「オランウータンに会いたい」読書感想文あらすじ・ネタバレ・感想文書き方のコツ 



「オランウータンに会いたい」
発売日:2020年03月31日頃
著者/編集:久世濃子
出版社:あかね書房
ページ数:180p

【内容情報】(出版社より)
インドネシアに生息するオランウータン。熱帯雨林保護のシンボルになっているものの、野生での行動はほとんど明らかになっていません。20年近くオランウータンを追い続ける著者は、時には20メートルを超す巨木に登り、時には夢中で追いかけてジャングルで迷子に。オランウータンの思慮深い目に魅せられた著者が、霊長類研究からわかった未来を作る知恵を、魅力的なフィールドワークを通じて伝えます。

こちらでは
2021年「第67回 青少年読書感想文全国コンクール」
小学校高学年の部(5,6年生)の課題図書
「オランウータンに会いたい」の
・「あらすじ・ネタバレ」
・読書感想文の書き方のコツ
をご紹介いたします。

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「オランウータンに会いたい」あらすじ・ネタバレ
「オランウータンに会いたい」読書感想文書き方のコツ   
【2021年読書感想文】小学校高学年5,6年生の課題図書

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「オランウータンに会いたい」あらすじ・ネタバレ

読みやすさ ★★★☆☆
感想文の書きやすさ ★★☆☆☆
こんな人にオススメ
・動物が好き
・生物や理科が好き
・環境保護に興味がある

1章 わたしはオランウータン研究者!

1 オランウータンってどんな動物?
・「大型類人猿」という長い赤茶色の尻尾がない体の大きなサル(霊長類)の仲間
・オスで80キロ、メスは40キロ
・人間「ヒト」も「ホモ・サピエンス」も大型類人猿の一種です。

2 アジアの「いとこ」
・オランウータン:先祖はおよそ1800万年前アフリカ大陸で誕生し、300万年前今のマレー半島、ボルネオ、スマトラにたどり着き熱帯雨林に適応した体と能力になる
「地球上で最大の樹上に暮らす動物」「最も出産の感覚の長く、死亡確率の低い哺乳類」「昼行性霊長類で単独で暮らすのはオランウータンだけ」など「唯一」がつく変わった霊長類
・ヒト:700~800万年前、アフリカ大陸でチンパンジーやゴリラの共通先祖と別れて進化。
同じアフリカで生まれ育ったのでオランウータンとヒトは「いとこ」。

3 野生動物の研究がしたい
高校の生物の先生との出会いで大学で小魚・甲殻類・淡水動物の研究をし、大学院進学にあたり東京工業大学・幸島先生から「動物の研究者希望は『芸能人になりたい』というのと同じ運と実力が必要。金にもならないし、ほめてももらえない」と言われましたが「それでも研究したいバカは人類の宝」と「役にも立たない」と正直で力いっぱい励ましてくれる先生なので、その大学院を受験し研究を始めました。

4 オランウータンの研究を目指したのは
オランウータン研究テーマにしましたが「オランウータン研究は難しい」から世界でも数人しか研究者がいないと後からわかりました。

5 オランウータンの研究って大変
研究のはじめ多摩動物公園のオランウータン観察です。
多摩動物公園にはメス6頭、オス2頭のオランウータンがいて、当時はタワーもロープもなく地面をうろうろするだけでした。
オランウータンは単独性で社会交渉という群れない、動かない時間が長く研究が難しい理由の一つです

6 オランウータンのことがもっと知りたい
オランウータンは別名「森の哲人(哲学者)」じっとして声もほとんど出しません

7 世界からオランウータンがいなくなるかも
オランウータンは現在ボルネオ島とスマトラ島のみの生息で、国際自然保護連合(IUCN)の「絶滅の恐れのある野生生物リスト(レッド・リスト)」にレッド・リスト手前の「近絶滅種」に入っています。なぜなら熱帯雨林が減少しているからです。

2章 ジャングルにオランウータンを追う!


