『ライスボールとみそ蔵と』あらすじネタバレ・読書感想文の書き方(ヒント・例文・Chat GPT)
『ライスボールとみそ蔵と』
横田明子・作 塚越文雄・絵
絵本塾出版 1,540円 (税込み)141ページ
amazon 楽天ブックス
こちらでは
2023年の「第69回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校中学年の部(3,4年生)の課題図書「ライスボールとみそ蔵と」の「あらすじ・ネタバレ」と読書感想文の書き方のコツ・ポイントをご紹介いたします。
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『ライスボールとみそ蔵と』あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ
『ライスボールとみそ蔵と』読書感想文の書き方
読書感想文をChatGPTで書いたらバレる?感想文での使い方とは?
『ライスボールとみそ蔵と』読書感想文の「こたえ」大ヒント
うんちく・読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
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『ライスボールとみそ蔵と』あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ
内容紹介
古い蔵で手作りみそを作る家に生まれたジュンは、お父さんから「もっとみそに興味を持って」と言われるのがいやでたまりません。
そんな時、ロンドンからの転校生、ユキちゃんに「蔵を見せてほしい」とたのまれます。これがきっかけで、ジュンの心はだんだんと変化して…。ジュンがみそ蔵で思いついたアイデアとは?
『ライスボールとみそ蔵と』おすすめ度
読みやすさ ★★★☆☆
感想文の書きやすさ ★★★☆☆
こんな子にオススメ
・みそが好き・キライ
・家がなにかの商売をしている
・料理を作るのにきょうみがある
・おかしなあだ名をつけられて嫌な思いをしたことがある
『ライスボールとみそ蔵と』ネタバレ
①はじまりは、ナスのみそいため
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今日から新しい班での初給食。
ジュンの幼なじみタロウは「ナスのみそいため」がキライです。イギリスからの帰国子女ユキちゃんは「みそ大好き」といい、ジュンの家が「みそ屋」だと知ると「蔵を見学したい」とお願いされます。
小さい時ジュンとタロウはみそ蔵で遊んでおじいちゃんにしかられたトラウマから「みそ屋」がイヤになりました。でもゆきちゃんはかわいいから、「みそ蔵見学」の話をお父さんにきょかをもらいました。
②ユキちゃんが来た
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夏休みになり見学に来たゆきちゃんは、外国人の観光客に英語でこたえ、みそのセールスもしてくれるデキる子でした。
ジュンの家が街並み保全のため建て替え出来ないのを「アンティーク」と言い、イギリスではその方が価値があるといわれうれしくなりました。それに蔵のなかが「やわらかいにおいのバリアに包まれているみたい」と言われ、ジュンのほうが気がついていないことだらでした。
③だから『塩屋』だった
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お父さんのする「米コウジ」「微生物」「はっこう」などむずかしい話も、そうめいなゆきちゃんはついていけますが、ジュンはたいくつです。
「みそはもともと塩を保存するために作られた」もので店の名前が「塩屋」だったことや、味噌が体にいいこと、お父さんもまだおじいちゃんにかなわないこともあるけど「ここまで続いた、うちならではのみその味とかおりをなくしたくない」といいます。
④世界に目をむけて
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お父さんは「外国人観光客向けに蔵見学」計画をすすめていると話し、ユキちゃんは大賛成。
ジュンがおじいちゃんにおこられた「空き蔵」で何かしたいといいますが、「ぼくには関係ない」考えようともしないジュンにお父さんが「ジュンは蔵がなくなってもいいと思っているのか」と一触即発になります。
