【月と珊瑚】あらすじ・ネタバレ読書感想文の書き方と例文
こちらでは
2020年「第66回 青少年読書感想文全国コンクール」
小学校高学年の部(5,6年生)の課題図書
『月と珊瑚』の
・「あらすじ・ネタバレ」
・読書感想文の書き方のコツ・ポイント
をご紹介いたします。
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『月と珊瑚』あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ
『月と珊瑚』読書感想文の書き方と例文
【2020年読書感想文】5.6年生の課題図書
うんちく・読書感想文の書き方の“こたえ”
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『月と珊瑚』あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ
読みやすさ ★★☆☆☆
感想文の書きやすさ ★★☆☆☆
こんな人にオススメ
・親が離婚しているなど家庭環境が複雑な子
・勉強が苦手な子
・SNSでトラブルにあった事がある子
・将来なんの仕事につくか考えたい子
・LGBT問題に興味がある
【月と珊瑚】~あらすじ・ネタバレ
「わたしは、六ねんせいになったので、べんきょうをがんばります。」
ひらがなだらけの作文を、東京から転校生・詩織にバカにされ
たしかに彼女の作文は漢字がたくさんで立派な文章。
珊瑚は自分の名前も漢字で書けないのでとりあえず
漢字を書けるように日記を書こうと決めた。
珊瑚は沖縄民謡歌手の祖母ルリバーと2人暮らしで
ママが九州で一人働きに行っている。
少女・珊瑚のクラスにまた東京から『ベルサイユのばら』の
オスカルみたいな月が転校してきて、男子の苦手なので
珊瑚の隣の席になりかっこよくて鳥肌がたった。
友だちのくるみは『ジュリ馬まつり』の写真を
見せてくれて「『ジュリ』とは“ゆうかく”の女の人の事」
と知り詩織は顔を赤らめた。
ルリバーから
「70年以上前は貧乏だと、男子は漁師に売れられて
女子はゆうかくに売られた」と泣き
「昔はジュリが親や身内に姿を見せられる場だったが
選ばれない人が多かった」とくわしいので
「ジュリだったの?」と聞くと手がプルプル震えていた。
漢字の練習も“珊瑚”と書けないとグチるとルリバーは
「沖縄は戦後、血と涙とサンゴショウの上にできた島と
いっていいくらい悲惨な戦争を経験したから『さんご』は
ピッタリだと思ったんや」という。
ママは仕送りしてくれるけど貧乏でネコのひにん手術代も
ルリバーは借金して用意するわりにラジオ以外
テレビや新聞の仕事は断る。だからスマホも買ってもらえない。
ルリバーからは「珊瑚が有名民謡歌手になれたら十分」と
言われるが半分くらい、この家に生まれたくなかったと思う。
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学校では、
くるみから月のおばあさんが
「月は問題児で東京の学校を退学になった」となげいていると
ウワサしたり逆にくるみのひいおばあちゃんが辺野古座り込みで
つかまったとクラスでバラされたり、詩織が学校に日傘を差してきた事が
問題視されたりといろいろある。
詩織からは「月は男子がキライみたい」
「沖縄は中学の学力が低い」
「沖縄の子供のひんこんりつが全国一」
「飛行機が落ちたニュースを見てないの?」
と知らない事を次々に聞かされ夕食の
スーパーのお惣菜を食べてママのケータイに電話するが
留守電になった。
ルリバーは週に1回のごちそうでマグロを食べさせ
日曜に民謡の稽古をつけてくれるが、終わった後の墓参りには
連れて行ってはくれない。
その頃、国語のテストで77点取れた。頑張れたのは
詩織と憧れの月のおかげのような気がしてきた。
その月に珊瑚がコソコソと『子ども食堂』に通うほど貧乏だと
知られたくないと思っているとルリバーから