1ボルネオ島で調査研究
すみか:標高の低い熱帯雨林。生物の多様性が特に高く、存在危機にある「ホットスポット」と呼ばれる地域です。

2 はじめてのボルネオ島
1998年当時「ゼピロク・オランウータン・リハビリテーションセンター」という孤児のオランウータンを森に返す事業をしている施設に行きました。
ファーストコンタクトで「人間といたずらが好き」な子供のオランウータンから長靴の中にオシッコをされました。
1歳未満:スタッフが人間の赤ちゃんのように自宅に連れて帰って育てます。
3歳未満:オリで飼われる
3歳過ぎ:森に放されエサ台のエサを食べに来なくなったら「野生に帰った」と判断

3 野生のオランウータンの探し方
野生オランウータンはダナムパレイ保護区の調査基地で研究します。
食事の時間:朝7~11時、午後3~5時に探しに行きます
オランウータンはめったに鳴かず、赤茶色の毛は保護色で見つけにくく、オシッコやウンチの臭いが探すヒントになります。

4 においを追え
オランウータンの糞尿のちかくで、果実がなった木や、かすかに揺れる枝、果物を食べる音や食べかすなどもヒントになります

5 オランウータンよりも早起き
オランウータンは木の枝で「ネスト(ベット)」を作って寝ます。起きる前に観察に行くのですが夜の間にいなくなることもあります

6 オランウータンの1日
母子のオランウータンリナと娘のケイトは7時過ぎ、枝づたいに移動します。
トイレ:12時間分の糞尿をします。サンプルを取りDNAをしらべ父親や口内細菌、栄養や健康状態を調べます
朝食:5歳のケイトは木の実、時々母乳も飲みます。木の実などサンプルもあつめます。
移動:ツルや枝を伝い木と木の間を移動しますがケイトが届かないところはリナに助けを呼びます。1時間移動し続け、イチジクの木にたどり着き意を食べた後、長い昼寝をします。

7 リナたちとわたしたちのお昼ご飯
オランウータンの移動に合わせてお昼を取るので、ゆっくり食べられない時もあります。
リナはカキ科の木の皮の内側のやわらかい所を食べまが、ケイトは木の皮がじょうずにむけないのでリナからもらいます。
子供のオランウータンには食べ方が難しい食物も少なくないので母親の助けが必要なのです。

8 熱帯雨林にスコール
「スコール」時にはオランウータンは葉のついた枝を折り頭の上に乗せる「レインカバー(雨傘)」をかぶりじっとしています。

9 ネストづくりは1日の終わりの合図
リナはレインカバーは捨てて移動し17時ごろ木の枝を折り新しいネストを作ります。時々に転びながら居心地の良さを確かめ、そこから動かなくなったら調査は終わりです。小屋に帰り夕食を食べ、その日のデータの整理と明日の準備です

10 ジャングルにひそむ危険
ボルネオ島には危険な生物がたくさんいます
毒蛇:ひざくらいの高さの枝の上でどぐろをまいて寝ています。不用意に枝などつかんだりせず、肌を露出しない対策をします。もし噛まれたらヘビの種類別の血清の種類がわかるように、ヘビをつかまえて殺してもっていかなければいけません。
吸血ヒル:常に獲物を狙ってたくさんいます
ダニ:伝染病がうつることがあります
アリ:ヒアリ「火アリ=ファイヤーアント」と呼ばれ焼けるような痛みです。軍隊ありや小指半分くらいの大きさのモリオアリなどかまれると大変で、いつも折りたたみイスを持ち歩きます。
ハチ:花が多い季節にはオランウータンも刺されます
植物:触れるかぶれたり、するどいトゲのある植物もあり、常に長袖を着ます。かぶれると腕がパンパンに腫れあがります。

11 ジャングルで迷子
森の中で迷子になるとパニックになります。
特に夜は完全に真っ暗でヘットライトの明かりでは心細く、GPSで方角がわかっても藪に挟まれて進めません。オランウータンの追跡は深追いしない、いつも帰り道のことを考えて行動する。冷静に状況を見極めるのが大切です。このような調査を何日も繰り返し、論文を書く地道な研究です。