⑤とびきりの笑顔
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夏休み明け。ユキちゃんから「蔵見学のお礼」と家に招待された時、タロウから「みそっ子ジュン」としつこく言うので「ぼくは好きでみそ屋に生まれたわけじゃない」とキレてまたしても一触即発のふんいきに…。
当日、お土産に持たされた「みそのつめ合わせ」にゆきちゃん親子は大喜び。
ホテルみたいなマンション、カッコいいシステムキッチン、ほそくてキレイなゆきちゃんママ。さらに出てきた料理は全部かくし味にジュンの家のみそが入っていて、「時間も手間もかけて作っている「塩屋」さんのおみそだから、料理も特別においしいのだと思う」と親子でみそのすばらしさを熱弁されます。
⑥レッツトライだ、みそ料理
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その夜ジュンはユキちゃんの家でなにも知らないカッコ悪さを「みそ料理を作ってばんかいしたい」と思いつき、お父さんも大よろこび。お母さんからうちの定番メニュー「みそおにぎり」のとっくんをうけ、今年の新みそで作ろうと決めました。
新みそ完成した日、蔵をのぞいたジュンは手伝いの職人さんたちもいるにぎやかなふんいきにジュンもタルの中を見たくなりました。タルの中のみそはつややかで、甘いかおりに口の中からはつばがわいてきて、蔵自体が生きているのを感じました。
ゆきちゃんと2人になれた時さそってみると時々キレるジュンに「ジュンくんには、ただおもしろいだけじゃないのよね、きっと。…生まれる家はだれも自分では選べないから」と言われます。
たしかに今まではその通りでした。でもその思いを変えてくれたのがゆきちゃんです。「今はぼく、蔵が作るみそをじまんできるよ。ユキちゃんがみそのいいところをいっぱい教えてくれたから」と改心をつたえるとユキちゃんはホッとして「ロンドンからくるウィルもつれていきたい」と「ウィルちゃん」と、わりこんできたタロウとアヤノも招待することになりました。
⑧神さまのいる蔵で
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みそ蔵に行くとおじいちゃんが古いみそダルを上からのぞいています。
こわれそうなタルにおじいちゃんも「もうしまつするしかないか。 蔵の神さまにはきっとしかられるがなあ」とかたを落とします。
みそ蔵は長い間みそを作ると、その蔵の壁にコウジキンがくっついて、この蔵にしかできない味と色とかおりをつけてくれる。みそのにおいがしみついているのは「蔵の神さまがコウジさんたちをずうっと守ってくれていた」からといいます。
おじいちゃんは「蔵を大事にしてほしかった」からジュンとタロウをしかりつけたのです。
ジュンも自分がみんなを招待したいと思ったのは、ジュンもみその味を守りたくなったからだ、と気が付きました。
あらためて「ここで友だちにみそにぎりをごちそうしたい・・・そうすることで蔵の神さまも喜んでくれると思う」というと、時代が変わったと自覚しているおじいちゃんは「わしがタルをバラしてテーブルにしよう」と決心してくれました。
⑨ジュンのおもてなし大作戦
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話が大きくなり、ジュンは不安でユキちゃんたちにも協力のお願いをしました。
タロウはしかられた蔵だと知り、一瞬しりごみしましたが「蔵のにおい」にはしゃいで、蔵の一番奥のかべにぼんやりうかぶ黒いかげに「神さまみいつけた!」といいます。それは 両手を広げて立っている人の形に見えます。
どんどんアイデアが出ると、クラスのみんなも招待しようとおもいつき、うっかりタロウが「みそっ子ジュンのレストラン」と言いましたがジュンはもう怒りません。「だってぼくはみそっ子だもん。 そうだ、『みそっ子レストラン』て名前にしよう」と。
おじいちゃんも「たるが生き返るな」とリフォームしてくれて、お父さんは「バスツアーのお客さんにも食べてもらっていいかな?・・・ここはジュンの蔵だから」と聞いてくれました。
⑩ようこそ! みそ蔵へ
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いよいよ当日。
やって来たクラスの子や外国の観光客の人たちに大好評で、1人の黒人の女の人が「みその試食がしたい」を希望しました。それこそがおじいちゃんとお父さんが一番強く望んでいることです。