「あんた、うちの子に生まれて不幸か?」に返事できずにいると
「こんな生活から抜け出したかったら歌手になる事や。
あんたにはそれしか道がないんやで」ときっぱりいった。
それから珊瑚は自分の貧しさにムカついていた。
珊瑚が初潮をむかえた頃
通りで米兵に犯されて頭がおかしくなって『島唄』を
大声で歌い歩く女の人を見て
「女に生まれるということはやっかいなこともある。
でも女が新しい命を産み続けることで新しい沖縄になる」と
聞かされあの女の人のかわりに『島唄』を歌いますと
思ったが民謡は全然上達しないし声が出ない。
「努力がたりん」と言われてもわからない。
「せいぜい酒場で歌うくらいなら歌手なんかなりたくない」
「あんたは、ほかになにができるね。勉強嫌いのあんたは
どうやって生きていくんや。あんたはテレビで歌える歌手になれる」
とルリバーは泣くので珊瑚も泣いた。
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沖縄は6月1日から平和月間になり6月23日が終戦とされている。
東京出身の詩織は平和集会に関係ないし参加に不服な様子で
亮は「ちょっとがまんしてほしい」という。
その詩織は戦闘機の音が苦手で亮は音でどの戦闘機か聞き分けられる
詩織は6月は「戦争の事ばかりで、東京に帰りたい」というと
くるみが泣きながら抗議するので目が丸くなるし
戦闘機の音がイヤで詩織は怯えて教室を出て行った。
珊瑚とくるみは月に家に招待され、”いくら”という
スワロフスキーの首輪をした白いチワワもいるし
自分のおばあさんを「バアサン」と呼ぶ
月が遠い人に感じた。
カラオケボックスでルリバーに「てぃんさぐぬ花」の稽古
されるが上達せず「才能って花は努力したら咲くんや」と
言われるが心にストンと落ちない。
帰り際、ルリバーが「山田すみちゃんでしょ?」と
声をかけられたが「人ちがい」と逃げ帰るし本名を忘れたという。
だが夜ママに電話すると
「何ていったかな…たしか山田すみ」と言った。
だが給食中に「てぃんさぐぬ花」が流れて
「英語より難しい」
「沖縄の子供にもわかんない歌なんて意味ない」と言われた。
だが先生は「先祖の言葉をなくしたら心までなくなる」
といい、みんなの前で歌う事になった。
詩織は2日間学校を休み、女子たちから「性格キライ」と
悪口を言われ、ルリバーは基地賛成派の賢のおじいちゃんと
ケンカしたと怒っていた。
登校してきた詩織は
「落ち込んでたからママがディズニーランドに連れてってくれた」
とお土産をくれて「両親から名護の土地を詩織名義で買ってもらった。
基地が半減したら土地も値上がりするから反対派になる」という。
月から電話でルリバーの民謡酒場に“バアサン”と3人で
行こうと誘われた。
月の祖母・好子はお金持ちでなぜか関西弁だった。
歌い終わったルリバーが挨拶に来て、2人はむかし
大阪の民謡酒場での元経営者と従業員の関係で
ルリバーの本名がやはり「山田すみ」と判明した。
ルリバーが本名を隠していたのは珊瑚のひいおばあちゃん
ルリバーの母がジュリでルリバーが有名になると「ジュリの子」と
言われ始めたので大阪に逃げて、本名を隠してきたと泣いた。
好子さんにはひいおばあちゃんの事を知っているので
珊瑚に転校していいと言う。
翌日、月が迎えに来てジュリの事は気にしないように
元気づけてくれた。
そして月が珊瑚の家にいくらを連れて遊びに来て
「自分がわがままで自分勝手だったか珊瑚と会って分かった」という。
月の母はバアサンに家を出されたと親戚のおばさんから聞いてたので
バアサンを恨んでいたが母がわがままで金づかいがあらかったらしく
ルリバーが好子に感謝する姿からも考えが変わったという。
東京では先生にいちいち突っかかる子でバアサンが学校に
よく呼び出されたり、クラスの子役をやってる子の悪口を
メールで親友に送っていたのをSNSにさらされて
その子の親、事務所、ファンからも抗議されて
退学する事になって引きこもったが沖縄が良さそうだから
バアサンと来たという。
