【十二人の死にたい子どもたち】読書感想文の書き方と例文(あらすじ・ネタバレ)


こちらでは
十二人の死にたい子どもたち」著:冲方 丁の「あらすじネタバレ」と読書感想文書き方のコツ・ポイントをご紹介いたします。

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【十二人の死にたい子どもたち】こんな人にオススメと感想文書き方のコツ
【十二人の死にたい子どもたち】あらすじ・登場人物・ネタバレ
【十二人の死にたい子どもたち】読書感想文の書き方のポイント

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【十二人の死にたい子どもたち】こんな人にオススメと感想文書き方のコツ

【出版社内容情報】廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「安楽死」をすること。決を取り、全員一致で、それは実行されるはずだった。だが、病院のベッドには“十三人目”の少年の死体が。彼は何者で、なぜここにいるのか?「実行」を阻む問題に、十二人は議論を重ねていく。互いの思いの交錯する中で出された結論とは。 

読みやすさ ★★☆☆☆
感想文の書きやすさ ★★★☆☆

こんな子におすすめ
・中学生以上の人
・今、悩みのある人
・人間の心理描写に興味がある
・親との確執に悩んでいる
・ラノベ小説好き       など

【十二人の死にたい子どもたち】感想文書き方のコツ

管理人がこの本を読んだ感想を一言で言うと
絶望≒孤独
という事です。

先にネタバレを言うと、全員死にません。
なぜならば、ほぼ全員が「生きなおす答え」を見つけるからです。
「なんだー死なないのかよー」「読むのがめんどくさくなった」
とガッカリしたという批判的でガティブな感想が多かったのもこの作品の特徴です。
映画化もされましたがR指定もついていない通り、残酷なシーンもありません。
どちらかというと、これは推理小説なのです。

とある「自殺サイト」で集った12人のはずが、なぜか1人先に死んでいる少年がいる。
自殺か他殺か?他殺だと都合が悪い事情を抱えた者が出て来て
仮に名付けたゼロ番殺しの犯人とそれぞれの死にたい事情を推理していく
というお話です。

十二人の子供たちそれぞれの死にたい理由と価値観に読者はそれに時に反発、時には共感します。
そうすると読者自身が持っている価値観もあぶり出されることになります。
・自分が共感できる自殺の理由
・自分を投影できるキャラクターはいたか
・共感できない自殺の理由を理解する方法
・誰かの自殺を止めたい時、自分ならどうするか 
・自分が死にたいと思った時、どうしたら思いとどまるか

希死念慮という超絶ネガティブな感情とどう向き合うかという事です。
自分なりに「人はどうして死にたくなってしまうのか?」なども
考察してみるのもよさそうです。

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【十二人の死にたい子どもたち】登場人物・あらすじ(ネタバレ)

【十二人の死にたい子どもたち】登場人物

1番 サトシ15歳~本作の主人公にあたる自殺志願者のサイト管理人の少年。冷静沈着。
母が兄を刺し父が自殺した過去を持ち、それ以降「死」に囚われている。

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2番 ケンイチ16歳~空気が読めないのでずっとイジメられっ子。孤立を恐れる。
人生に絶望していて自殺したい。

3番 ミツエ16歳~ゴスロリの少女。感情的だが共感力が高い性格。
大ファンのゲリ閣下の後追い自殺を希望している。

4番 リョウコ17歳~マスクで素性を隠した人気女優。大人びて冷静。
子役時代から大人たちの「商品」にさせられたことに疲れ切り、本名の「リョウコ」として死にたい。

5番 シンジロウ17歳~子供のころから病気で末期状態。薬の影響でスキンヘッド。・推理好き、クスリや医療機器に詳しい。
病気で死ぬなら自殺したい。

6番 メイコ18歳~いびつなファザコン。利己的な性格。
倒産寸前の父親の会社を自分の保険金で立て直し「死んだ娘に生かされてる父親」にしたくて自殺したい。

7番 アンリ17歳~全身黒づくめのファッション。気が強く知性が高い。
ネグレクトの母親のせいで火事になり、弟が死に自分も大火傷した。望まれずに生まれてきた子供たちの存在を社会に知らしめたいので、死にたい。

