、事情を知らない遺族や部屋を片付ける方がペットの遺骨をゴミとして処分してしまう話はよくあります。自宅に庭などない場合でも、遺骨については飼い主の方自身でなんらかの落ち着いた形に収めることをおすすめします
■霊園や納骨堂で供養してもらう
・年間の管理費がかかります
・安心してお参りができます
■自宅の敷地に埋葬する
・通常、骨壺から出してお骨だけ埋めます
・転居、土地の売却などの可能性がある場合はおすすめしません
■プランターに埋葬する
「自宅に庭がない」「火葬は嫌だ」という場合、「大きめのプランターに埋葬し植物を植える」方法
~メリット~
・自己管理なので火葬後のお骨、または土葬どちらでも可能
・自宅にあるのでいつもそばにいる安心感
~デメリット~
・土葬で埋葬した場合、分解されるまで10年以上かかると言われ、埋葬後5年ほどで土をいじるとミイラ化した姿で出てくる可能性もある
・火葬でお骨のみの埋葬でも骨はなかなか分解されない
・植物が枯れたり、虫がわく可能性があります
・「プランターの土はいじらない」「プランターを捨てない」覚悟が必要です
■ペット用散骨をする
~散骨のやり方~
・ペットの散骨事業(海・山・宇宙)業者に依頼する
・自分で行う場合、お骨をパウダー状にする負担があります
~メリット~
・お墓参りや供養が負担な人には精神的・金銭的に解放されます
~デメリット~
・業者に委託は料金の幅があり、割と高額
・個人で私有地以外にまく場合、土地所有者に許可が必要になります
■手元供養をする
・遺骨ダイヤモンド(海外での加工のため半年ほどかかります)
・ペンダントへの加工(少量)
・遺骨ロケット・ペンダントに入れる(少量)
・ぬいぐるみや人形の中に入れる
・亡くなった鳥に必要な体の処置をする
・亡くなった鳥の腐敗進行を遅らせる保冷処置をして安置する
・亡くなった鳥の火葬・土葬の方法を選ぶ
・鳥の遺骨をどうするか?考える
「小鳥との死別も冷静に対応し、悔いの残らない別れを」
知人から猫が亡くなったエピソードで「老衰で死んだ猫を『ペットは早く火葬しないとナニか出てくる』と聞き、あわてて火葬に出した」という話を聞き、胸が痛くなりました。
死因が老衰や病気で食事がとれていない命が枯れていくような“自然死”の場合、痩せていても穏やかな姿のままがほとんどで、思い込みで火葬してしまったのですからペットの前身の姿を見たり触れたりする最後の時間を終わらせてしまったと言う事です。
人の場合、都会の火葬場は混み合って予約が取れないと死後1週間葬儀ができないこともよくあります。そのため1週間ドライアイスを補充しながら自宅安置し遺体保全をすることになりますが問題ありません。鳥の場合でもちゃんと処置すればトラブルはなく1週間ほどは安置することができます。
また、ある程度の日数自宅安置することは、遺族(飼い主)も気持ちの整理ができて、冷静な判断や悲しみよりも成仏や感謝の気持ちを抱けるようになります。大切なペットも家族です。亡くなった姿に向き合い想いを伝える事が悔いの残らない別れにつながる手掛かりになると思います。