3章 オランウータンのくらし


1 オランウータンの食物事情
オランウータンなど大型類人猿は単純な消火器なので、木の葉より消化しやすい果物を好みます。果物の種子が動物のフンで運んでもらえるので持ちつ持たれつです。

2 ボルネオ島の植物事情
ボルネオの森はおいしい果物は数年に1度しか食べられません。野生の木々は数年に1度しか身を付けないのですが数年に1度さまざまな植物が同時に開花して身を付ける「一斉開花」「一斉結実」が起きます。そのシステムはまだナゾですが、一斉開花の後はほとんど実らない期間が1,2年続きます

3 果物が実らない年は…
イチジクは一斉開花とは関係のない木なので1年中食べることができます。オランウータンの生活範囲にイチジクがない場合は木の葉と木の皮(樹皮)を食べますが、毒のあるものもあるので食べられるのは180種ほどです。オスはちじょうにおりてジョウガの茎の中の「髄」やまれに樹上に巣をつくるアリやシロアリ、蜂の巣の蜜をたべたりもします。

4 オランウータン食を試してみよう
私もオランウータンの食べ物を味見してみます。オランウータンは苦みを感じないよう進化していて苦い物、味がしないもの、酸っぱい、渋いというひどいありさまでした。オランウータンが食べる前の果物は苦くて渋く1週間以上口の中が苦みが消えず、未熟な果物は人間が食べると「危険」だとわかりました。

5 オランウータンはどこにすむ?
両手両足で枝やツルをつかんで移動し、地面に降りることはほとんどありません。そのほうが体力を使わずに済む効率の良い移動方法です。

6 オランウータンのオスとメス
オスはメスの2倍の大きさがあり、オスより大きいメスはいません。オランウータンは愛くらいまで母親と2人きりで生活しますが、下の子が生まれると独立します。7~15歳ごろは「若者(若メス・若オス)」とよばれ2,3頭でつるんだり「レスリング」とよばれる取っ組み合いの遊びや、妊娠はしませんが交尾します。これらは「大人になるための練習」です。
上手に食べ物を見つけれない時は母親や仲間の大人のメスについていき食べ物にありつきます。これらの様子から人の中高生に似ています。
メスは15歳くらいで行動範囲が決まり、最初の子を産み、オスは生まれた場所から姿を消します。

7 フランジ・オス
オランウータンの大人のオスは2種類あります
フランジ・オス:フランジとよばれる顔の両側に大きく張り出した部分や、大きなのど袋があり、特有の浴びくさい臭いを発します。フランジ・オス同士が出会うと激しい喧嘩をするので、いつも指や顔をケガしています。い「ロングコール」という1キロ以上先に聞こえる大声でメスを呼んで交尾しますが、この時ほかのオスが来て喧嘩になります。
アンフランジ・オス:メスと同じ大きさのものもいたり、他のアンフランジ・オスや若者と行動したり、喧嘩ももめったにしません。「ロングコール」は出せないので見つけたメスの「ストーキング」をして強姦して交尾します

8 フランジ・オスは強い?
フランジ・オスになるには、強さ比べをして自信をもてると男性ホルモン、成長ホルモンなどの値が急上昇し1年かけてアンフランジ・オスからフランジ・オスに変身します。変身の「きっかけ」ホルモンスイッチが入る理由はさだかではありません。
・野生化で20年アンフランジだったのが、地域NO.1のオスが負けたことで変身
・動物園で男性飼育員から女性に代わって変身
ただしフランジ・オスになるとアンフランジには戻れず、メスにもてるけど命がけの勝負をし孤独になるか、もてないけどのんびりくらせるアンフランジと生き方が極端です

9 スマトラ島のオランウータン
ボルネオの隣のスマトラ島は火山があるので自信も頻繁に起きオランウータンにも影響があります。
スマトラオランウータン:ボルネオ種より明るいオレンジの体毛。顔全体がほっそり。フランジ・オスでも面長で白くて長いあごヒゲが生えています。スマトラ種とボルネオ種で交配し雑種も生まれますが寿命は短いです。
行動:昆虫をよく食べ、スローリスという霊長類のなかまをつかまえ肉食します。小枝など道具を使って果物を食べたり、他個体とくに子連れのメスが2組で行動することもあります。
スマトラ島のような火山系の土壌は栄養があり果物が実る期間が長いので、複数での行動もできるのではないかと言われます。