8番 タカヒロ16歳~吃音で落ち着きがない。薬がないと不安になる。
親から「落ち着きがない」と薬漬けで育てられ、吃音に絶望して死にたい。

9番 ノブオ18歳~爽やかな青年。学校で人気者。
自分をイジメた少年を階段から突き落として殺したが事故扱いとなった。その償いのために死にたい

10番 セイゴ15歳~ヤンキー。親分肌で弱者に優しい。
母親に保険金をかけられていて、受け取れないように先に死んで復讐したい。

11番 マイ17歳~ギャルで援助交際している。頭が良くない。
援交したオヤジにヘルペスをうつされ、一生治らないと思い死にたい。

12番 ユキ15歳~おとなしい。目立つことが嫌い。
事故で左半身が不自由になっており「たくさん苦しんできた。もう楽になってもいい」と死にたい。

0番~全員が来る前にすでに死んでいたなぞの少年。13人目のいるはずのない少年。

【十二人の死にたい子どもたち】あらすじ(ネタバレ)

 

※コミカライズ版もあります

 第一章~12人の集い~ 

とある廃病院に12人の子供たちが集まります。
1番サトシ主催で集団自殺(安楽死)をするための“集い”です。
それぞれ、抱える事情や自殺を望む理由はバラバラですが、集団で自殺することを望んで集まった地下の多目的ホール。そこには人数分のベッドが用意され、続々と約束の時間帯に参加者が集まってきます。
ですが、1番のベッドですでに死んでいる人間がいます。
最初、7番アンリと9番ノブオが「1番は集団自殺を待たずに決断したのだろう」と結論付けました。
しかし、そこに13番目の青年がやってきます。彼こそ主催者の1番サトシでした。
そして呆然とした様子で『この方はどなたですか?』と言います。

1番のベットで死んでいる誰かわからない彼を仮に「ゼロ番」とします。
12人同時の安楽死の条件は
・安楽死実行は全員一致が原則。
・途中で棄権し退出も自由。
・退出した場合は、今までのことは秘密にすること

異議を申し立てたのは2番ケンイチは「どこの誰かもわからないヤツと一緒に死ぬのはオカシイ」
実行に待ったかけられ3番ミツエは抗議しますが、誰も持って来ていない車いすがある事にも疑問がわきおこります。
長い闘病生活をし警察官を両親に持つ思考が得意な5番シンジロウはこの状況を推理し「あれは殺人だと思う」と言います。

 第二章~投票~

5番は集団安楽死を決行するにあたって
「ここにゼロ番を殺した誰かがいても構わないと思うか?」
「全員がゼロ番殺しの犯人と思われても構わないかどうか?」と話ます。

しかも矛盾点として
・ゼロ番の足の細さや車いすが個人所有するタイプのもの
・エレベーターも自動ドアも止まっててどうやって入って来たのか?
・ゼロ番の傍らにあった睡眠薬の量では死に至らないこと
薬物に詳しい5番と経験者の8番タカヒロが語ります。
5番、8番を抜かした十人で投票します。

投票後、10番セイゴは外でタバコを吸いに出ると1番も付き添い
他に落ちていた吸い殻が10番セイゴのモノでないと確認されます。

戻った10番は母親に保険金殺人される前に自殺したい
ゼロ番がいると「安楽死に見せかけて殺された」形になりかねないので反対します。
10番は犯人は自分に名乗り出るように言いますが、7番アンリにプライバシーにかかわるとぶつかります。

5番が空気を取りなし、不審な点を調べようと全員で飲み物を買いに部屋を出た時
吃音でいつも薬で頭がボーとしている8番のタカヒロには何か引っかかるを思い出します。
それぞれが思い出した事に…
・3番ミツエは女性トイレにゼロ番らしき靴の片方が落ちていたと証言
・11番マイは、花壇にマスクと帽子が捨てられていたと証言。
・2番ケンイチは帽子はカウンターで見たと証言
・4番リョウコは自分のものではないと否定
・5番は正面玄関の自動ドアが開きっぱなしだった事、
    車いすは表玄関の自動ドアからしか院内に入れない
    ゼロ番は一人で稼働できない
・1番サトシは一番最初についたつもりだったが、配電盤のスイッチが入っていたという。
(集合の最期の一人になったのは病院内を巡回していたため)

