【超能力/星新一】あらすじ・ネタバレ読書感想文の書き方・例文
こちらでは【星新一】の「超能力」の
・「あらすじ・ネタバレ」
・読書感想文の書き方のコツ・ポイント
をご紹介いたします。
星新一というと、短編集をたくさん書く作家さんです。
読むのが簡単なので、読書する時間はないけど
自分の考えや意見がある人なら
読書感想文をピッタリの作品です。
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「超能力」あらすじ・ネタバレ
「超能力」読書感想文・書き方と例文
うんちく・読書感想文の書き方の“こたえ”
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「超能力」あらすじ・ネタバレ
あるテレビ局のアナウンサーが原稿を読もうとすると
意志に反して口が勝手にしゃべりだした。
「高級官僚の贈収賄事件が発覚しました。」
放送後、局内は大騒ぎになり本人も
「自分にもなぜ原稿にない事を話したのか
わからない。頭がおかしくなったのかな」
みな抗議が来ることや、アナウンサーは免職を
覚悟した。
だが抗議電話はいっさいなく、アナウンサーが
しゃべった事件を警察が調べたら本当になった。
テレビ局の空気は一変し、大スクープをやったことになった。
ただ、アナウンサーはその文句が頭にひらめいただけで
理由が分からない。
同僚は「超能力かもしれない、その才能を活用してほしい」
と言われ本人はそううまくいかないと思ったが
次の日はいきなり「昨年度の脱税者ベストテン」と
金額や手口まで詳しく話し出し、それもまた的中した。
「すばらしい、大衆の味方だ」と
アナウンサーは1日3回画面に出るようになり
そのたびにスクープをしゃべり、人気は上がる一方だった。
だが1週間めにアナウンサーは何とか休みをもらったが
家に帰る途中、みんなが彼の顔を見ると逃げていく。
だれも、なにかしらうしろぐらいところがあり
みんな逃げていく。
おもしろくない気分で家に帰ると、妻も数日前に逃げたと
わかった。
【超能力】
読みやすさ ★★★★☆ 読書時間5分
感想文の書きやすさ ★★★☆☆
とかく「テレビ離れ」と言われ
インターネットやYouTubeを見るという
人が多くなった昨今。
その理由が「テレビは本当のことを言わないから」
とされています。
この物語は、なぜか誰かの不正のニュースが
口から自然に出てしまうようになったアナウンサーが
プライベートでは周りから人がいなくなる
という皮肉を書いた作品です。
誰にでも人に言えない秘密の一つや二つはある。
そういう作品です。
『超能力』読書感想文・書き方と例文
読書感想文・文字数
・小学校低学年の部(1、2年生)本文 800字以内
・小学校中学年の部(3、4年生)本文1,200字以内
・小学校高学年の部(5、6年生)本文1,200字以内
・中学校の部 本文2,000字以内
・高等学校の部 本文2,000字以内
原稿用紙は1枚400文字です。
小学校3年生~6年生は3枚
中学生・高校生なら5枚になります。
感想文を起・承・転・結の4段落で書くとして
各段落を何文字ずつ書くか?割り振りしてみると
書きやすくなります。
・この本を選んだきっかけ
↓
・簡単なあらすじ
↓
・感想、疑問点など
(特に面白かったところ、感情が動いたところ)
↓
・自分の意見、似たような経験談
↓
・本を読んでの意見
(本を読んで学んだこと、自分の意見、今後の生活に生かしていく。など)
あらすじは簡単でもいいですが
・自分がどう感じたか?
・本を読んで何を感じ、今後にどう生かすか?
・自分の意見
は重要です。
また「似たような経験」の自己開示がある感想文は
なぜか評価が高いです。
—–感想文書き方ヒント—————————————
【感想、疑問点など】
・なぜアナウンサーは突然スクープを話せるようになったのか?
【似たような経験談】
・「うしろぐらい」と正直者の顔が見れなくなる
【自分の意見】
・現代ではこんなアナウンサーが登場しても事件は解決しなさそう。
「超能力」読書感想文・例文2078文字
~冒頭(この物語を選んだ理由)~
もし「超能力」を手に入れられるなら
どんな力がいいでしょう?
「超能力」が身につくのはちょっと
カッコイイような、特別な人の感じがします。
ですが望んだわけでもなく、自然と口を突いて出る
超能力がその人や人々を本当に幸せにするかどうか?
なかなか考えさせられる作品です。
~あらすじ紹介~
テレビアナウンサーがある日突然自分の意思と関係なく
原稿にない事件をニュースで話してしまいました。
最初は「そんな出まかせ言ってどうするんだ」と
局内は大騒ぎになりましたが、なんとその事件は
本当にあったとわかり、犯人は捕まり
大スクープを取ったとなりました。
翌日からもアナウンサーは自然とスクープを
テレビで話し、どれも本当の事件で
視聴者からの激励の電話が鳴りやみません。
1週間後、やっと休みをもらえ家に帰る途中
みんなが彼を見かけると逃げていきます。
だれも、何かしらうしろぐらいところがあるのです。
家に帰ると、妻は数日前に逃げたらしいと分かりました。
~感想~
このアナウンサーは今でいう所の
スクープ雑誌の記者というところでしょうか?
