【古風な愛/星新一】あらすじ・ネタバレ読書感想文の書き方・例文

 

こちらでは【星新一】の「古風な愛」の
・「あらすじ・ネタバレ」
・読書感想文の書き方のコツ・ポイント
をご紹介いたします。

星新一というと、短編集をたくさん書く作家さんです。
読むのが簡単なので、読書する時間はないけど
自分の考えや意見がある人なら
読書感想文をピッタリの作品です。

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「古風な愛」あらすじ・ネタバレ
「古風な愛」読書感想文・書き方と例文 
うんちく・読書感想文の書き方の“こたえ”

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「古風な愛」あらすじ・ネタバレ

「おれ」が若く美しい昭子に会ったのは、
避暑地からの帰りの列車指定席でした。

となりの席にすわっていた昭子に
話しかけ、自分が俳優であることや
好きな詩、品の良いジョークを
彼女は面白そうに笑い別れ際に
秋にやる公演の切符を2枚渡した。

昭子は父親と二人ぐらしで
公演の日、父親は昭子に同行せず
一人で来たが、舞台が終ってから
主人公は昭子をさそい紳士的に振る舞い
こうして交際を重ねていった。

ある夜、昭子はためらったあげく
「結婚したいわ」と昭子は言った。

ぼくだってそうさ、と答えたが
田舎の両親は古風だから
相手の家からも祝福されるような結婚を
と言われている。
昭子は「父も賛成してくれるわ」と
言っていたがそのつぎに昭子に会うと
俳優などとの結婚は許さないと、
父親が反対されたとやつれていた。

2人で昭子の父親に頼んでみても
とりつくしまもなく反対され
父と俺の板挟みの昭子は苦しんだ。

ついに「あたし、死にたいわ」と昭子は言い
いっしょに死ぬよ、と主人公は言い
2人は湖のある景色の良い高原のホテルで
死ぬ事にした。

昭子は美しく幸福感に満ちた目で
ビンから薬の錠剤を出し飲み
おれは薬をポケットに移し水だけ飲んだ。
俺はとても正視できなかった。

主人公は薬をビンに戻し、大声をあげ、
ちょっと外出したあいだに薬を飲んだらしい、
とホテルの係に告げました。

アパートに帰ると、昭子の父親が訪問し
「わたしは残酷な父親だと思うかね」と
約束の金だと言って封筒をさし出した。

昭子は治療のしようのない病状が進行し
あとわずかしか命がもたないと、
昭子の父親は医者から診断を聞かされていた。

父親は最愛のひとり娘に
しあわせに包まれた、恐怖のない、たのしい、
美しい死をおくりたいと思い、彼をやとった。
「あなたのおもいつきに従っただけです。
深い愛がなければ思いつけない‥‥」

2人とも体中で涙が波打っているようだったが
眼からは流れ出してこなかった。

【古風な愛】

読みやすさ ★★★★☆ 読書時間10分
感想文の書きやすさ ★★★★★

「古風な愛」は星新一短編集の中の一話です。
簡単に読むことができます。

ここでは「古風な愛」とは一体何か?
と論じることができそうです。

登場人物は俳優、娘、父親の3人です。
3人それぞれの愛のカタチはどのようなものか?

主人公のおれは娘を愛していたのか?
それとも金が目当てか?
だが、からだじゅうで涙が波打っても、
泣く事ができないのはなぜか?
そもそも「古風な愛」は正しいのか?

愛に正しさはあるのか考えさせられる作品です。

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『古風な愛』読書感想文・書き方と例文

読書感想文・文字数
・小学校低学年の部(1、2年生)本文 800字以内
・小学校中学年の部(3、4年生)本文1,200字以内
・小学校高学年の部(5、6年生)本文1,200字以内
・中学校の部 本文2,000字以内
・高等学校の部 本文2,000字以内

原稿用紙は1枚400文字です。
小学校3年生~6年生は3枚
中学生・高校生なら5枚になります。

感想文を起・承・転・結の4段落で書くとして
各段落を何文字ずつ書くか?割り振りしてみると
書きやすくなります。

 読書感想文の書き方

    ・この本を選んだきっかけ
     ↓
    ・簡単なあらすじ
     ↓
    ・感想、疑問点など
    (特に面白かったところ、感情が動いたところ)
     ↓
    ・自分の意見、似たような経験談
     ↓
    ・本を読んでの意見
    (本を読んで学んだこと、自分の意見、今後の生活に生かしていく。など)

あらすじは簡単でもいいですが
・自分がどう感じたか?
・本を読んで何を感じ、今後にどう生かすか?
・自分の意見
は重要です。
また「似たような経験」の自己開示がある感想文は
なぜか評価が高いです。

—–感想文書き方ヒント—————————————
【感想、疑問点など】
・登場人物それぞれの愛のカタチは正しいか
・「古風な愛」とはなにか

【似たような経験談】
・病名を告知しない
・傷つけない為に嘘をつく

【自分の意見】
・自己犠牲と「古風な愛」

「古風な愛」読書感想文・例文2019文字

~冒頭(この物語を選んだ理由)~
「古風な愛」とはどのようなものなのでしょうか?
交際していても肉体関係を持たずに
プラトニックな関係を続ける事でしょうか?
それとも、精神性を重視して恋人同士が
お互いをなにがあっても心から信じあう事でしょうか?
世の聖職者と言われる人が持つという
無償の愛のことでしょうか?
「古風」という言葉に大変価値があるような
印象を受けてしまいますが、実はこの物語は
この「古風な愛」を正しかったのかどうか?
考える作品でもある様です。