8番タカヒロは何か頭に引っかかっていたのものが晴れて
9番ノブオに「君があの子を殺したの?」と聞いた。

 第三章~テスト~ 

9番ノブオは「僕がやった」と告白。

3番はギョッとし、11番はポカンとし、12番ユキは青ざめた。
5番が改めて決を取りなおそうと言い
7番アンリはそれぞれ自由時間を取ってから、安楽死を決行する準備を進めようと提案した。
9番ノブオはここに来た理由「人を殺したから」の話の切り出し方を考えて階段に戻った。
右足を踏み出した時、階段を誰かに突き落とされた。

地下に戻ったのは11人。7番アンリは9番を逃がしたと言います。
1番に9番を探させに行く間
準備を進めようとする強気な7番アンリと的確な信頼を得る5番シンジロウ
二人のどちらに従うべきか値踏みする6番メイコのずる賢さを4番リョウコは見ていた。

8番タカヒロは9番ノブオが自分より先に屋上にいて
エレベーターを止めた犯人だと言い、ゼロ番の靴も隠し持っていたと推理立てた。

だが、ゼロ番殺害には2人の人間が必要だと結論が出る
10番は4番が先に来て喫煙してた証拠の吸い殻を出します。
裏口脇に落ちていた帽子とマスクと、同じようなものを身に着けている4番
4番は変装を取りその正体は若手女優のリコで変装は日頃からの習慣という。

3番は、4番の後追い自殺者が出るからやめるべきだと責めますが
4番は芸能の世界で作り上げられてきた自分を葬り去るために、自分自身でいるために自殺したいという。
進まない議論に動揺しているのは常に目立たないよう行動する12番ユキ。
7番アンリが「何百項目もある心理テストに合格した者同士」と言った言葉に反応した
11番ギャルのマイだった。「全部1にチェック入れた。あんなの適当でいいヤツでしょ?あははは」


 第四章~告白~ 

マイの「適当」発言は集まった半数を混乱させ、半数を絶句させた。

詰め寄られた1番の管理者サトシは
「テストはその人の心理状態や心理的傾向を推測するためのモノ」と答え、
7番アンリは「私たちは意思を持ちひとつ残らず回答したのは誠実」
だがこの“集い”の全員が互いに納得する理由があるのか、順番に告白することになった。

8番タカヒロは母親に小さい時から癇癪を起す病気と言われ薬で抑えているから
7番アンリは「人を不幸にする社会の在り方を変える力にするため」と理屈ぽく具体的な理由を離さなかった。
6番メイコは父の会社が倒産寸前なので自分の保険金で父に自分を忘れさせず、その人生を左右するため
5番シンジロウは長い闘病で末期になる前に自分の意思で終わりを決めたいため
3番ミツエはファンのバンドマンの後追い自殺
2番ケンイチは先生から始まった2年以上のイジメ。話し相手もなく親も匙をなげて疲れたから
1番サトシは家族が殺人未遂や自殺をし、死にたくなるとはどういうことか知りたい。死に取りつかれた。
12番ユキは交通事故の後遺症。もう楽になっていいはず。十分、苦しんだと思ったのでこうする他に考えることもできない。
11番マイは病気をうつされた。援交で知り合ったおじさんにベロチューされてヘルペスになったから。

さすがのシンジロウは肩を震わせながらマイの無知に爆発寸前になったが、
マイが「あたしとシンジロウの病気とどう違うの?」と言われ反論もできず呆然と虚脱した。
6番メイコは早く事を運びたくてイライラしドアを閉めるよう促し
1番サトシがゼロ番のベットに手をかけ立ち上がると偶然のタイミングか?ゼロ番が大きなゲップをした。
全員がゼロ番が生きている事に動揺した。

ゼロ番が寝ているだけなら「収支にすべきじゃない?」と2番が口にしたのでみなが驚きをあらわにした。
7番アンリは真っ向から反対したが、ではなぜ9番ノブオは自分が殺したと言い出したのか?

