【おちょやん・あらすじネタバレ】14週「兄弟喧嘩」と感想と名作「丘の上の一本杉」のあらすじ
【おちょやん・あらすじネタバレ】14週「兄弟喧嘩」
3月8日 (月)
昭和7年、天海一平が二代目天海天海を襲名し、千代と夫婦となって3年、千代は座長の妻として忙しい日々。
亡くなったハナの月命日も仕事に夢中で来れない天海の事を愚痴る千代に、岡安のシズは「離縁し」と言い放ちます。それは日ごろのうっぷんを千代にグチらせるための思いやりで、母子のように2人にしかわからないシズの思いやりがあった。
みつえは息子・一福を産まれており義両親、菊と福松はメロメロ。「あんたはいつ子供作るの?劇団と結婚したんちゃうねんで?」と言われるが千代は「今の生活が精いっぱいでそれどころではない」と言う。
福助はバンド活動も始めていて「世界の喜劇王チャップリンの来日するからチャンスだ!」と千代と色めき立つ。
それは喜劇界も同様で、鶴亀の大山社長は「世界の喜劇王と日本の喜劇王が顔を合わせたらぁ?」と万太郎とある事を画策し、鶴亀家庭劇と万太郎一座のより客数の多い一座がチャップリンに見てもらうという、芝居対決を発表し「派手な兄弟げんかを存分に楽しませてもらう」と千之助をあおるような伝言をよこした。
座員たちは盛り上がるが千之助は万太郎との対決に闘志を燃やしており、また独断で芝居をすると言い出した。
3月9日 (火)
力む千之助は「おまえたち足引っ張るな、見た目に金払ってるだけや」と女優たちを怒らせ暴走しだし、女優たちはボイコットする言い出し千代はとりなそうとするが香里は「座量にうまい事とりったな、ホンマに好きなんか?」とプライベートに口を出しルリ子は香里に「嫉妬はみっともない、中見た目にこだわり中味がない」千代に「女優の誇りがあるなら男に媚びを売るな」と言われる。
天海と座員たちは脚本で次回作について話し合っていたが打開策はなく、千之助がなぜ万太郎と敵対しているのか本当のところを誰も知らなかった。ただ万太郎は不要な人間は容赦なく切るのは知られていた。
さらに居酒屋で万太郎と鉢合わせした千之助は、わざわざ万太郎をあおるかのようなことを言い、ますます火のついた千之助の脚本はとても使えるものではなくなる。他の座員や天海まで怒らせ出て行ってしまう中、「チャップリンに会いたい」と万太郎に味方する小山田は、万太郎一座に忍び込み、捕まったところを千代が助けにきた。そこへ気前良く何でも教えるという万太郎は思い切って千之助との過去の因縁を聞き出す…
3月10日 (水)
万太郎一座の連中に取り囲まれ、絶体絶命の二人。その時、万太郎本人が現れ、意外にもあっさり手の内をすべてさらすのだった。何でも聞いて良いと言う万太郎に千代は思い切って、千之助と過去に何があったのか、教えてくれと直談判した。
「千之助と言う使えん役者を切り捨てた」と当時、須賀廼家兄弟一座で人気を二分する看板役者だったが突然「おもろない、お前と一緒に芝居しても退屈だから必要ない」と千之助の尊厳を傷つけるやり方で千之助を追い出したのだった。
二十年以上前の因縁を聞いた千代は無碍な切り捨て方をした万太郎に「なんでそんなことをした?」と聞くと「おもろいからや、相変わらず期待外れと伝えてくれ」という。怒りを感じた千代は「鶴亀家庭劇は万太郎一座に負けない。絶対に」と啖呵を切った。
3月11日(木)
千代はその足で、姿をくらまそうと準備していた千之助宅に上がり込み、「どうして鶴亀家庭劇が絶対に勝てないのか?どうすれば勝てるのか?」食ってかかる。逃げだそうとする万太郎に「逃げ出しますのか?」と聞くと「それが勝たれへん理由や」と怒鳴る千之助。「万太郎に裏切られたのにナンで役者やめなかったのか?」千代自身も悩んだり、傷つく事が多いのに役者をやめられないのはなんでだと思いますか?と問う千代。
「自分のことは自分が一番よくわかってる」と逃げ出した千之助。
その頃、鶴亀社長は「家庭劇は万太郎を盛り上げるための当て馬」とあくまで万太郎を引き立てる事しか考えてないと話していた。
