【コンビニ人間/村田沙耶香】あらすじ・ネタバレ読書感想文の書き方・例文

こちらでは【コンビニ人間/村田沙耶香】の
・「あらすじ・ネタバレ」
・読書感想文の書き方のコツ・ポイント
をご紹介いたします。

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「コンビニ人間」あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ
「コンビニ人間」読書感想文・書き方と例文 
うんちく・読書感想文の書き方の“こたえ”

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「コンビニ人間」あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ

【コンビニ人間】
読みやすさ ★★★★ 2時間~
感想文の書きやすさ ★★★
こんな人にオススメ
・合理的な考え方が好き
・コンビニ好き、バイト経験あり
・なにか普通じゃない事をしたい
・どうやら自分はマイノリティらしい
・人間社会に居場所がない、生きづらいと感じる
・天職をみつけたい

 
「コンビニ人間」あらすじ・ネタバレ
古倉恵子、三十六歳独身
18年コンビニのアルバイトをしている。

子供時代から奇妙がられる子供だった。
せっかく死んでる小鳥だから、焼き鳥好きの父のために
「食べよう」と言うととがめられた。
みんなは「立ち入り禁止」の場所に穴を掘って埋め
ちぎって殺した花の死体を供えるのに。

友達のケンカを「誰か止めて」と言うので
手っ取り早く、スコップで殴って止めたり
先生がヒステリックに怒るのを「やめて、先生」と
泣く子がいるので、映画で服を脱がされ女の人が
静かになったので、先生のスカートとパンツを
勢いよく下した。

その都度、母親が学校に呼び出され悲しんだり
謝ったりするのは本意ではないので、外では
極力口をきかない事にした。
それはそれで問題視され、両親は愛して妹とも仲がいいが
「どうしたら『治る』のかしらね」と言われた。

そのまま大学一年生の時、スマイルマート日色町駅前店の
オープニングスタッフとしてバイトをはじめた。
研修でのマニュアルも完ぺきにこなし社員と同じように
接客すると「完璧!」と褒められた。

そうして私は、世界の正常な部品のコンビニ店員として
生まれたと思った。
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大学卒業後もバイトを続け、私は36歳になり店員として18歳になった。

最初は喜んだ家族も今は不安そうで申し訳なさで
20代の頃就職活動したこともあるが受からない。

コンビニで働く夢を見て、朝に起きてコンビニに行き
社会の歯車になれる。
そのことで私を正常な人間にしていた。

1日3食すべてコンビニ食でバイトの同僚たちのしゃべり方
表情、服装、化粧品まで真似てコミュニケーションが取る。
私には怒りの感情がないが、そっくりまねて怒ると相手が
喜んで不思議と連帯感が増すので
「ああ、私は今、上手に『人間』ができているんだ」と安堵する。

スタッフが入れ替われば言葉遣いや服装も変わり
「普通の30代女性」の旧友のミホから『変わった?』と
よく聞かれ、いまだバイト生活なのは「体が弱い」設定を
妹が考えてくれた。
だがうっかり「付き合ったことがない」と答えてしまい
セクシャリティを疑われたのでとりあえず「体が弱いから」と
ごまかした。
「店員」という対等な関係でいられるコンビニに
早く行きたいと思った。

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8人目の店長から、新しいバイトの白羽が入ると言われた。
初日から遅刻した長身で痩せたの針金ハンガーみたいな
白羽に店長が「18年勤務の大先輩」と紹介した時
怪訝な顔をされ気まずい空気になった。

白羽に声をかけても鼻で笑われ、仕事を教えても態度が悪く
適当な仕事をして「縄文時代から男は…」と言い訳する。
「今は現代ですよ!コンビニ店員は男でも女でもみんな店員です」
バイトの菅原に言われた「白羽に怒らないですよね」は
恵子が偽物だと言い当てられた気がしてギクリとした。

休みの日に妹の家に行き、人に何か聞かれた時の
「もっといい言い訳」を考えてもらうようお願いした。
みんな、変なものには土足
で踏み入って、その原因を
解明する権利があると思っている。
迷惑で傲慢で鬱陶しいから、あんまり邪魔だとスコップで
殴って止めたくなると妹に話した時、泣きそうになっていた。

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翌日出勤すると店長から白羽が仕事中携帯を
見ていたことを注意された。
反省もせず「コンビニの店長ふぜいが」と
見下す発言をし、彼がバイトをする理由が
「婚活」のためで同僚か客にもろくな相手がいなくて
「縄文時代から女は…」とグチり出した。