10 新しく見つかったタパヌリオランウータン
スマトラ島の南部で見つかった新種のタバヌリオランウータン
外見:濃いシナモン色の縮毛、大きな歯、がっちりしたアゴ、頭は小さい
食物:松ぼっくり、毛虫など
遺伝的に最も古い種で「世界で最も絶滅危機のある大型類人猿とされています。現在は800頭しかおらず密猟やダム開発で深刻な状況です。

4章 オランウータンは群れたくない?


1 なぜ群れをつくるのか
動物が群れを作るのは「捕食者(天敵)から身を守るため」「食べ物をめぐる競争に勝つため」です。
群れの良いところは敵から逃げる確率も上がり、たくさん食べれる確率が上がります

2 大きな体は安心だ
オランウータンが単独行動なのは「大きな体で木の上で生活している」からです
オランウータンの天敵はトラです。木の上にいる限りは襲われませんし、オランウータンより大きな動物がいないから単独でも平気なのです

3 たまには群れたい?オランウータン
おそらく進化の過程で単独行動になったと思われます。
また生息地の東南アジアは果実が多くないので群れをつくると。食べつくし移動距離も長くなるので単独を選んだと言われます。
ただ「一斉結実期」には数頭で行動うるのも見られることはありますが、お互いで毛づくろいなど社会交渉は起きません。個人主義の集まりという感じです。
ですが「排他的」なナワバリはつくらず、群れていなくてもフランジ・オス以外は同じ木でエサを食べることもあります。

4 サル社会の順位
オランウータンは順位を表す行為(マウンティング)=あいさつ行動ない。上下関係は不明だが、強さの関係性を推測する。
キライ:「イジメ」がない、「近寄らない」
一緒にいる:接触しないが受け入れている
動物園のメスオランウータンは多頭飼いで基本、大人同士は関りを持たず、社会交渉の手段を失ったので仲直りの方法もなく、けんかになると「逃げる」行動をとります。
ですが相性が悪いとイジメが起きたり、自分の娘にイジメられた(血縁のない)新入りのメスをかばったおばあさんオランウータンもいたりと、野生では見れない社会性が生じたりします。

5 ヒトの社会
ヒトの生活はニホンザルよりオランウータンに近いのです。
現代の人は食料を農業、漁業、お金によるサービス交換で得ています。
元々は「狩猟採集生活」で動物の狩り、植物採集、移動をし「助け合いと平等」「核家族」が基本で小さなグループが合流・分裂の繰り返す「離合集散」をします。
子供の死亡率も高く、仲間は年上か年下になり大人の行動お見て学び狩猟採集生活の技術を覚えます。
オラウータンも「大人や年上の個体のマネをしながら生きる術を学ぶ」のです

6 オランウータンの「文化」
人間だけにあると思われた「文化」が近年動物にもあると言う研究者もいます。
オランウータンが昆虫を食べるオランウータンと食べないオランウータンがいるのは「その場所に昆虫がいるかいないかの差」だと文化ではありません。
が、どちらの地域にも昆虫がいるのに一方が食べない場合は地域性の「文化」と言えます

7 スマトラ島の食文化
スマトラ島のオランウータンはスローリスを食べる肉食行動があります
ボルネオ島にもスローリスはいますが食べません
また「キス・スクゥイーク(キス鳴き)」という鳴き声の地域性もあります。これらは「文化」と言われています。

8 文化はどうして生まれる?
オランウータンは、果物に枝を入れてすくって食べる事を、見て覚えます。文化を伝える方法は「群れる事」そして他個体が一緒にいて真似ることを「許す」ことが必要でそうして「文化」を学んでいくのです