出て行ったはずの千之助は途中で万太郎と行き会ってしまい、隠れてしまったこと、怒りを感じたこと、万太郎に勝ちたいのは本当は認めてもらいたいからと心の内を吐露し、力を貸してくれと天海に土下座するのだった。「あたりまえやないですか」と2人で先代・天海天海の物語「丘の一本杉」を書きあげ、座員や女優たちにも協力してほしいと素直に頭を下げ、万太郎一座に勝負を挑むのだった…
3月12日 (金)
「丘の一本杉」は大ヒットして満員大入りとなった。
万太郎は、観客席の2階から芝居を見ているのを知っている千之助は万太郎に語るかのように思いのたけをぶつけ、万太郎も満足していた。
鶴亀社長は家庭劇が思った以上の実力を発揮してくれて「おもろい兄弟喧嘩見せてもらった」と大満足。熊田は複雑な思いで話を聞いているが座員たちには鶴亀社長の真意はもちろん伝えなかった。
勝負は僅差で万太郎が勝った。チャップリンには会えないが、全力で芝居にぶつかった千代たち全員、悔しさは無くすがすがしいキモチになった。
その後、万太郎と千之助は20年ぶりに2人だけで顔を合わせた。万太郎は勝負に勝ったが、世界のチャップリンに会うのはやめたという。「日本の喜劇王」の座を賭けて千之助を打ち負かす方が先だから。
千之助はタマゴの復讐を果たしたが、万太郎もまたしてもタマゴをけしかけ2人とも、憑き物がとれたように晴れやかな表情で火花を散らすのだった。
千代の家にはまた謎のファンから花かごが来ていた。今の千代は見てくれている人に身の引き締まる思いがすると言った。
【おちょやん・あらすじネタバレ】14週「兄弟喧嘩」と感想名作「丘の上の一本杉」のあらすじ
今週は千之助の万太郎への恨みつらみの理由が解明した「兄弟喧嘩」の物語でした。
たしかにえげつないやり方と「おもしろくないから」という理由でいきなりほっしゃんを解雇、しかも生たまごを浴びせるというプライドを傷つけるようなやり方でしたから、そりゃ恨みますし相当かわいそうな千之助。しかもどうも裏で糸を引いているラスボスは鶴亀社長じゃないか?という雰囲気が…この社長が今後の千代と一平の夫婦関係にもひびを入れるんじゃないか?となんだか嫌な予感がします。
また一平と千之助が書きあげた「丘の一本杉」は実際に「松竹家庭劇」がこのタイトルで上演している実存するお芝居の演目です。
実際に、千之助のモデル曽我廼家十吾と・一平のモデル渋谷天外の合作です。渋谷天外は芝居の脚本の書き方は曽我廼家十吾の指導と受けたと言われておりますので、その辺のからみがあったのカモ?しれませんが誕生秘話は語られておりません。
ストーリーは・・・「老いと若さ」が現代にも通じるテーマで、父と息子の親子の情愛を描いた作品。
昭和38年。兵庫の山に囲まれた村で、鍛冶屋を営む頑固な職人の父・田中良助と跡を継ぐ息子・幸太郎は、日頃から意見の衝突が絶えない親子だ。意地の張り合いからついに家を飛び出した幸太郎が行きついたのは、峠の上にある大神木の一本杉。一本杉をみて老いた親の愛を振り返る幸太郎と、足を引きずりながら子を追う父・良助は杉の前で出会い、暖かい親子の絆を結ぶのだった。
母子の愛は作品化されることは多いですが、父と子まして息子はあまりドラマとかします。
ちなみに今週はチャップリンが「世界の喜劇王」として座員たちも大興奮していました。
チャップリンは4回、来日しており「おちょやん」で描かれるのは、昭和7年(1932年)5月14日の初来日エピソードです。
当時、万太郎のモデル曽我廼家五郎は、松竹からチャップリンを訪問するように勧められたが、訪問を断っています。というのもチャップリンより、曽我廼家五郎の方が芸歴が長い芸人としては先輩なので「向こうが会いたいというのなら、会いに行っても構わないが、自分を知らない相手に、自分の事を説明して、会いに行くのは日本の喜劇王のすることではない」と考えたらしいです。
たしかに、なんでもかんでも欧米がスゴイというのも、ちがうんじゃない?というプライドもあったのかもしれません。とはいえ、日本の芸能界としては話題作りをしたかったのでしょうか?昭和7年5月20日に、チャップリンが、曽我廼家五郎の楽屋を訪問し、2人の会談が実現したとのことです。