~あらすじ紹介~
電車の中で出会った男と女が恋に落ちます。
女は男と結婚したがりますが
女の父がそれを許しません。
とうとう女は男と心中を望むようになり
湖畔のホテルで男と共にクスリを飲み
女は幸福のうちに死んでいきます。

しかし男はクスリを飲まず死にませんでした。
女は自殺として処理され、男は自分のアパートに戻ります。
そこに女の父が現れ男に金を差し出し、男はそれを受け取ります。
実は女は不治の病で余命がわずかでした。
そこで父は、娘が幸せに死ねるよう
男に自死させることを依頼したのです。

ですが、2人ともからだじゅうで
涙が波うっているようなのに
目からは流れ出してきませんでした。

~感想~
この物語には3人の登場人物がいます。
父親の愛は不治の病の娘に
情熱的な純愛という恋愛体験と
病で死ぬより、恋愛に夢中になって恐怖のない
たのしく、美しく死をあげたいと思う愛

娘の愛は、旅先で出会った恋人(役者)との
純愛を貫くためなら、心中しますという
夢見がちな愛

その俳優は何もかも知っているのに
娘の恋人役に徹し、父親と娘それぞれの
願い「しあわせなまま美しい死」を
叶えてあげ、金は受け取りながらも
この現実にからだじゅうが涙で波打つ
彼の真意はここでは語られませんが
しいて言うなら思いやりの愛というのかもしれません。

そこに共通する目的は「美しい死を叶える」
というものです。
倫理的にはどのような状況であれ
死の選択というのは容認できないものです。
ですが、死ぬことを分かっているのに
寿命尽きるまで痛みや苦しみに耐えて
絶命を待つというのは、本当に死にゆく者の
為になるのでしょうか?
苦痛や痛みは、自ずと死の恐怖も
感じることでしょう。
それは単に恐怖心を味合せるだけでは?
その様な考え方から、取られる方法が
安楽死です。

~疑問~
日本では積極的な安楽死は認められていません。
安楽死とは本人が自分の病の状況を理解し
自ら望んで医療機関で行うものです。
この物語では娘は自分の病を知りませんが
もし娘自身が余命いくばくもないと
知った時、どのような反応と意向を持つかは
わかりません。
すぐ死にたくなるか?
医療で生還する方法をさぐるか?

そして父が望むのは娘が恋に夢中な
夢見心地の中、愛している恋人と
永遠の愛を誓ったつもりで
美しく死なせてあげたいというものです。
そこには普通の安楽死とは違う
「夢を見たまま死ねる」気持を抱かせるのが
重要なことのようでした。
その為のちょうどいい相手は金で依頼し
娘が恋するような優しくて楽しく上品な青年を
役者に演じさせました。

最初、この作品を読んだ時
役者もこの娘を恋人として好きだけど
ビジネスとして金を受け取った負い目と
悲しみの複雑な感情から涙も流せないほど
悲しんだのか?と、思いました。
ですが最初から
「安楽死させる娘の恋人役」と
知って演じていたなら
娘には恋よりも責任感の方が強く感じるのでは?
と思いました。
なぜならばこんな仕事を頼んでくる父親の愛は
異常であっても本物の愛です。
間違っていたとしても、覚悟を決めて
役者に依頼してきた父親の気持を考えると
「失敗するわけにいかない」そう思うものでは
ないでしょうか?

かんじ良くスマートな会話で娘に気に入られ
恋人として順調に交際し、娘が心中を望むほど
自分に夢中にさせる。そしてロマンチックに
美しく自殺させてあげなければならない。

もし役者が娘に恋をしてしまったら
感情が邪魔をし、完璧に振る舞えると思えません。
父親の気持を思い、金銭のやり取りをしたという
後ろ暗さやプロ意識を持つ事で割り切れる大仕事
と引き受けたような気がします。

~本を読んでの意見~
娘を美しい気持ちのまま自殺させた事。
これは男親だからできたのかもしれません。
「娘の命」について最後まで責任を
持ったと言えると思います。
また役者の男との金のやり取りは
「ビジネス」という大義名分の言い訳でしょう。
娘の心を守るために、父と役者は役に徹する
なぜならばこれは大芝居だから。
金を使って清廉潔白でなくなったという
思いを持つことが必要だったのと思います。

最後にお互い2人は「私の気持ちを察してください」
「わたしを残酷だと思うかね」と声をかけています。
やってしまった事は罪です。
ですが、考え抜いた深い愛が故の罪です。
そして「泣くことも許されない」
役者は「愛する事も許されない」
それが2人とも目から涙が出なかった理由の
ような気がします。
「古風な愛」とは正しいかどうかではなく
愛する人のために自分は悪になれる
自己犠牲を問わない事なのかもと思いました。

 星新一は何話かまとめた感想文でもOK!

「古風な愛」だけでも感想文は書けますが
どうしても1話だけじゃ感想文が書けない場合は
星新一の本1冊の中から
「○○と○○が印象的でした、なぜなら」とか
「○○と○○の話に共通点または真逆だと感じたました」
などで感想文を書くのも面白いでしょう。


読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!

読書感想文の書き方にも“正解”があります。

入賞作は審査員が気に入る読書感想文は
まじめで真剣に本のテーマを考えている
「とても正しい優等生な意見」が書かれています。

それを「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」
と先生方は判断するからです。

自分なりの意見があっても反抗的だったり
「いいと思います」「すごいと思います」などの
単純な感想ではいい点数をつけてくれません。

何をいいと思うのか?
前年の課題図書の読書感想文全国コンクールの
入賞作品を参考にすると書き方のコツが身につきます。

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