私はコンビニは強制的に正常化される場所だから
あなたなんて修復されますよ、と言いたかったが
月曜、従業員女性や客にストーカーをして
クビになった。

「あの年齢でコンビニバイトクビになるなんて終わってますよね」
私も「そうですね!」とうなずきながら
私が異物になった時はこうして排除されるんだな、と思った。

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ミホの主催で同級生たちとバーベキューをする事になり
ユカリの旦那さんから「体弱いのに、立ち仕事?」と矛盾を突かれた。
「結婚くらいした方がいいよ…女はいいよな、その点」
「このままじゃ駄目だろうし、焦ってるでしょ、正直?」に
「今のままじゃだめってことですか?それって、何でですか?」
と聞くと「やべぇ」とミホの旦那さんの呟きが聞こえた。

私、異物になってる。
白羽の次に私は治らないと正常な人たちに削除されるんだ
家族が私を治そうとした理由が分かった気がした

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コンビニの外で白羽が女性客にストーカーしようとしていたので
「店員として見過ごすことができない」と注意したら
「ここは機能不全世界なんだ、世界が不完全なせいで
僕は不当な扱いを受けている」と泣きだした。

彼を置いておくわけにもいかず、ファミレスで話すと
「この世界は異物を認めない、僕はずっとそれに苦しんできた」
「誰にも迷惑をかけていないのに、少数派というだけで
みんなが僕の人生を簡単に強姦する」と
被害者意識が強いのに、自分が加害者かもとは
考えない思考回路で自分をかわいそうがるのは
趣味なのではないかとすら思った。

「普通の人間を演じれば邪魔者扱いされないのでは?」と
恵子は婚姻届を出して書類上、自分と結婚するのはどうか?
と提案してみた。
みんなが不思議がる部分を、自分から消去するのが治る
という事かもしれないと思うが、白羽は出来ないと言う。

白羽がグチをやめず、明日もコンビニの仕事なので
食費を出してくれるなら泊めるとアパートに連れ帰った。
浮浪者のような異臭のする白羽を風呂に入れている間
ためしに妹に電話してみると妹は“ついに彼氏が出来た”と
勝手に話を作り感動していた。
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翌日、コンビニのバイトから帰ると白羽は
ひとしきり毒づいた後結婚の提案に協力して
やってもいいと言う。

なりゆきで白羽の事を話したと言うと
困るのは恵子だと言われる。
確かに店の人たちは白羽との恋バナについて聞かれ
飲み会で白羽の生き様を叱ろうとしている。
外国人バイトのトゥアン君までもが店員ではなく
「ムラのオスとメス」になっていった。

妹まで白羽を叱りに来たが
「あれを家の中に入れておくと
みんな勝手に納得するから便利なの」というと
事実を理解した妹は泣きながら「いつになったら治るの?」
しかも「我慢してきた」「カウンセリングに行こう」
「コンビニ始めてからますますおかしくなった」という。

恵子はコンビニを辞める、続けるどちらがいいのか?
白羽を置く、追い出すどちらが治るのか?
指示をくれと言うと、ますます泣き続けるので
ヒマになりプリンを食べた。
すると白羽が来て、恵子とケンカしたという設定の
小芝居をして、妹はうれしそうに白羽を叱って丸く収まった。
この時に、もうコンビニを続けることは厳戒なのだと
気が付いた。

翌日には白羽の弟の妻が来ていて
滞納し立て替えた家賃を返せとやってきた。
白羽が「彼女(恵子)が就職したら返す」に
「社会不適合者2人でバイトのお金だけでやっていけるわけない」
と親身に言うので、意外といい人だと思った。

義妹が帰った後、白羽は「処女で独身アルバイトのあなたが
僕のおかげで既婚者の社会人になれる
みんなが喜ぶ形のあなたになれる、よかったですね」
「僕と出会えて本当に運がいい、その代わりずぅと僕を
隠しつづけてください」と嬉々としてしゃべった。

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恵子はコンビニを辞め就職活動を始めた。
18年勤め、2週間前にやめると言ったのに
怒られるどころか門出だと祝福され
夫婦橋までもらい退職した。

しかし恵子の生活は全てコンビニでの仕事を基準に
動いていたため、寝起きの時間、食事の時間も
何を基準に動けばいいのかわからず、
爪は伸びても切らないし、ムダ毛の処理もしない
コンビニでの合理的かどうかしていた判断基準を
失い、今なにを目的に決めればいいのかわからなかった。