いつの間にか自殺は大人へのメッセージだという7番と
自己の強い願望を叶えるために自殺したがる6番とは険悪な関係になっていく。
5番はまずゼロ番を“集い”の場に運び込んだのは、7番と9番と推理します。
するとドアを閉めようとしていた6番の前に、怪我をした9番がやってきます。
ケガをし、ひびの入った腕の手当を1番がして
6番に「ありがとう階段から突き落としてくれて」と言った。

 第五章~最後の時間~ 

9番はゼロ番を殺したのは自分じゃないが、犯人でもいいかと思った事。
自分は一年前に同じようにイジメっ子を突き落として死なせたことを告白。
メイコに同じことをされて吹っ切れ、死ぬのは一人でもできるし自首(離脱)しようと思う。
だが出て行く前に皆にお礼が言いたかった。という。
そして全部の解明を5番にゆだねた。

【5番の推理】
~エレベーターのトリック~
誰よりも早く来て屋上から参加者を見張っていた二人、7番アンリと9番ノブオ
何者かが車いすに乗ったゼロ番を運び込んだ姿を見ます。
(車いすを押した人間も帽子とマスクで誰か不明)
二人は、下に降りると車いすに乗せられたまま放置されているゼロ番を発見。

車いすを押してきた何者かは裏口経由では密かに連れてきたゼロ番の車いすが通れないので
表口の自動ドアから入れようと配電盤も操作するためにその場を離れていただけだったところ
二人にみつかった。

二人はマスクの人物が“殺したゼロ番”を“集い”に参加するふりして置いて行ったのだろうと考え
この“集い”中止させないために、参加者に仕立て上げるために工作を始めます。

~ゼロ番を連れてきた犯人~
・そしてゼロ番を運び込んだ者はゼロバンの家族。
この人物は“集い”を実行させゼロ番を集団安楽死させるのが目的
見つかった二人にゆだね、実行されるよう気配を消すことにした。
・この人物の自殺の動機「もう楽になってもいいはずだ」
この物言いは死にたい本人ではなく、苦しむ人を見守っている方の言葉。
病気の当事者は“自分を助けたい家族”がいるので「楽になりたい」は我がままだから言いたくても言えない言葉。
したがって“犯人が同様の苦しい状況にある人間で、ゼロ番に向けての言葉”
そして5番は“12番ユキ”に今の話でまちがっている所がないか?問いかけた。

12番ユキは
先に来て二人で眠っていようとしたこと。
自分がふざけたせいで交通事故にあい、兄を植物状態にしたのが理由であると話した。
5番は12番の話に「それはたまたまの不幸」とあえて突き放すように言い
この“集い”を中止する決を取る提案をした。

7番アンリが猛反発したので、アンリの死にたい理由を具体的に語らせると…
不妊報酬制度(不妊手術を受ける女性に報酬を出す制度)の権利を認めさせること
アンリ自身重い病気を根性で治したが、親のせいでそもそも生まされたこと自体に苦しんでいる人が大勢いる。
そもそも生まれるべきでなかったと主張する事
社会は変わるべきでこうした制度を採り入れるべき。
この(安楽死)は社会に重大な影響を与え変えるきっかけになるという。

タカヒロ、セイゴ、リョウコは母親に苦しめられてきた事
メイコも父親に無関心なくせに従属を強いられて、その生に何の価値があるのか?
ミツエと好きなアイドルも大人たちに歪んだ心を背負わされている事
ケンイチとノブオのイジメも大人が放置した事
この劣悪な社会を変えるには生まれた事、この生に何の意味もないと抗議する事だと主張した。

するとリョウコから口火を切りそれぞれが
「最初から生まれたくなかったとは思えない」などと抗議をし
ノブオだけは「本当に心の底から消えてなくなりたいと思うほど、苦しかったんだろうね彼女」と同情の言葉を吐いた。
シンジロウは
「親に抗議しないし、逆に死ぬまで生きたくなった」
「自分の歪んだ考えに縛られている。それとも病気の身で生まれた自分にかな」

アンリは青ざめながら無節操な母親のせいで、生まれた時から梅毒と薬物中毒の体で生まれ
4歳で自殺を考えていた怒りをぶつけた。
最後にため息をつきながら乾いた声で「結局、一般的でない考え方なのよ」と言った。
シンジロウは死の抗議ではなく、その現状を世の中に訴える方がいいと言った。
安楽死の“集い”を主催してしまうサトシは自分のズレを自覚し
その出口として極端な思想を持ったアンリの感覚に共通点を感じ、その孤独がわかる気がした。

シンジロウは中止の提案への決をとりたい事と
親の問題などで苦しんでる参加者に警察官の自分の親に相談して欲しいと提案した。
ほかの参加者にも、連絡して欲しい事を伝え
“死について考える”ことは“生きることについて考える”ことでもあるとして
決を採り、最後にアンリだけが大きく息をついて手を上げ全員一致で中止になった。

