【食料備蓄】くだものの賞味期限と長期保存・備蓄方法
「食糧危機」の懸念や逆に「食品ロス」が話題になる世の中。
災害大国と言える日本でも農林水産省から家庭備蓄を行う際に必要な情報「家庭備蓄ポータル」を公開しています。
大きな震災があったり、おかしなウワサ話があるとスーパーから食品やトイレットペーパーが消えたり、マスクもなかなか手に入らないなんてこともありますから、普段からの備蓄への心がけがあると慌てずに済みます。
ですが・・・「くだものって備蓄食料に必要?」という疑問もあります。
食事の食材があれば、くだものってし好品みたいなものだから・・・と思いますが、人間余裕がない時こそ「ほんの少しの甘いもの」を食べるととてもメンタルに良いのです。またくだものにも体に必要な栄養素があったり、特定の病気の人には注意すべきくだものもあります。
こちらでは
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【備蓄食料にくだものが必要?】栄養素と健康効果・1日の摂取量
くだものの保存方法と賞味期限
長期保存できるくだものの加工品
【食料備蓄】何をどれくらい備蓄したらいい?
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【備蓄食料にくだものが必要?】栄養素と健康効果・1日の摂取量
くだものは「身体の調子を整える」大事な栄養素
くだものの栄養素は「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」です。
ビタミン・ミネラルは、タンパク質、脂質、糖質の分解や合成を助ける働きを持ち、健康維持、体調管理には欠かせない栄養素です。
【ビタミン】A・カロテン・E・B1・B2・B6・葉酸・C
抗酸化作用、肌や粘膜の生成、赤血球の生産など
不足すると・・・欠乏症(栄養を含む食品の摂取不足、吸収障害、必要量の増加などによっておこる症状)
多すぎると・・・過剰詳(肝臓に蓄積して中毒症状を起こします)
【ミネラル(無機質)】カリウム・カルシウム・マグネシウム・銅・鉄
人体の機能維持に欠かせない成分
不足すると・・・鬱、低体温、貧血、肌荒れや肩こり口内炎、体重増加、免疫力にも関わってきます。 他にも疲れやすく集中力がなくなったり、イライラしやすくなったりします。 甲状腺腫などの欠乏症や、骨粗しょう症になるなど、さまざまな症状が発生してくるのです。
多すぎると・・・摂りすぎると高血圧や脳卒中など、生活習慣病に繋がります。 摂取基準量を目標に食事を工夫しましょう。
【食物繊維】
整腸効果、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など
不足・過剰・・・便通トラブル
大人の場合:おおよそ200〜300g
バナナ…1本(100g)リンゴ…1/2個(150g)みかん…2~3個(200g)キウイフルーツ…小なら1ヶ半、大は1個(150g)梨…1/2個(200g)ぶどう(粒の大きい物)…10粒(150g)など
野菜でもくだものと同じ栄養素は摂れますが、緊急時の保存食にこそホッとするような甘いくだものは気持ちを安らげてくれます。また、くだものの果糖は中性脂肪となりやすいので、日中の活動の多い時間に食べるのがおすすめです。
くだものの保存方法と賞味期限
くだもの保存は冷蔵庫保存がNGなモノもあるので、種類別に保存方法が変わってきます。
基本的には「直射日光をさける」「常温10~15度」「新聞紙に包んで乾燥させない」などで保存します。ですが冷蔵庫NGのくだものでも冷やしたほうがおいしいと感じるモノもあります。その場合、食べる1時間前くらいに野菜室に入れて冷やしておくのがおすすめです。
【くだもの常温・冷蔵庫・冷凍保存方法】
「バナナ」
常温保存:春から夏→2〜4日程度 ・秋から冬→7〜10日程度
冷蔵庫:NG
