「すごいね!みんなの通学路」あらすじと読書感想文の書き方5つのヒント

こちらでは、2018年の「第64回 青少年読書感想文全国コンクール」)小学校中学年の部の課題図書
『すごいね!みんなの通学路』の「あらすじ」と書き方のポイントをご紹介いたします。


すごいね!みんなの通学路 (西村書店)
著者:ローズマリー・マカーニー・文 西田佳子・訳
大型本: 32ページ
本体価格:1,500円
ISBN978-4-89013-982-8

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『すごいね!みんなの通学路』あらすじ(ネタバレ)とオススメ度
『すごいね!みんなの通学路』の読書感想文書き方5つのヒント
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『すごいね!みんなの通学路』あらすじ(ネタバレ)とオススメ度


 
作品概要
みんなどうやって学校に通っているの?世界のさまざまな場所にくらす子どもたちの通学風景をみてください。オールカラー写真絵本。

内容(「BOOK」データベースより)
世界中の子どもたちが通学する姿をとらえた写真絵本。ノーベル平和賞受賞者、マララさんの写真を追加収録。

読みやすさ★★★★★
感想文の書きやすさ★★★★☆

こんな人におすすめ
・学校が嫌いな子
・登校拒否児
・勉強が苦手
・体が弱い、体力がない

「すごいね!みんなの通学路」なぜそこまでして学校に行くの?
小学校中学年の読書感想文課題図書にしては「写真絵本」のように文章が少ない本です。というのは、写真から「自分の通学と世界の通学」を比較しましょう…という意図があるからです。
一見して「世界の人はすごい通学して大変だなぁ、自分は恵まれているなぁ」と思うのが普通なのかもしれません。もしかしたら「それはそれで、けっこう面白そう」と感じた子もいるかもしれませんが、毎日となるとやはり大変です。ですが彼らには学校に行きたい理由があるのです。この本での読書感想文は「なぜそこまでして学校に行くのか」の自分なりの考えを書くのがポイントです。

日本では公立小学校なら学区があるので歩いて通学できる子もたくさんいますが、田舎や私立の小学校ならバスや電車に乗らないといけない人もいます。
日本の小学生の問題として…
・「小学生のランドセルが重すぎる」ので疲れすぎる子供がいる。実際腰痛になる子供もいる。
・イジメや先生からのセクハラ、パワハラに合う子供もいる。
・お金持ちの子は誘拐されたり、ヘンタイに襲われることもある。
・運が悪ければ、通学中に車にはねられることもある。
通学路が道路になっているから安全とも言い切れません。日本の子供だってそれなりに学校に通うまでの苦労や危険はあるのです。

「すごいね!世界の通学路」に出てくる子供たちは大変でも学校に通う理由は書いていません。「学校が大好き」と思うかどうかは個人差があるからです。ですが、学校に行って勉強するとどうなるか?は世界中共通しているのです。・・・人は学んで勉強を身につけると豊かになれるチャンスをつかむのです。

世界中の子供たちが「学校に行きたい=勉強したい」というのは、友達に会う事だけが学校に通う目的じゃなくてたくさん勉強して、大人になった時にたくさん稼げる仕事につけると信じているからです。将来の夢ややりたい仕事につきたいから、頑張りたいのです。
友達を100人作るより先に「勉強して将来豊かになりたい」と思う貧乏な生活をしているから、困難な通学路も頑張って通っているのです。

日本の子供たちは「学校は将来の夢をかなえるために行くところ」と言う事を知らない子が多いかもしれません。「勉強ってどうしてするの?」「勉強って将来役に立つの?」と聞かれたら「もちろん!役に立つから行くんだよ!」と答えられたらこの読書感想文はカンタンかもしれません。
  

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『すごいね!みんなの通学路』の読書感想文書き方5つのヒント

第64回 青少年読書感想文全国コンクールより
用紙・字数:小学校中学年の部(3、4年生)本文 本文1,200字以内
趣 旨:より深く読書し、読書の感動を文章に表現することをとおして、豊かな人間性や考える力を育む。更に、自分の考えを正しい日本語で表現する力を養う。
原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。
応募のルールについての詳細はこちら⇒ 「青少年読書感想文全国コンクール応募要項」
 

『すごいね!みんなの通学路』読書感想文書き方5つのヒント

「世界の子供たちはこんなに大変な思いをして通学している。自分たちは安全に通学して勉強できることに感謝しよう」との感想は平凡すぎてあまり良い評価はされないでしょう。そこに何か+αした感想文を書くのがおすすめです。

なぜ安全な通学路を作らないの?
     
    何時間もかけて、危険な通学路を通う子供たちがいることを、親も学校も近所の人もみんな知っているハズです。それなのにナゼ通学路を安全なものに整備しないのでしょうか?