そのときタロウが「ウィ、ウィルが来た」と登場したウィルは、白人金髪、背の高いきれいな男の子でジュンはびっくり。勝ち目がなさそうです。
ゆきちゃんはジュンのことを「一番のみそ友だち」と紹介されているだろうから、気を取り直しウィルともミソフレンドになりたくて「おにぎりできるまでオレが蔵を案内する」と一番奥のかべの神様を指さしました。
ずうっとねむっていたこの場所が、ジュンたちの力で目をさましました。「蔵の神さま見てください。ここはぼくたちのみそっ子レストランです」
『ライスボールとみそ蔵と』読書感想文の書き方
・小学校低学年の部(3、4年生)本文 1200字以内
(作文用紙400字×3枚)
青少年読書感想文全国コンクール
読書感想文コンクールの入賞した子は原稿用紙3枚1200字きっちりに書きます。 「読書感想文の書き方とヒント」を参照にして、起承転結で300文字ずつ書くと、1200文字書くことができます。
①この本を選んだきっかけ
例1:なぜ毎日みそしるが出てくるのだろう?と不思議に思ったからです。
例2:みそで味付けした料理、味噌カツ、味噌おでん、肉みそ、さば味噌煮。味噌の料理が大好きだから
②簡単なあらすじ
例1:例:みそ蔵の子として生まれた男の子が、「みそっ子」とからかわれてるのが嫌で家の仕事も嫌いだったけど、帰国子女の女の子のおかげで「みそ」が実は日本のすばらしい伝統的な食材だと気づくお話。男の子の心の冒険の物語でした。
③感想(共感・反感・驚き・気づき・疑問など感情が動いたところ)
例1:何かを好きになるのも嫌いになるのも、きもちやきっかけ1つなのだと思いました
例2:最初からおじいちゃんが優しければ、蔵がなぜ大切か教えてくれればよかったのに
例3:みそはみそしる以外にも料理ができると気がつきました
例4:「みそっこ」という言葉はみそにも、言われた人にも失礼だとおもいました
例5:お父さんがみそについて教えようとしたり、観光で使おうとしたこと。おじいちゃんがかたくな性格なのもみそが大切だからなのだと気づきました
例6:家業がある子が、それを継ぐのはいろんな思いがあってそれはそれで大変だなとおもいました。
④自分の意見、似たような経験談
髪を切られ過ぎて、ショックで泣いたのですが、友達からはカワイイと言われおどろきました。
自分の感じ方と人から見た感じ方はちがっていたり、人から言われて自分の持っているモノの良さを知る経験をしました。
⑤本を読んでの意見と気づきをこれからどう生かすか?
(本を読んで学んだこと、自分の意見、今後の生活に生かしていく。など)
例1:モノの価値がわからないと、いいものに触れていることにも気がつかない。
例2:モノごとは「誰が言うか」で好きになるか嫌いになるかかわる
例3:昔からずっとある古いモノをずっと守り続けている人がいる事。それをまた誰かが守り続けていく文化はなくしたくないとおもいました。
例4:日本の良さ、持っているモノの良さは日本人だけじゃなく世界の人に伝えられたらいいと思いました
読書感想文ChatGPTで書いたらバレる?感想文での使い方
話題のChat GPTですが、読書感想文でのChat GPTの使用は原則禁止です。
ですがこれからの社会Chat GPTを上手に使いこなす能力も必要です。
(文部科学省が、学校向けのガイドライン作成を検討を始めました)
もし読書感想文でChat GPTを使用した場合・・・生徒をよく見ている教員ほど「本人が書いたものではない」ということを見抜くことができます。
アジア圏の日本人学校で教員が、小学5年生の女子生徒が書いた「ハリー・ポッター」の読書感想文を「本人が書いたものではない」と勘づき、やはりChat GPTに書かせたということがわかりました。
・内容に違和感を覚える
・文章の構成と言葉遣いがいつもとちがう
・Chat GPTの文章にはその生徒の個性がない
・書かれた文章の内容の質問に答えられない など
将来、Chat GPTを使うスキルが必要かもしれません。そこで問題のケースでは「Chat GPTを使って学びを深める方法」を生徒たちと話し合いました。
・AIが書いた文章は読みやすい(メリット)
・文章添削では早く的確でわかりやすい回答がくる(メリット)
・人間味や面白味がない(デメリット)
作文を自分で書く
↓
ChatGPTで添削
(文章の書き方や構成の作り方)
(変更した理由)
↓
自分の感想文と読み比べる
↓
AIが出せない味は消さない