片付け終わるとサトシとアンリ以外は帰って行き
2人になったところでアンリは「今度はいつやるのかしら?」と
この会が3度目であることを見抜きサトシに聞いた。
サトシも
いつも話し合いに発展し中止になる事
実行する覚悟もある事
だが死にたい人の話を聞くと落ち着く自分がいて
中止が決まりだれもいなくなると気分が良くなると話した。
次の会も準備していることも悟られ
アンリは「集いを成功させる参加者がいてもいいでしょ?」と
次も参加すると言い帰って行った。

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【十二人の死にたい子どもたち】読書感想文の例文と書き方のポイント

読書感想文・書き方のポイント

下記の読書感想文・例文は「読書感想文の書き方のポイント」に合わせて書いています。

本と出会ったきっかけ
本の簡潔な説明
なぜ面白かったのか
心に残ったところ
本を読んでわかった事学んだこと変わったとこ

 

【十二人の死にたい子どもたち】読書感想文例文・1983文字

「十二人の死にたい子供たち」まずこの本はそのタイトルに惹かれます。
「死にたい」と思った事があるのはごく少数の自分だけじゃないか?
「死にたいと思った事がある」なんて、リアルな友達には言えないからです。
それでもこの物語の12人はネットで知り合い「死にたいもの同士」で安楽死をしようとの集いに
なぜかもうすでに死んでいる少年の存在が彼らの死を翻弄させる物語です。

十代の少年少女にとって、希死念慮は実は日常的なものなのだとこの本から知れた気がします。
12人集まった子どもたちそれぞれのその理由は多様です。
イジメや吃音障害、後追い自殺や不治の病、親(父・母)への復讐、母の呪縛からの開放
事故の後遺症、人殺しの罪悪感、ヘルペス、社会への抗議と生の否定、死にとりつかれている

死にたい理由は十人十色でもちろんバカらしい理由もあれば、
納得してしまうような気の毒な理由もあると感じました。
ですが彼らに共通しているのは、彼らは一人で死ねない人たちです。
「もう死ぬより他に道はない」と行きつまり
“安楽死”という「楽に死にたい」逃避を求めて集まっています。
(練炭自殺の予定ですが、実際はかなり苦しいです)

彼らの死にたい理由は頭でっかちな「未熟な思い上がり」にも感じられます。
きっとヘルペスで死にたい子がいたら、自分ならバカにしながら「イソジンでうがいしろ」
と言ってしまいそうです。

ですが、不治の病で死にたいシンジロウは、マイのヘルペスに
初めは虚脱していましたが、でも考え直すのです。 
誰かの死にたい理由は他人には取るに足らない問題に見えても
本人にとっては深く苦しい悩みで、死にたい理由には関係ないと。
そう思えるかどうかは、人の心を自分のことのように大切に思えるかどうか?
と気付きました。

ですが逆にアンリのような、怠惰な母親のせいで生まれながら
梅毒と薬物中毒で死に物狂いで病気を治した彼女の恨みつらみと憎しみ。
「生まれ出づる悩み」がモチベーションの
「社会へ不妊報酬制度を認めさせるため」
「生まれた事、この生に何の意味もないと抗議する為」を
シンジロウ含め10人は「自己存在否定したわけじゃない」と共感せず
アンリの考えは歪んだ思い込みだと否定します。
唯一サトシは「本当に心の底から消えてなくなりたいと思うほど、苦しかったんだろうね彼女」と
アンリのいびつな思考に自分と通じるものを感じ共感します。
結果アンリは自身の考えが理解されない孤独にため息をつき
この会では集団自殺の中止に賛同するのです。

自分がもしこの12人の中にいたら、アンリを否定できたか?
「生まれた事を後悔していない」と言えたかどうか自信はありません。
なぜならば、自殺とは本来、自己の存在否定が根底にあると思うからです。
そうなるとアンリ否定派の10人は苦しみながらも
まだ自分を見捨てていなかったという事になります。
そのくせ安楽死の集いに来るのですから
彼らはまだ自殺する資格もない子供のような気がしました。

もし目の前に死にたいという人がいれば
一般の多くの人は、死にたい人の未来に責任を持たずに
「死んではダメだ、生きていて欲しい」と願ってしまうものです。
アンリのような思想犯的な希死念慮の者を効果的に思いとどまらせるには
シンジロウのようなキツイ否定の仕方が正しかったのかもしれません。
この集いのイニシアチブを取ったのはシンジロウに見えます。
ところが本当に11人の心を動かしたのは
この場を提供したサトシだと思えるのです。