ふと、白羽が忘れていった携帯に義妹から電話が入り
コンビニ基準を失くしたのなら、動物の合理性を基準に
するために「子供を作った方が人類の為か?」聞いてみると
『あんたらみたいな遺伝子は残さないほうが、人類のため」
と言われなるほどと納得し、私の遺伝子はうっかり残さないよう
気を付けて死ぬときに処分しようと思った。
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白羽に連れられ、恵子は面接に向かったが
時間があったため、昼時のコンビニに寄った。
恵子は忙しい店の中で今、何が必要かすぐに理解し
スーツを着たまま、手早く売場を直し、社員と勘違いされ
店員に的確なアドバイスまでしてありがたがられた。

そこへ白羽が戻ってきて激怒したが
「コンビニの『声』が聞こえるんです」というと
おぞましいものを見るような目になった。
「私はコンビニの『声』が流れて来て止まらない
この声を聴くために生まれてきた。
私は人間である以上にコンビニ店員という動物なんです」
と恵子は言い放ちました。

人間であれば白羽といたほうが都合いいかもしれないが
いびつでも、野垂れ死んでもそのことから逃れられず
それに気が付いた今、白羽など全く必要ありません。

捨て台詞を吐いて去っていく白羽には目もくれない。
コンビニの窓ガラスに映る自分を見て
この手も足もコンビニの為に存在していると思うと
自分が、初めて意味のある生き物に思えた。

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『コンビニ人間』読書感想文・書き方と例文

読書感想文・文字数
・小学校低学年の部(1、2年生)本文 800字以内
・小学校中学年の部(3、4年生)本文1,200字以内
・小学校高学年の部(5、6年生)本文1,200字以内
・中学校の部 本文2,000字以内
・高等学校の部 本文2,000字以内

原稿用紙は1枚400文字です。
小学校3年生~6年生は3枚
中学生・高校生なら5枚になります。

感想文を起・承・転・結の4段落で書くとして
各段落を何文字ずつ書くか?割り振りしてみると
書きやすくなります。

 読書感想文の書き方

    ・この本を選んだきっかけ
     ↓
    ・簡単なあらすじ
     ↓
    ・感想、疑問点など
    (特に面白かったところ、感情が動いたところ)
     ↓
    ・自分の意見、似たような経験談
     ↓
    ・本を読んでの意見
    (本を読んで学んだこと、自分の意見、今後の生活に生かしていく。など)

あらすじは簡単でもいいですが
・自分がどう感じたか?
・本を読んで何を感じ、今後にどう生かすか?
・自分の意見
は重要です。
また「似たような経験」の自己開示がある感想文は
なぜか評価が高いです。

—–感想文書き方ヒント—————————————
【感想、疑問点など】
・コンビニの仕事の大変さやきめ細かさを改めて知った
・フツウってナニ?
・普通じゃない=悪いなのか?
・逆に普通をバカにして自分を押し通すのもどうなのか?
・習うより慣れろか?適正重視か?
・マイノリティを誇っていいのか?

【自分の意見、似たような経験談】
・「変わってる」とは人に指摘されて初めて気が付くものだ
・周囲の人とのかかわり方が難しいと感じたことがある
・「こうあるべき」で困ったことがある

【本を読んでの意見】
・自分の「オカシイ」部分をそのまま受け入れる難しさ
・フツウとは安定・安心?
・「フツウ」じゃない場合の他者とのかかわり方とは?

「コンビニ人間」読書感想文・例文

~冒頭(この物語を選んだ理由)~
この物語は「普通とは何か?」を問われる物語です。
物語には3種類の人間が搭乗します。
一つ目は「普通な人」
二つ目は「普通がわからない人」
三つ目は「普通になりたくても、なれずに周りをバカにする人」
です。
「常識」とは、ある社会において共通にもつ
また持つべき普通の知識・意見や判断力の事を言います。
世の中の多くの人々は「高み」を目指すよりまずは
「普通」を目指す人の方が多く、そこから外れることを
怖れる気持ちがわかるので、この本を選びました。

~あらすじ紹介~
この物語は子供の頃より奇妙な行動をする恵子は
「普通」がわからず浮き上がっていた。
が、大学時代にコンビニのバイトに出会い
その規律正しいマニュアルで18年過ごせてきた。
だが30半ばで、1就職も結婚もせず
バイトしかしていない事で世間から
排除されかかっていると気づき「普通」になろうと
偽装結婚や就職をしようとするが
恵子はコンビニでしか生きられないと気づき
自分は「コンビニ人間」との自覚で生きていくことにする
物語です。