後日詩織は耳栓をすることにしたので戦闘機の音にビビらず
珊瑚に手紙で
「将来の仕事を見つけている人がいてショックだった。
いじわるいってごめん、友達になってくれるよね」とあった。
そして詩織は政治家になるのが夢だといってきた。
亮は詩織に「エイサー頑張る」とアピールし
「亮のエイサーはかっこいい」と加勢した。
ルリバーは慰霊の日に「平和の礎」に
「あんたも結婚して子とくるんやで」と泣いた。
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珊瑚は8月の「子ども民謡大会」で優勝したいと思った。
勉強の苦手な自分が家計を助けられる手段は歌だけだし、
歌しかないと詩織が思わせてくれたし「ジュリ馬まつり」に
選ばれなかったひいばあちゃんの分、ひ孫の自分が
歌で頑張ろうと思った。
学校で“二十歳の夢”という作文をタイムカプセルに
入れることになった。
珊瑚、くるみ、詩織、月はガジュマル公園で将来の夢を話し合った。
「珊瑚は民謡歌手になって酒場でおばあちゃんと歌います。
くるみは介護士かカメラマン。亮と賢は東京に行って、詩織は
東京の大学に行って政治家になります。
月はわからないと言うけど、沖縄で働きたいといいます。
二十歳になったら成人式でみんなで会う事が私の夢です。」
と、漢字のある作文を書いた。
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『月と珊瑚』読書感想文・書き方例文とポイント
・小学校高学年の部(5、6年生)本文1200字以内
(作文用紙400字×3枚)
読書感想文コンクールの入賞した子は
原稿用紙3枚1200字きっちりに書きます。
起承転結でつづられるなら400文字ずつです。
・この本を選んだきっかけ
・簡単なあらすじ
・感想、疑問点など
(特に面白かったところ、感情が動いたところ)
・自分の意見、似たような経験談
・本を読んでの意見
(本を読んで学んだこと、自分の意見、今後の生活に生かしていく。など)
【感想、疑問点など】
・珊瑚の名前の由来に「血と涙」という沖縄の戦争経験からと
言われて嬉しいと思えないと思う。
・貧乏=学力が低いのは家族の愛情不足のような気がした
・ゆうかくで働く事は恥なのか?職業差別ではないのか?
【自分の意見、にたような経験談】
・戦争をしたのは祖父母の世代の問題なので
子供世代に恨みを引き継がせるのはコクだと思った
【本を読んでの意見】
・珊瑚の将来をルリバーが「歌手しかなれない」というのが
可能性をつぶされているようでかわいそうだった
『月と珊瑚』読書感想文の参考例文
●「沖縄は戦後、血と涙とサンゴショウの上にできた島と
いっていいくらい悲惨な戦争を経験したから『さんご』は
ピッタリだと思ったんや」という名前の由来が怨念こもり過ぎてキモチ悪い。
●珊瑚がルリバーの仕事柄、夜が一人でスーパーの
お惣菜を食べて過ごしているのが気の毒だった。
珊瑚の学力が低いのは、家族と一緒に過ごせない孤独が
影響していると思った。
●ルリバーがジュリだったひいばあちゃんを恥じて
大阪に逃げていたが、今の時代は大ぴらにしないとしても
その仕事で生活できたのなら恥じることはないのでは?と
思った。
ゆうかく勤めを否定するのは、職業差別だと思う。
●沖縄の恨みつらみの歴史を若者は引き継ぐべきか?
高齢者戦争話には2種類ある。
一つには「この話を教訓にして欲しい」
もう一つは「この話に共感して欲しい」
だが原爆で多数の死者の出た広島・長崎の人々の
経験談は「教訓にして欲しい」を世界に発信していて
アメリカへの恨みつらみの念を感じられない。
東京大空襲に関しては忘れられそうな勢いだ。
そう考えると、沖縄の戦争被害者の慰霊はするべきでも
その怨念を子々孫々引き継がせるような
「慰霊の日に子ども産んで来るんやで」に
自己憐憫が強すぎて、沖縄の若い世代の足かせに
なっている気がした。
●勉強のできない珊瑚の将来は歌手しかないのか?