彼の言う「死にたくなるとはどういうことか知りたい」は
多くの人と死にたい気持ち、辛く苦しい気持ちを
分かち合いたいというものだと思うのです。
悩みの動議は違えど同じ目的の者同士。
解決する方法やと指摘されたり、自分と違った発想や思考・価値観に
出会っただけで「目から鱗が落ちた」現象が起きます。
それまでの孤独の解消は、死からの開放でもあると思います。

物語はシンジロウについていく子たちと
サトシとアンリ2人で対峙していくであろう未来を予感させて終わります。
サトシはアンリがさらに苦しむなら死を共にする事も厭わない少年です。
彼のなにも強制せず寄り添うそれができてしまう姿勢に
自我の希薄さに彼の背負った悲しみを覗き見た気がします。
 
若さには生き方・考え方を変えられる柔軟さがあります。
もし絶望した時、絶望している人がいた時
自分に誰かの価値観を変える力はないかもしれません。
誰かの命をつなぎ留めたいなら、せめて「あなたがいなくなると悲しい」
という気持を心から伝えたいと思います。
その人が価値ある人間である事、ここにいて欲しい事を
孤独ではないことを伝えたいと思います。
それでも自殺を止められないなら、その人の心の悼みと共に生きて
存在した事を消さない事が責めて出来る事なのかと思います。
孤独とは死に至る病なのではないか?とこの本から学んだ気がします。