この手のニュースは、世間が眉をしかめたり
怒りを感じる事実の方が人々の関心を
集めることができ、しかも万人が堂々と
バッシングという社会的制裁をする事が
許されるような風潮があります。
それが行き過ぎると、悪さをした人は
心を病んでしまい、立ち直ることが困難に
なり「やり過ぎなのでは?」という
意見も出るようになりました。
もちろん事件性のある事や法律違反は
法の裁きを受けるべきですが、巧妙に
わからないように悪さをしたり
法律に触れるか触れないかのギリギリの
悪さをする輩もいます。
うしろぐらい過去がある人や
限りなく黒に近いグレーな人は正義の人に
リークされないかどうか戦々恐々と
逃げていくというおかしみが世の中には
あると星新一は語りたかったのかもしれません。
ですが星新一は純粋だなと思いました。
たとえこんな超能力のある存在が
あらわれても実現化はしないだろうと
世間を見て思うからです。
~疑問~
彼は悪を懲らしめたかった訳ではないのに
人々も妻でさえ数日前に逃げていました。
「うしろぐらい」人にとって
「正義マン」のような人は
危険で都合の悪い人物であり
その影におびえる事になるのです。
ですが自分はこのアナウンサーはこれから
無事でいられるかな?と思いました。
「窮鼠猫を噛む」ということわざがあります。
絶体絶命の窮地に追い詰められたネズミは
ネコに逆襲することがあるというたとえです。
逃げ切れなくなった時「殺るしかない」と
反撃する心理現象を「戦うか逃げるか反応」
といいます。
人間も当然この反応が出るかもしれないのです。
まわりに逃げられているうちはアナウンサーは
安全ですが、追い詰められたと思ったら
相手は向かってくるかもしれません。
そう考えると、現実の世界では
縦や横のつながりで不正や非合法な事を
やっている人がいても「持ちつ持たれつ」
「片目をつぶる」中には「もみ消す」
なんて言うこともありそうだと想定できます。
よく内部告発などした人が左遷やクビに
なるより「黙っている方がお互い得でしょ?」
という事もきっと世の中にはあるのでしょう。
星新一は純粋だからこの物語を逃げられた事で
終わらせています。
もし続きを自分が書くならアナウンサーは
利害関係を気にする間もなくペラペラと
誰かの悪さを話してしまうので
命はそう長く持たなかったと書くでしょう。
~本を読んでの意見~
人には「うしろぐらさ」があって当たり前
とは言いませんし、清廉潔白に武士道精神で
生きる事こそ日本人の誇りだったような気がします。
ですが、人生は順風満帆ではありませんし
その時の弱い心が悪事に手を染める事を
選択してしまうかもしれません。
ただし、実際悪さをしている心当たりがあり
世間からも「あいつは悪い奴だ」と
認識されている人間は結構います。
それでも、のうのうと厚顔無恥に生きている人は
悪い自分をどうして受け入れられるのか?
悪い事をしている自覚がないのか?
そちらの方がキモチが分かりません。
だからこそ、悪事に傷ついた被害者の
心の根底には怒りの底に悲しみがあります。
その気持ちが癒えなければ
悪事を犯した人間を罰したい気持
「こんな悪い人間がいる」「贖罪させたい」
という正義の鉄拳というバッシングを
止められないのでしょう。
それはいつの間にか恍惚感を感じ
一種のストレス解消となります。
大スクープは現代の人々の
ストレス解消のカンフル剤となって
いるのが現状です。
超能力者のニュースは視聴者としては
楽しめても、自分が当事者になりそうなら
逃げるという、人間の二面性を皮肉っています。
人間は美しく優しい正義の心もありますが
どこまでも利己的で弱く浅はかな心も
持ち合わせる愚かさがあると
認めるしかない気がします。
自分はどうあるべきか考えた時
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出しました。
仏様が罪人に地獄から脱出できる
蜘蛛の糸を垂らしても
罪人の自己中心的な心を見て仏様は
プツッと見限ってしまいました。
そして小さくため息をつきます。
醜い事件を見た時に気持が乱されない
強い心でため息一つくらいの
美しい悲しみ方ができるのが理想
と言えそうです。
星新一は何話かまとめた感想文でもOK!
「超能力」だけでも感想文は書けますが
どうしても1話だけじゃ感想文が書けない場合は
星新一の本1冊の中から
「○○と○○が印象的でした、なぜなら」とか
「○○と○○の話に共通点または真逆だと感じたました」
などで感想文を書くのも面白いでしょう。
読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
読書感想文の書き方にも“正解”があります。
入賞作は審査員が気に入る読書感想文は
まじめで真剣に本のテーマを考えている
「とても正しい優等生な意見」が書かれています。
それを「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」
と先生方は判断するからです。
自分なりの意見があっても反抗的だったり
「いいと思います」「すごいと思います」などの
単純な感想ではいい点数をつけてくれません。
何をいいと思うのか?
前年の課題図書の読書感想文全国コンクールの
入賞作品を参考にすると書き方のコツが身につきます。