珊瑚は勉強が苦手というが、努力してテストで77点取れるようになった。
だが貧乏に不満を感じるとルリバーが
「あんたは、ほかになにができるね。勉強嫌いのあんたは
どうやって生きていくんや。」
「こんな生活から抜け出したかったら歌手になる事や。
あんたにはそれしか道がないんやで」と
収入レベルの期待できない沖縄民謡歌手の仕事をすすめる。
子ども民謡大会でも優勝できる実力のない珊瑚に
「努力がたりん」と具体的歌唱指導もできない割には
「あんたが民謡歌手になってくれることが夢」と
しまいに泣き脅ししてくるルリバー。
珊瑚はやさしいので「誰かのために歌いたい」と思うが
珊瑚自身が歌っていて楽しいという感情がない。
独学で国語の成績も上がり、勉強での可能性も
あるかもしれないのに、それでいいの?と思った。
■1200字用の感想文が2作品のあるサイト
「月と珊瑚」読書感想文の書き方【例文】
【2020年読書感想文】5.6年生の課題図書
『ヒロシマ消えたかぞく』あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ
内容紹介
原爆投下前
散髪屋さん一家6人家族の鈴木六郎さんはカメラが趣味。
たくさんの家族写真を撮りためていました。
あの日。1945年8月6日。
一発の原子爆弾がヒロシマのまちに落ちました。
お父さん、長男の英昭くん(12歳)長女公子ちゃん(9歳)
次男まもるくん(3歳)と次女昭子ちゃん(1歳)は
亡くなってしまいました。
お母さんのフジエさん(33歳)はそれを知って
井戸に身を投げて亡くなりました。鈴木家のアルバムは幸せにくらす何気ない日常が
写っています。
家族で平和を考えるために、最適の写真絵本です。
読みやすさ ★★★★★
感想文の書きやすさ ★★★☆☆
こんな人にオススメ
・写真が好き
・修学旅行で広島に行く
・本を読むのが苦手
「飛ぶための百歩」あらすじと読書感想文オススメ度
内容紹介
5歳の時に失明した中学を卒業したばかりのルーチョは
叔母と共に訪れたアルプスで、タカのひなを見るため山道を登り高台へ行く…。勘のよさから見える人同様にふるまい、人の手を借りることを頑なに拒むが、山小屋で知り合った人々や経験を通じて、変化の兆しを見せる2日間の物語。
大人への一歩を踏み出す少年少女の成長物語。
読みやすさ ★★☆☆☆
感想文の書きやすさ ★★★☆☆
こんな人にオススメ
・自然が好き
・障害のある人の気持ちを知りたい
・人間関係のむずかしさに悩んでいる
・コンプレックスの解消法を知りたい など
「風を切って走りたい!:夢をかなえるバリアフリー自転車」あらすじと読書感想文オススメ度
内容紹介
40年間、体の不自由な人たちのために
自転車を2600台以上手作りしてきた堀田健一さん。
物作りが大好きだった少年時代から
さまざまな苦難を乗り越えて、人のために尽くしてきた
軌跡を描いた感動のノンフィクション。
読みやすさ ★★★☆☆
感想文の書きやすさ ★★★☆☆
こんな人にオススメ
・自転車が好き
・モノ作りが好き
・ボランティア活動に興味がある
うんちく・読書感想文の書き方の“こたえ”
読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
読書感想文の書き方にも“正解”があります。
入賞作は審査員が気に入る読書感想文は
まじめで真剣に本のテーマを考えている
「とても正しい優等生な意見」が書かれています。
それを「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」
と先生方は判断するからです。
小学校低学年でも
「いいと思います」「すごいと思います」などの
単純な感想ではいい点数をつけてくれません。
何をいいと思うのか?
前年の課題図書の読書感想文全国コンクールの
入賞作品を参考にすると書き方のコツが身につきます。