9 発明家が文化のはじまり
文化が生まれるのは「イノーベーター=発明者」が必要です。
密猟者に母親を殺された孤児のオランウータンを観察すると、少数の「発明好き」の個体がいるのがわかります。
川を泳ぐ、ボートに乗る、マッチで火をつける、石鹸で洗濯するなど野生では見られない行動を人間をお手本に身につけていきます。
オランウータンはお手本をそのまま真似るのではなく「目的」「方法」を理解して「必要ない、理解できない」行動は真似ません。
人間だけが「サル真似=真の模倣」をでき、目的の理解より、その通りに真似をする「能力」があります。そのモノマネ上手はヒトという種の生き残る手段だったのでしょう

5章 オランウータンの親子

1 オランウータンの子育て
初産:15歳くらい、7年に1度出産し寿命の60歳まで産み続けます。
子育て:単独でほぼひとりっこ

2 木の上で育つ
出産:木の上のネストの中
体重:1500グラム程度
生後1か月:首もすわらず、常に抱いている
生後6か月:木登りができるようになる
1歳:固形物を飲み込めるようになる
3歳ごろ:母乳+いろんなものを食べる。一人で移動できるようになる
6歳ごろ:母親より先に移動したり、違うものを食べるがメンタル的に母乳も飲む。母親は次の子を妊娠する。
7歳ごろ:下の子が産まれ独り立ちするが、時々帰ってくるが徐々に疎遠になる
15歳ごろ:ほとんど戻らない
オラウータンの父親は子育てに関与しませんし、外敵から守ってもくれない「孤育て」です

3 ヒトと類人猿の子育て
ヒトの子育ては「共同保育」家族や近所の人も含め協力する子育てです。
放置されて親以外が世話するのも受け入れ、大声で泣くことで守ってもらおうとします。
サルやオランウータンはつねに母親にダッコあれているので放置されるのは緊急事態として、鳴きだしますが声は大きくありません。

4 ヒト(わたし)の子育て
ヒトの赤ちゃん:泣いて注目させたり、指差しで共感を求めたり、積極的にヒトと関わろうとします

5 チンパンジーの子育て
つきっきりですが、群れの兄姉や大人、若者なども面倒を見てくれます
オラウータンの2組の母子が出会ったとき、子供同士が遊ぶなどは自由にさせます。

6 動物園のオランウータン、野生のオランウータン
動物園:母親を殺され捕まったオラウータンが多いので子育てがわからず育児放棄もある。飼育員が代わりに育ててもほかのオランウータンを知らないまま育つのでその子も育児放棄するようになります。そのため飼育員が子育てを手助けして子育てを覚えます。
最近では育児放棄する場合、子育て経験のあるメスに「養子」に出す試みや人に育てられたメスを他の母子がいる動物園に「留学」させます。オランウータンは見る経験を積んでいないと、子育てできないのです。3章のように独り立ちした若者が、母子の後を付いて行くのは子育て経験の大事な勉強です。

7 オランウータンの子育てのひみつ
メスが一生に産む子供の数は6頭ですが、15歳までの生存率94%と驚異的な生存率です。
その秘密は「大きな体で、樹上で、単独生活」のライフスタイルが天敵にあいにくい、病気が他の個体に感染しにくい事です。1匹を手厚く育てる「少産少死社会」は現代のヒトに似ています。

6章 オランウータンがあぶない


1 世界からオランウータンがいなくなる
オランウータンはスマトラ島ボルネオ島あわせて数万頭しか生息しかいない近絶滅種です。死亡率が1%でも絶滅してしまうと言われています。原因は人間の農業による開墾や建築資材として森林伐採です。

2 パーム油が熱帯雨林を変えた
一度伐採された後の森を「二次林」と呼び、オランウータンは伐採されていない「一次林」でしか生きられないと思われていましたが、最近では二次林でも生息できると確認されました。
ところが「パーム油」を作るオイルパーム農園を作るため二次林も皆伐することになりました。
パーム油=植物油脂でスナック菓子、レトルト食品、洗剤、化粧品、シャンプー、バイオマス発電事業、自動車燃料にも使われる世界で最も消費される「植物油」です。

3 オランウータンにふりかかる災難
オランウータンはオイルパーム食べられず、農園の中をさまよっているところを害獣として殺してしまうこともあります。また食用としてハンティングされる場合もあります