「自分らしさ(個性)」
「自分のエピソードや表現の仕方」
「会話文から始める構成」
↓
AIを生かせる部分
「文章校正」
「誤字脱字」
を修正するなどで利用する
Chat GPTは“きれいごと”の返答が多いと言われます。ですが精度が上がりユーザーの個性を分析し、まるで子ども本人が書いたのような回答ができる日が来るかもしれません。
上手にAIを使いこなすことは、処世術として必要ですが、読書感想文などは思考力の訓練です。
思考力は書くことで鍛えられるので、その機会が少なくなると言われ、なにかの判断をChat GPTにゆだねるうちにChat GPTの指示に従うのが正攻法と思うようになる世界は「AIを使っているつもりが、使われている」ことになるのかもしれません。
・自分で考える事、自分の意見を書く必要性を教える
・Chat GPTは文章の添削、文章校正や誤字脱字など感想文の基本を学ぶために使う
という、教え方が適切なようです。
『ライスボールとみそ蔵と』読書感想文の「こたえ」大ヒント
『ライスボールとみそ蔵と』は小学校むけのSDGsと和食の連携の内容の本です。
農林水産省、文部科学省
・自然の恵みによって得られる食材を生かした和食は、サステナビリティー(持続可能性)の原点
・栄養バランスのよい和食は「健康」
・和食の食材の生産や流通を考えることは、環境保全や食料自給率、エネルギー問題などとも関連 など
読書感想文の「こたえ」大ヒント1
サステナビリティー(持続可能性)→ 日本の味噌は伝統料理
和食は「健康」→ みその健康効果
環境保全や食料自給率、エネルギー問題 → みそは備蓄で効果がある
ほかにも気になるワード
・生まれる家はだれも自分では選べないから
・時代は変わった
などありますが、そこはあまり深くふれなくてよいと思われます。
読書感想文の「こたえ」大ヒント2
「市井のなかにドラマがあり、ヒーローやヒロインがいる。これからも働くこと生きていくことをテーマに書き、子どもたちに伝えたい」
4/15東京新聞、4/16中日新聞にて『巨大桶を絶やすな!』( https://t.co/p3keWRpunn)著者の竹内早希子さんのインタビューが掲載!https://t.co/8jh34tvDzf pic.twitter.com/ZMtpeAhCZv
— 岩波ジュニア新書 (@IwanamiJunior) April 17, 2023
内容紹介(出版社より)
しょうゆ、みそ、酒など、日本の伝統調味料づくりに欠かせない巨大な木おけ。日本固有のこの巨大おけを、つくれる職人がいなくなる! 「しょうゆ屋が、おけつくったら、おもろいやん!」–立ち上がったのは小豆島のしょうゆ蔵。最後の職人に弟子入りし、次々に降りかかる困難を乗り越えて、おけづくりの輪を全国に広げた奇跡の奮闘記。
物語のなかでは、おじいさんが古いタルを決心してバラしてテーブルにするのですが
しょうゆ、みそ、酒など、日本の伝統調味料づくりに欠かせない巨大な木おけを作る職人がいなくなりつつあります。
大きなおけがなければ、みそ屋もこまるでしょう。
和食の伝統領事を続けることも大切ですが、そのための道具屋さんの仕事の存続も大切です。SDGSの目標「持続可能な社会」のひとつになります。
うんちく・読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
考える読書 第68回青少年読書感想文全国コンクール入賞作品集
全国学校図書館協議会
発売日:2023年05月01日頃
去年の課題図書でコンクールの賞を取った子もいます。賞ねらいじゃなくても、読書感想文の得意な子の作品を参考にするのも一考です。
読書感想文の入賞作は審査員の合格基準に達した書き方をしています。合格基準とは「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」です。小学校3,4年生だとまだ読書感想文になれていない子も多いので「考える読書」内にある感想文の入賞作は大いに参考になります。
昨年の読書感想文入賞作
内閣総理大臣賞
久保咲楽 北海道 帯広市立大正小3年
「和菓子のほん」(福音館書店)
文部科学大臣賞
渡辺湊太 島根県 松江市立城北小3年
「小さなプランクトンの大きな世界」(福音館書店)
昨年の上位入賞者は、課題図書以外の本から選ばれました。
「自分が興味を持てる本」なら生き生きとした感想文が書きやすくなります。
興味がある文屋の本をどんどん探してみましょう。