【椅子/星新一】あらすじ・ネタバレ読書感想文の書き方・例文

こちらでは【星新一】の「椅子」の
・「あらすじ・ネタバレ」
・読書感想文の書き方のコツ・ポイント
をご紹介いたします。

星新一というと、短編集をたくさん書く作家さんです。
読むのが簡単なので、読書する時間はないけど
自分の考えや意見がある人なら
読書感想文をピッタリの作品です。

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「椅子」あらすじ・ネタバレ
「椅子」読書感想文・書き方と例文 
うんちく・読書感想文の書き方の“こたえ”

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「椅子」あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ

「椅子」あらすじ・ネタバレ
社長をしている私は、運転手に大学時代の親友の家を
探させていた。

私と親友は大学の同級で、お互い母親を早くに亡くしていた
同じ境遇で特に親しくしていた。
20年前に大学を出てから、親友は貿易会社に入り、
独立し小さいながら会社を経営し欧米各国を飛びあるく
やり手と聞いていた。
ところが、急に仕事をやめ町はずれの薄よごれた町に
住み落ちぶれたのかわからなかった。

しばらく前に私に金を借りにきたが
その時もにこにこ明るく落ちぶれた表情もなく
健康そうだったが、それっきり金を返しに来ない。
思い出すたびに気になるので、今日はたずねてみる気に
なったのだ。

よどんだ臭気のひどい所に親友の安アパートはあり
親友は、せまくて汚れた部屋かとは不釣合いな
明るいあどけなさのある表情で出迎え
仕事を辞めた事も「いや、べつに…」と
失意もやつれもなく答えた。

この部屋に不釣合な親友の表情ともう一つ
みすぼらしさと奇妙な対照の古びているが
やわらかな曲線とふっくらした感じの
大きな椅子があった。

親友はドイツに行っていた時、
田舎町の古道具屋でみつけて買ったという。
私は働いたらどうだと言っても
親友はその気がないし、金もないから
返せないという。

私は見そこなったし付き合いをやめると言っても
「そうかい」とにこにこと答えるので腹が立ち
金を返すまで、その椅子をあずかっておくと言うと
親友ははじめてあわてた態度を示した。

どうやら親友が堕落した原因はこの椅子にあるらしい。
私は友情のために彼を断ち直させるために
嫌がる親友から椅子を取り上げた。

私は取り上げた椅子のやわらかく、ふっくらした、
どことなく温かみを含んだ何かに似た感触が
ずっと求めつづけていた
「母親のひざに抱かれている感触」だった。
あらゆるイヤな事から守られ
すべてを忘れさせる母親のひざの上。

秘書の会議の時間との声が聞こえたが、どうでもいい、
なにがどうなろうと、この椅子から離れることなど、できるものか。

【椅子】
読みやすさ ★★★★☆ 読書時間10分
感想文の書きやすさ ★★★☆☆


「椅子」は星新一短編集の中の一話です。
簡単に読むことができます。

親友が堕落してしまったのは
「人をダメにするイス」が原因だった。
というお話です。

現代はビーズ入りの体勢に合わせて形を変えられるイスが
人気でどんな姿勢や体形でも体重をかけると程よく沈み
独特のもっちりとした弾力で包み込み完璧な癒やしの時間を
過ごせるおそろしいイスがあります。

優しく包み込んでくれるモノは
その人がどんな状態でも許してくれますが
それではダメ人間になりますよという
おそろしい予言の書が星新一の「椅子」です。

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『椅子』読書感想文・書き方と例文

読書感想文・文字数
・小学校低学年の部(1、2年生)本文 800字以内
・小学校中学年の部(3、4年生)本文1,200字以内
・小学校高学年の部(5、6年生)本文1,200字以内
・中学校の部 本文2,000字以内
・高等学校の部 本文2,000字以内

原稿用紙は1枚400文字です。
小学校3年生~6年生は3枚
中学生・高校生なら5枚になります。

感想文を起・承・転・結の4段落で書くとして
各段落を何文字ずつ書くか?割り振りしてみると
書きやすくなります。

 読書感想文の書き方

    ・この本を選んだきっかけ
     ↓
    ・簡単なあらすじ
     ↓
    ・感想、疑問点など
    (特に面白かったところ、感情が動いたところ)
     ↓
    ・自分の意見、似たような経験談
     ↓
    ・本を読んでの意見
    (本を読んで学んだこと、自分の意見、今後の生活に生かしていく。など)

あらすじは簡単でもいいですが
・自分がどう感じたか?
・本を読んで何を感じ、今後にどう生かすか?
・自分の意見
は重要です。
また「似たような経験」の自己開示がある感想文は
なぜか評価が高いです。