4 なくならない密猟
オラウータンの赤ちゃんをペットとして販売するため密輸したり、マレーシアやインドネシアの富裕層が違法を知りつつペットとして飼う人がいます。
マレーシア、インドネシアの法律でも密猟禁止ですが取り締まりがゆるく密猟者は捕まりません。NGO(非政府組織)が農園で発見されり違法飼育のオランウータンを保護するだけで精一杯です。

5 リハビリテーションセンターの問題
森林伐採でオランウータンの赤ちゃんや子供が保護されることが増えましたが、成長に時間がかかるため「リハビリテーションセンター(野生復帰センター)」が作られました。
オランウータンの孤児の自立をめざし、観光客の入場料を費用に充てた方法が非難を浴びています。
・集団生活のセンターのオランウータンに発生した感染症を野生の世界に蔓延させる危惧。
・運営費用の使い方が「保護より金儲けに見世物にしている」
・観光客の接触が病気や餌付けで自立を阻害している
・保護した個体の4分の1は死亡する
・自立し赤ちゃんを産んでも抵抗力が弱く半分以上3歳未満で死んでしまう

6 リハビリテーションセンターの今
インドネシア政府は公営リハビリテーション事業をやめて「野生のオランウータンのいない森に返す、観光客に公開しない」厳しい条件でNGOが運営となりました。ですが
マレーシア:生息地がオイルパーム農園に変わり生息数減少、保護されるのは年間1,2頭
インドネシア:毎年多く保護されますが、密猟者が多くリハビリ個体は放せないので一時期1000頭近く「飼われている」状態になりました。
政府はこの状態の改善に、少しの個体なら生息地の森への返す事と荒れた森の植林再生も試みています。地元の人「オランウータンを見たことがない」が増える。センターを知ってもらう環境教育事業にも取り組んでいます。

7 オランウータンと森を守るためにわたしたちができること
日本人はパーム油を使い、違法伐採され作られた紙が流通しています。
ですがパーム油は現地の重要な産業ですが、農園では違法な児童労働や危険な薬品の使用、給与未払い、先住民からの土地の強奪など問題があります。ヨーロッパから20年ほど前からのパーム油批判で世界的食品企業と自然保護団体により。ルールを守ったパーム油に「RSPO認証」制度を始めました。ですが日本では「認証パーム油製品」も探すのが難しい状況です。
オランウータンの為にできる事
・買い物をするときその製品が何を使い作られているか、考えてみる
・売っている商品の中にどんな認証制度があるか調べて、友達に伝える
・野生生物や地球環境に優しい商品を探す

あとがき

・オランウータン調査は難しいですが、森の豊かさ美しさも感じ取っていただきたい
・「自然人類学」研究者として「生物、動物、霊長類としてのヒト」という視点に興味をもってもらいたいです。

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「オランウータンに会いたい」読書感想文・書き方とコツ

【読書感想文の応募要項】
・高学年の部 本文 1200字以内
(作文用紙400字×3枚)

 

読書感想文コンクールの入賞した子は原稿用紙3枚1200字きっちりに書きます。起承転結でつづられるなら300文字ずつなどと目安をつけると書きやすくなります。
 

 読書感想文の書き方

    ・この本を選んだきっかけ
    ・簡単なあらすじ
    ・感想、疑問点など
    (特に面白かったところ、感情が動いたところ)
    ・自分の意見、似たような経験談
    ・本を読んでの意見
    (本を読んで学んだこと、自分の意見、今後の生活に生かしていく。など)

あらすじは簡単でもいいですが
・自分がどう感じたか?
・本を読んで何を感じ、今後にどう生かすか?
・「似たような経験」の自己開示 → 高得点ポイントです

青少年読書感想文全国コンクール審査基準
    ○ 応募規定にあっているか
    ○ 発達段階に応じた適切な本を選んでいるか
    ○ 読書のよろこび、楽しみが感じとれるか
    ○ 広い視野から作品を評価しているか 
    ○ 登場人物の心情や、作品の語っているものを的確にとらえているか
    ○ 著者の論旨を的確にとらえているか
    ○ 事実と著者の意見とを区別してとらえているか
    ○ 自分の意見・感想を率直に述べているか
    ○ 自分のことばで表現しているか
    ○ 発達段階に応じた考え方が表現されているか
    ○ 規定の文字数を十分に生かし、自己の思いを表現しているか
    ○ 読書によって得た自己の変革がみられるか
    ○ 規定の文字数を十分に生かし、自己の思いを表現しているか