 
写真に出てくる危険な通学路のある国は貧しい国か山奥などの大変な田舎にある通学路です。学校は無料で通う事が出来ますが、学校で生徒を教えるためには学校を作ったり、学校で使う黒板やチョークなどの道具や資料、先生の給料やお金がかかります。教育にかかるお金は国が出してくれますが、通学路をなおすまでのお金がまわせないのです。それには国のお金の使い方を決める人が「通学路をなおそう」と考えてくれないから子供たちはすごい通学路を通っているのです。
  

大変な通学路でも学校に行きたい理由はなに?
     
    友達に会いたいから?勉強したいから?家の手伝いで働かされるから?学校は行くべきところだから?

 
日本は小学校と中学校は義務教育で「学校は行くべきところ」とされています。学校に行かないで遊んでいると「なぜ行かないの?」と心配されたり、怒られたりします。でも世界のどこかでは、家がまずしくて家族のため仕事をしなければいけないので学校に行くひまがないのです。そういう子には「働かないで学校に行ける」ことや「学校で勉強したり、友達と会える」ことはとてもうれしいことなのです。
  

教育を受ける権利ってなに?
     
    「学校に通えるということはとても幸運なことです。」…教育を受ける権利ってなに?

 
日本では「義務教育」という言葉は国や大人が子供に教育をしなくてはいけない義務の事を言います。ですが世界では「教育を受ける権利」として勉強できることはとても幸運なこととされています。
「権利をもつのは幸運?得する事なの?」と不思議に感じますが、学校で勉強して知識や教養を身につけると将来いろんな仕事につけるチャンスを得ることができます。すごい通学路を通う子供たちは「勉強して~になりたい」という夢を持つ子供が多いのです。学ぶ事は貧困から抜け出せるチャンスだと知っているからです。
 

学校にある大切なものってなんだろう?
     
    学校には教室や黒板で先生から勉強をならいます。あと友達もできます。なにが一番大切なの?

 
学校は勉強するのが第一の目的です。ですがたくさんの子供たちが通うのでもちろん友達もできますし、楽しいこともあれば、いやな事もあります。つまりいろんな経験をするので勉強以外にも学ぶことがたくさんある場所なのです。勉強以外の経験で人は泣いたり、笑ったり、怒ったり、悩んだりします。そのおかげで人は成長できるのです。学校での大切なものが何になるかは、人それぞれです。自分にとって「この経験はとても大切なものだ」との思い出があるか考えてみましょう。
 

学校に行かなければ勉強できないの?
     
    外国では学校に行かないで自宅学習する子供もいます。学校は必要なの?

 
学校に行かなくてもやる気があれば、どこでだって勉強はすることができます。もし学校でどうしてもつらい事があるなら、家や違うところで勉強をしても良いのかもしれません。
それでも学校があるのは、みんなが集まる場所ではお互いが良くも悪くも影響を与え合うことができるからです。学問とは違う「人間とはなにか?」という勉強ができるからです。学校に行って「勉強になった」と思えるかどうかは、自分次第なのです。
  

読書感想文一例…参照:本が好き
「世界の子供達がどんな方法で通学しているか」一言のコメントと共に大判の写真が載っている写真絵本です。一部はネットやNHK・海外のドキュメンタリー作品でも紹介されていますが、アジア・アフリカ・南米の子供達は本当に『すごい』通学路を使って学校に通っています。
船や牛車に乗って通う子。ラバの背や水牛に乗って通う子。大人でも怯むようなハシゴや、手作り感満載のロープウェイ(手動です)に乗って谷を渡る子。壊れた橋を使って通う子。上下に張ったワイヤーを使って河を渡る子。学校で使う水を頭に載せて通う子。
みんな、大人でもためらうような通学路です。ですがすごく印象的なのは、ほとんどの子供達の笑顔…はにかむ様に笑う子 思い切り口を開けて笑う子、子供達の笑顔は楽しそうで、うれしそうです。
この絵本の意図は解ります。『世界の子供達はこんなにして学校へ通うんだよ。「普通に通える君たちは幸せなんだ」でもその意図を言ってはいけないし、読んだり見たりした子供達に悟られてもいけないんですね。子供達は敏感です。子供達は大人が思うよりずっと賢いのです。ただ写真を見せコメントを読むだけで良いのです。子供はちゃんと考えます。考えない子でもちゃんと覚えています。この光景が子供達の記憶に残れば良いんですよね。

『すごいね!みんなの通学路』の詳細な着眼点の例と感想文の書き方の例文を掲載してあるページはこちら・・

『すごいね!みんなの通学路』
読書感想文の書き方【例文あり】

 

感想文の書き方を教えるのに役立つサイト

感想文を書くにあたっての「コツ」「構成」「話の広げ方」「多角的な考え方」などは下記のページに掲載しています。中高生向けではありますが、ご家族からお子様への書き方のアドバイスをする際にも参考になる点があると思いますので一読してみてください。

  


比べることで発見がある
 

「第64回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校中学年用の課題図書ほかの3冊

小学校中学年の課題図書は全部で4冊です。興味のあるお話が一番感想文が書きやすい本です。見比べてみましょう~( ^ ^ )

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『森のおくから』あらすじと読書感想文の書き方3ポイント

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