—–感想文書き方ヒント—————————————
【感想、疑問点など】
・三つ子の魂百まで
・母性への過剰な思い入れを持つのはなぜだろう

【似たような経験談】
・昔から母親賛美する歌があふれている
・マザコンとは自己保身もあるのでは

【自分の意見】
・通過儀礼を経験できなければ親離れできない
・親を乗り越え自立する事が親孝行では

「椅子」読書感想文・例文1613文字

~冒頭(この物語を選んだ理由)~
「人をダメにするイス」という評判のイスがあります。
人間もペットもそのイスに座ると全身を心地よく
包み込んでくれて、動きたくなくなりどこまでも
だらしのない恰好でリクライニングしてしまうイスです。
星新一の「椅子」そのもののようなイスが現代にも
存在してて、それがどうして人を堕落させるのか?
まるでそのまま説明しているのがこの作品です。

~あらすじ紹介~
会社経営している私は大学時代の親友が
落ちぶれたと聞き、気になって訪ねてみた。

お互い母親を亡くしている同じ境遇でも
それぞれ仕事を頑張り独立起業していた。
だがやり手だった親友は仕事を辞め
金を借りに来たのを最後に音沙汰がない。

探し当てた親友のアパートはよどんだ臭気の
みすぼらしい部屋なのに、親友は
明るいあどけなさのある表情で出迎え
金もないが働く気もないという。
堕落した様子に怒り部屋にふつりあいな
椅子を借金の形に持って行くと言うと初めて
親友は慌てだしたので、奮起させるために
本当に椅子を取り上げた。

秘書から「会議の時間です」と言われても
どうでもいい。
「母親のひざに抱かれている感触」の
この椅子から離れることなど、できるものか。

~感想~
「椅子」に魅了された親友と私、2人とも
母親を早くに亡くしています。
「母親のひざに抱かれている感触」とは
日頃のイヤな事を忘れさせ守られ包まれるものでした。
仕事でバリバリと働いてきて、大きなストレスを
抱えている彼らが得ることのできなかった癒し。

社会的成功する事で、本当に欲しい母からの愛情への
代替えとして生きてきたのでしょう。
ところが親友はこの椅子に出会ってしまい
これ以外のモノに価値を感じなくなってしまった。
椅子を取り上げたわたしも親友同様に
人生を転落しそうになっています。

これは普通の母子関係を経て成長した人には
わからない感情なのでしょうか?
それとも、この2人は特別にマザコンなのでしょうか?
いずれにしても、この椅子から得られる感情は
おそろしいものということです。

~疑問~
マザコンの心理とは
「甘えたい」「安心したい」「決めて欲しい」
「管理されたい」「母親に安心してほしい」
「母親をほおっておけない」など
人生はすべて母親と共にあるような
考え方をします。

人は多少なりとも親に認められたい
甘えたい生き物ではあります。
ですが程度の問題でもあり、成人しても母親から
離れられない人は社会から大人と扱われる事は
ありません。
なぜならそこに責任感がないからです。
むしろ、母親と2人きりの世界にいられるなら
その方が都合が良いと考えてしまうのは
永遠に母親の守護のもと完全なる安心感を
求めている赤ちゃん返りなのかもしれません。

人間には大人になる段階に「通過儀礼」を
経験しなければなりません。
それは人によって内容は違いますが
心になにかしらの衝撃を感じる事を
経験する事で「一皮むけた」大人に
なっていくのです。

残念ながらこの2人は母親との親離れという
「通過儀礼」を経験する事なく成人したため
母親を乗り越えることなく、共依存にハマりやすい
大人になってしまいました。

~本を読んでの意見~
椅子に母性を感じ堕落してしまった
2人の男の不幸は当たり前の成長過程を
経験できなかったという事だと読みました。
椅子を私に取り上げられた親友は奮起し
椅子を取り返しに借金を返しに現れるのでしょうか?
それは親友の精神がどこまで堕落したか次第でしょう。

世の中には親が存在し、成人し自分も結婚
子供がいても親を乗り越えられず依存や
執着しているオトナ子供は結構いるものです。

もちろん産み育ててくれた親に
感謝するのは当然ですが、彼らはなにかの
幻想を抱き続けているのです。
親にも若い時代があり、過ちも経験した
一人の人間であり、自分を育てるのも
手探りで完璧でもなかったし、失敗もしていた
と思う事で「親も一人の人間」と対等な感覚を
手に入れられると思います。
母親に母性の幻想を見続けるのは不幸です。
人間は親に甘えることなくたくましく独り立ち
することこそ、親孝行なのではと思いました。

 星新一は何話かまとめた感想文でもOK!

「椅子」だけでも感想文は書けますが
どうしても1話だけじゃ感想文が書けない場合は
星新一の本1冊の中から
「○○と○○が印象的でした、なぜなら」とか
「○○と○○の話に共通点または真逆だと感じたました」
などで感想文を書くのも面白いでしょう。


読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!

読書感想文の書き方にも“正解”があります。

入賞作は審査員が気に入る読書感想文は
まじめで真剣に本のテーマを考えている
「とても正しい優等生な意見」が書かれています。

それを「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」
と先生方は判断するからです。

自分なりの意見があっても反抗的だったり
「いいと思います」「すごいと思います」などの
単純な感想ではいい点数をつけてくれません。

何をいいと思うのか?
前年の課題図書の読書感想文全国コンクールの
入賞作品を参考にすると書き方のコツが身につきます。

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