 
審査基準も基本的な読書感想文と同じ評価の基準です。

~読書感想文書き方のコツ・ポイント~

○ 発達段階に応じた適切な本を選んでいるか
課題図書もしくは同等レベルの本を選びます。過去の学年に応じた課題図書もおすすめです。

○ 読書のよろこび、楽しみが感じとれるか
本作の内容からオランウータンの特徴(孤育て、育児に7年、交流がない、文化がある)の驚きや発見の感情を書くのが良さそうです。

○ 広い視野から作品を評価しているか
オランウータンの保護と環境保護を訴えてはいますが、現地の人の言い分にも耳を傾けなければなりません。それぞれの立場からの視点、対比など全体で問題を考えてみます

○ 登場人物の心情や、作品の語っているものを的確にとらえているか
オランウータンが絶滅の危機が伝わらない、パーム油農場がどんな影響を与えているかも知られていないけど、地元の重要な産業でなくせないけど環境破壊されている。その両方を守るにはどうしたらいいのか?

○ 著者の論旨を的確にとらえているか
オランウータンとヒトは「イトコ」の関係だとしたら「あとがき」にあるこの3点「生物、動物、霊長類おしてのヒト」から考える人間との類似点相違点など

○ 事実と著者の意見とを区別してとらえているか
事実:オランウータンの保護とインドネシアの産業の現状、日本人は知らない人が多い
著者の意見:商品を選んで買ってほしい、友達にも教えて欲しい

○ 自分の意見・感想を率直に述べているか
オランウータンの現状や、私たちが知らずに使っているパーム油で、動物が犠牲になることをどう感じたか?

○ 自分のことばで表現しているか
解説や感想サイトをパクらない

○ 発達段階に応じた考え方が表現されているか
戦争や人種差別についてと、奪おうとする側の人間について考察する

○ 規定の文字数を十分に生かし、自己の思いを表現しているか
起承転結もしくは気転結。時に登場人物への反感~自分の意見など文字数を計算しながら書く

○ 読書によって得た自己の変革がみられるか
「この読書から学んだ経験を生かして…」と感動と今後の抱負らしきものを書く

○ 規定の文字数を十分に生かし、自己の思いを表現しているか
主人公や登場人物への共感や、自分がした動物愛護や環境保護の経験など


「オランウータンに会いたい」はSDGs作文
この本はオランウータンの絶滅の危機を回避するためにも、SDGs(持続可能な開発目標)17の目標を意識しましょうという目的のある課題図書です。

12.つくる責任 つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
13.気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
15.陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

特に上記の3つを意識して「パーム油の使われているものは使いません」「温暖化をどうやって止めるか考えたい」「森を守りたい」などの感想を書くのがおすすめです。


読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!

読書感想文は正解があります

読書感想文は、まじめで真剣に本のテーマを考えている「とても正しい優等生な意見」が良い評価をもらえます。
「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」と先生方は判断するからです。第66回お上位入賞者あ共に課題図書の「ヒロシマ消えた家族」での受賞になりました。


第66回上位入賞者一覧
内閣総理大臣賞 <小学校高学年の部>
土井優輔 徳島県 阿南市立見能林小5年「ヒロシマ 消えたかぞく」(ポプラ社) 

文部科学大臣賞<小学校高学年の部>
溝口悠路 神奈川県 慶應義塾横浜初等部5年「ヒロシマ 消えたかぞく」(ポプラ社) 

読書感想文の書き方がよくわからない人や、むずかしい本の時は、前年の課題図書の読書感想文全国コンクールの入賞作品を参考にすると書き方のコツが身につきます。

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