「十二人の死にたい子どもたち」読書レビュー

毒素感想文のレビューからも読書感想文に役立ついろんな感想があります。
様々な意見から読書感想文の話の展開を広げられますので、参考になります。

●辛い時に辛い思いをしてる他の誰かと話すって、意外といいのかも。家族相手だと、近すぎてなかなか気持ちを分かり合えないし、思いやれなかったりする。 本気で悩んだ時に、ぶつかり合える相手って必要だな。
・12人の少年少女それぞれがクラスに一人はいそうで、それでいて個性的である。
●「死にたい」っていうのと「死のう(死ぬ)」っていう間にはきっと大きな隔たりがある。自分も「死にたい」とか「消えてしまいたい」とか思ったことがあるけど、いろんなことを考えたら越えられなかったものなぁ(度胸がなかっただけかもしれないけど)。何かに思いを残している時点で、この子らは最初から死ぬ人ではなかったのかもなぁとか。
・アンリの理論はイライラしたし、むしろこの子がみんなの死にたい気を削いだなと思った。ハッピーエンドなのかどうなのかよく分からない話だった。
●人生は間近で見ると悲劇だが俯瞰で見ると喜劇であるってチャップリンの言葉の通りなのかもなーとか。あとマイが癒しです。『あなたたちも、それぞれ大事な動機があるのでしょう?それをただの個人の都合やささいな感情の結果として片付けられたくはないでしょう?』『僕とあなたの病気は、何も違わない。まあ、病気としては全く違うけどー結局のところ、僕はマイさんと変わらないんだ』
・死にたいという感情が湧く瞬間、タイミングは人それぞれであるがいつかは晴れる時があると個人的には思っているので是非終わりが見えないと思い込んでいる憂鬱さを抱えている中学生には読んでほしい
●サトシのように死にたいと思い詰めてしまった人を集めて自分の思いや悩みを吐露し合い、最後は死なない選択をさせるのはいい案だと思った。いつか死ぬまで生きてもいいと思える人が1人でも増えますように。。。
・死について話すこと、誰かとつながりをつくること。もう死しか残されていないと、自分の意思なのだと思うことに一石を投じる。浮ついた想像で語る道徳よりも死について其々の気持ちを沿わせて考えた一冊でした。
●みんなのことを客観的に理解したあとだったから、本人は切実に苦しんでいるのだけど、大丈夫だよ!と言いたくなってしまう。もしかしたら現実の自殺も、誰かが真剣に話聞いて、死ぬことや生きることについて話し合ってくれたら防げるのかも。自分では解決できないことも、誰かの力を借りれば解決できるのかも。とにかく、読むほどに愛着の湧く13人が、生きるという選択をしてくれて良かったです。
・アンリの反出生主義に皆して反対することに違和感をもった。こんなに苦しい思いをするぐらいなら生まれてこなきゃよかったって自殺を考えてるような子達がだれひとり共感しないのは…うーーん。自殺の理由は人それぞれで自由だと思うけどヘルペスが原因のは流石に………笑
●親のあり方を見つめ直すきっかけとなった。 エゴで子育てをしてはいけない、自分の子供もこのような願望を持たないとは限らない、選んで生まれたわけではないというアンリの訴えが理解できなくもなかった。
・幼稚で独りよがりなのは年齢的に仕方ない。ただ、軽率さ丸出しの台詞の割に、言外で他の子を冷静に分析したり断罪したりと、知能に整合性がない。これが本作にずっとつきまとう強烈な違和感の正体だと思う。作者が自分の思想と登場人物を分断できていないのだ。加えて、子どもの自殺という重いはずの題材を軽く扱い過ぎて、読者の注目を集めるための道具として利用しているようにしか感じられない。「安楽死」という表現もひっかかる。苦痛を伴う死との対比で使われる慣例を無視しているためか。そもそも練炭自殺は酸欠に過ぎず、安楽とは言い難い。
●死にたいという動機は、自分のことを聞いてほしいという裏返しなのかなと思った。結末には少しほっとしました。
・アンリ以外の子たちは現状に絶望して自殺を望んでいたが、自分が生まれてきた事は否定していない。だから生まれる事を否定するアンリの意見に違和感を抱くと同時に、自分の生を見つめ直したのだろう。
●12人が本当に死にたかったのか(管理人は明らかに違うが)疑問。子供のうちは世間が狭いから、他者との交流によって意見・思想が変化するのは当然だと思う。ただ、みんな大人びた考え方するんだなぁ、と。
・ 私の場合「死にたい」は「話を聞いてよ」と同じなので、結末があーいう感じで落ち着いてホッとした。
●死にたい位の決意があるならもっとハッキリ自分の意見を持った方がいいんじゃないかなと… 子供だから仕方ないのかなー。
・私が集いのメンバーならアンリの目的達成の一部になりたくなくて自殺するの止めるな、と思った。
●私は7番の少女アンリの意見に賛成なのですが、それについて登場人物は愚か著者、解説者までもが反対であることに強く違和感を感じました。
・確かに親の愛情が重すぎた子供と親の愛情がない子供の設定があったがミステリー色が強く「何が大切なのか」考える部分が薄く感じられた。
●構造としてはミステリなのだけれど、「死にたいと真剣に望んだことがある」人にはより感慨深いだろうし、逆にそれがリアルに感じられない人には、ミステリとしては正直甘いし、冗長でわかりにくい。
・最初に疑問を投げかける人と推理を進めていく人が違うのは映画になかったと思う。空気読まない人って大事だよね。
●論理的にはついていけるのだけど、行動の根拠となる気持ちの部分に理解しがたいところが多い。死にたいという理由についても、わざとなのかもしれないけど「そんなことで?」というのが多すぎる。これはきっと十代の子どもたちに向けて書かれた本なんだろうな。 
・「生きることそのものが苦しみであるのでそもそも生まれてくるべきではない」「この世に生まれる子供のことを思えば子を産むべきではない」。アンリの主張は反出生主義そのものですね。初めて聞いた時は一笑に付していましたが、話題となった虐待死のニュースを見てひどく難しい問題だと痛感しました。荒唐無稽さで自殺の気を削ぐという作中での使い方はあまり好きではありません。アンリを主人公に続編を作って欲しいです。
 

もう少し思考を深めたいならこんな作品もオススメ

【存在のない子供たち】
両親を告訴する。僕を産んだ罪で。

(あらすじ)中東の貧民窟で暮らす12歳のゼインは、貧しい両親が出生届を提出していないため、IDを持っていない。働かない父、次々子供を産む母の代わりに一家の家計を闇商売をして小銭を稼ぐ日々。
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移民で出生届もなく、親の代わりに働くたぶん12歳くらいの少年の苦しみ
こんな現状を観ると、12人の子供たちの悩みは鼻白んでしまいますが
“作中では悩みの深さは関係ない”“親に抗議…歪んだ考え”というのはやはり日本人の子は平和でちょっと甘ちゃんだなぁと思える重い作品です。
かなりオススメ!


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