冷凍庫:1か月
「洋ナシ」
常温保存:常温で2週間
冷蔵庫:1ヶ月程度
冷凍庫:2ヶ月
「メロン」
常温保存:収穫後5~7日
冷蔵庫:カットメロン2~3日程度
冷凍庫:カットメロン3週間
「いちご」
常温:NG
冷蔵庫:アルミホイルで1個1個くっつかないようにならべて包む。10日
冷凍庫:ヘタを取りラップで包む。1か月
「りんご」
常温:5度前後。2週間~1か月
冷蔵庫:ペーパータオルで包みポリ袋に入れる。
冷凍庫:カットして冷凍。1ヵ月
「みかん」
常温保存:約1~2週間、
冷蔵庫:約2~4週間
冷凍庫:約1ヶ月
冷蔵庫:NG
「もも」
常温保存:ペーパータオルで包みポリ袋に入れる。2~3日
冷蔵庫:直接冷気があたらないよう紙で包み、ビニール袋に入れる。1週間ほど
冷凍庫:ビニール袋に入れて丸ごと冷凍。2週間~1か月
「ぶどう」
常温保存:2~3日ほど
冷蔵庫:洗わずにペーパータオルで包み保存容器に入れる。房付きで5日ほど。
冷凍庫:良く洗いラップに包み1か月(マスカットは冷凍NG)
長期保存できるくだものの加工品
【ドライフルーツにする】
生のくだものは保存期間があまり長くないので、どうしても缶詰やジャム、砂糖のついたドライフルーツになってしまいます。
自家製のドライフルーツなら、砂糖不使用で作ることができます。意外と手間ヒマがかかりますので大変ですが、し好品であるフルーツがあると災害の緊急時や食糧難などつらい状況の時、ホッと一息つけるのでフルーツがあるととても安らぐことができます。
くだもの缶詰・フルーツジュース・ドライフルーツの砂糖はヤバい?
生のくだものも1日に食べていい量が少ないので、くだもの好きの方にはがっかりです。また果糖やカリウムの兼ね合いで、病気で食事制限のある方には加工されたくだものは不向きとされています。
果物100%ジュース:糖分が多く吸収が早いため、血糖値が一気に上昇します。高血糖の原因となります。
ドライフルーツ:水分が抜けて糖度が増す(砂糖付きも)ので食事療法を行っている方には不向きです。
果物の缶詰:熱処理もされビタミン含有量が少なく、砂糖が沢山使われていますので、食事療法を行っている方には不向きです。
【食料備蓄】何をどれくらい備蓄したらいい?
備蓄食料は「栄養素」「日持ち」「味」「持ち出し」の4点がポイント!
「栄養素」
栄養素が不足すると体調不良を起こしかねません。
緊急時は少なからず動揺したり、メンタルに影響し免疫力が弱ることがあります。なるべく日常に近い食事でバランスよく栄養素が摂れるものの備蓄が必要です。
「日持ち」
なるべく常温で日持ちする食材がベストです。
ライフラインが停止すると冷蔵庫が使えなくなることもあります。日持ちは最低でも半年以上、1年ほど日持ちする食品が適しています。
「味」
おいしいもの・好きな味のものを選ぶ
備蓄をはじめるとつい「安いもの」に走りがちですが、値段よりもおいしいもの・好きなを選ぶほうが気持ちが楽になります。
購入するときはまずは1つ味見をして気に入ってから、必要量をそろえるのがコツです。またし好品、甘い菓子やフルーツ、アルコールなども気分転換になります。
「持ち出し」
もしも「避難所での生活」になった場合に備えて、持ち出しできる食品もあるといいです。
かさばらない袋入りのものや、食品で対応できない栄養素はサプリメントで補うことも一考です。
食糧備蓄は計画的に!
「食料備蓄はローリングストックで」と言いますが、「本当に食べきれない」モノもあります。
ところが!ムダになる前に“パーティーする” “おすそ分けする” “転売する” “フードバンクに寄付する” など捨てずに生かす方法はいくらでもあります。
集めるまで手間ヒマはかかりますが、「中リスクハイリターン」で、食料危機になれば「シャケ缶詰1個1万円」とか「物々交換」の世の中になるとも…。
投資と考えると食糧備蓄も前向きになれます。楽しんでやりましょう。