~感想~
恵子は幼い時から自我がありません。
「誰かの希望」や「見聞きした基準」で
行動するので情緒も意志も善悪の判断、怒りもありません。
みんなのいう「普通」がわからない恵子と
「普通」のみんなの言う「非常識」に翻弄され
出来ない事に「言い訳する」白羽のような人間と
3通りの人間を表現していますが、どんな人の中にも
この3つの感情を持ち合わせているのではないか?
と思いました。
私は「100人の狂人の中に、唯一自分だけまともだとしたら
狂人なのは自分になるのだろう」と白羽のように
考えたこともありました。
ですが、いつのころからか世間の流れや
年齢なりの経験を経ていない事にあせりや
コンプレックスを感じ「変わっている」と
言われることに恐怖を感じ、普通に交わるには
どうしたらいいのか?と内心びくびくする自分が
いたのも自覚しています。
でも、あがいてもどうしても譲れない部分は誰にも
あると思うので、自分の異端さと世間への交わり方で
折り合いをつけながらホンネとタテマエで
人は生きていくものなのだと思います。

~疑問~
昨今は「多様性を認めよう」という流れも
大きくなり知っていた「常識」以外の価値観を
受け入れようと言う世の中になっています。
恵子は就職せず18年バイトだけ続ける
結婚しない事を「将来、野垂れ死にする」と
就職や結婚しない事を「やべぇ」ヤツとされます。
それは社会活動や立場を決めるものですが
究極的には生存欲求の事で恵子から感じる
不安定さから、普通の人は自分のことのように
不安になり「見たくない」「巻き込まれたくない」
「正して欲しい」から説教したくなるのではないかな?
と思いました。
ですがこの物語から投げかけられているのは
“誰でも何かに影響を受けながら自分を作っている”
という事のような気がしました。
恵子はそもそも感情がないので、普通の人間に
擬態するかのように人間をマネます。
そしてそのことに周囲の人は気がつきません。
恵子いわく周りの人たちも、なにかに影響されて
行動しているとの気付きにドキッとしました。
なぜならば、人間は人間を見ながら成長しているので
恵子の言うことは当たっていると思うからです。

~自分の経験談~
価値観とはいろんな経験をして受けた感情から
出来上がっていくものです。
それは親や友人、学校など置かれた環境もあれば
テレビや本や雑誌など社会から受けるものもあります。
影響を受けている事すら気がついていない普通の人々。
「これが常識だ」という価値観も誰かが作り
信じ込まされた価値観かもしれないと気が付きました。

ところが現代はその価値観もどんどん変化する
時代になりました。
若いと流行っているモノを知らなければならない。
ノリが良くないと変っているとされる。
皆が経験している事をしていないとオカシイとされる。
それらに乗り遅れるとイケてないとされ
排除され、その普通の基準に追いつかないと
コンプレックスを感じる。
経験や感性だけじゃなく、政治やモノの判断基準すら
ガラリとかわる。
自分は思うのは、普通とはその時々
その時代を滞りなく回すための基準が「普通」に
されているのだと思います。
たとえそれが誰かが作った基準だとしても
とくに日本人は「みんながしているから安全」という
平穏を選びながら生きている魚の大群のようなモノかも
しれないと思いました。

~本を読んでの意見~
それでも昨今はマイノリティとの言葉が
当たり前にあるように人々の考え方がずいぶん
細分化しました。
いつか「普通」という基準はまるで標準語のように
人間同士が交流する技術のような気がします。
もし平和や安寧を求めるなら「普通に合せる」
それができないなら「関わらない」という選択肢もあります。
合せることもできない、生きるために関わらないこともできない
ならば、ぎりぎり受け入れてくれる世界で
「生暖かい目で見てもらう」事を期待するしかありません。

恵子は感情のない人ですがコンビニ人間になることで
居場所を作りました。
そして白羽を始め、他者の意見を決して否定する事なく
うなずける部分には素直に「なるほど」と受け入れていました。
それはまるで無味乾燥な人工知能ロボットやAIアシスタントの
ようでもありますが、自分の価値観を披露も強要を
しなくても生きていける世の中に人間の怖さも感じました。
「普通」という技術はお互いに仮面をかぶっての
交流かもしれない。
生きづらい思う人や多様性が多くなるのは仕方がないのかな
と思いました。


読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!

読書感想文の書き方にも“正解”があります。

入賞作は審査員が気に入る読書感想文は
まじめで真剣に本のテーマを考えている
「とても正しい優等生な意見」が書かれています。

それを「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」
と先生方は判断するからです。

自分なりの意見があっても反抗的だったり
「いいと思います」「すごいと思います」などの
単純な感想ではいい点数をつけてくれません。

何をいいと思うのか?
前年の課題図書の読書感想文全国コンクールの
入賞作品を参考にすると書き方のコツが身につきます。

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