『昆虫の惑星』読書感想文あらすじ・感想文書き方とこたえ(Chat GPT・答え)
『昆虫の惑星 :虫たちは今日も地球を回す』
アンヌ・スヴェルトルップ= ティーゲソン 著 小林玲子 訳 辰巳出版 1,980円 (税込み) 248ページ
Amazon 楽天ブック
解説:丸山宗利氏(『昆虫はすごい』著者 ) 監修 世界22ヶ国以上で翻訳!
ノルウェーから届いた、「知ること」の楽しさに満ちたネイチャー・ノンフィクション
わたしたちヒトは、昆虫に包囲されている——女性昆虫学者が語る奇妙で、美しく、風変わりな虫たちの話プラスチックを食べるミールワーム、食べ物や日用品に貢献するミツバチ、
傷を癒すニクバエ、農耕や牧畜をするアリ、子煩悩なハサミムシ、水中で音楽を奏でるミズムシ……
虫が苦手という人は多いが、虫の世話になっていない人は地球に1人もいない。
あなたの知らないところで黙々と仕事をしている昆虫たち——
(もちろんちょっとしたコツでずっとぬくぬくしているやつもいる)
そんな昆虫たちのめくるめく世界へと誘う、「知ること」の楽しさに満ちたネイチャー・ノンフィクション。“地球が昆虫の惑星であることは間違いなく、生物多様性の理解への一歩として、本書の存在は非常に重要な意味をもつに違いない。” ———監修者あとがき より
“本書の前半は、昆虫そのものの話だ。第1章では昆虫の体の仕組み、周囲を知覚する方法、種としての多様性を紹介する。身近な昆虫の分類の方法にも触れることになる。第2章では、昆虫たちのいささか変わったセックスライフに肉薄する。第3章は昆虫どうしや、ほかの生きものとの複雑なやりとり、第4章は昆虫と植物の関わりがテーマだ。(中略)
本書の後半は、ヒトと昆虫の関わりをとりあげる。ヒトの食糧生産に昆虫はどう貢献しているか(第5章)。都市をふくむ地球上の環境を、昆虫はどう清潔に保っているか(第6章)。蜂蜜から抗生物質まで、ヒトの暮らしに必要なものを、昆虫はどうもたらしているか(第7章)。第8章では、昆虫のカギを握る最新の研究を紹介する。最後の第9章では、昆虫が直面している危機をとりあげつつ、その暮らしを守るためにヒトに何ができるのかを考える。
植物の受粉、有機物の分解と土の再生。ヒトはその多くを昆虫に依存している。
昆虫はほかの生きものにわが身を餌として提供し、ヒトにとって有害な生物の数を抑制し、種子を散布し、さまざまな問題解決のための知恵まで提供してくれる。
自然界の中心を占める、昆虫という存在があるからこそ、地球は回りつづけているのだ。” ——— はじめに より
こちらでは
2023年「第69回 青少年読書感想文全国コンクール」高校生の課題図書の『昆虫の惑星:虫たちは今日も地球を回す』 の「あらすじ・ネタバレ」読書感想文の書き方のコツ・ポイントをご紹介いたします。
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『昆虫の惑星』 あらすじ・ネタバレ・こんな人にオススメ
『昆虫の惑星』 読書感想文の書き方(Chat GPT)とこたえ
うんちく・読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
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『昆虫の惑星』あらすじ・ネタバレ・こんな人にオススメ
おすすめ度
読みやすさ ★★★☆☆
感想文の書きやすさ ★★★☆☆
・昆虫雑学本のような感じ
・フェミニズムに理解あり
・世界的人口爆発に懸念がある
・Sdgs、環境保護に興味がある
こんな子におすすめ
・理系、生物に興味がある
・農業に興味がある
・虫が好き
・食糧問題に興味がある
・大人の事情に理解がある
『昆虫の惑星』あらすじ・ネタバレ
【●】は本書内容にない、下記内容の要約タイトル
はじめに
著者:アンヌ・スヴェルトルップ=ティーゲソン
ノルウェー生命科学大学、保全生物学教授。ノルウェー自然科学研究所の科学顧問もつとめる。森林の生物多様性、昆虫の生態学についての講演、著作多数。本書『昆虫の惑星 虫たちは今日も地球を回す』は22ヵ国以上で出版されている。
昆虫学者として質問される
Q.「厄介な虫はなぜいるのか?」について
A.「大多数の虫はヒトの暮らしを支えるささやかな仕事をしている」と答える
その1
・蚊やアブは、小動物のエサの役割
・スズメバチは植物の受粉と益虫と動物のエサの役割
その2
・ニクバエは治りにくい傷を癒す
・ミールワームはプラスチックを消化する
・ゴキブリは倒壊、汚染された建物の救助活動で使える
その3
・種の多様性として守るべき存在に変わりない
・精密に設計された自然システムに貢献している
昆虫は「有害生物の数の抑制」「種子の散布」「問題解決の知恵」を提供する自然界の中心。ヒトは気づかず昆虫に依存し守られている。そのためにも「地球を守る必要性」の解説が本書に書かれています。
序章 地球は昆虫の星である
世界の生物の割合は…ヒト1匹:昆虫2億 の“昆虫の惑星”で世界中どこにでも昆虫はいる
カワゲラ…ヒマラヤ海抜6000mの高所
ミギワバエの幼虫…気温摂氏50度のイエローストーン公園
ユスリカ…世界屈指の深い洞窟の闇の中
コンピューターの内部、地面にこぼれたオイルの中、馬の胃の中、セイウチの鼻の中など地球すべての大陸の「個体数」「種の数」「種の多様性」で最も繁栄した生物
・極小から極大まで~色、形、サイズも様々で
コバチ…0.16ミリ(肉眼で見れない)
ナナフシ…体長62.4cm
ゴライアスオオツノハナムグリ…幼虫で100g
・恐竜より以前からいた~約4億7900万年前に現れたと考えられる
・趣という奇跡~昆虫が栄えた理由
ハネによる飛翔能力による敵からの逃避、移動、繁殖し、5回の地質時代の大量絶滅を生き延び現在に至る
第1章 小さな体は高性能 —— 体の仕組みと機能
昆虫の体の仕組み、周囲を知覚する方法、種としての多様性を紹介する。身近な昆虫の分類の方法にも触れることになる。
・昆虫の体の仕組み~足6本、ハネ4枚、触角2本の(節足動物門)
頭…口と「感覚器官」である目(形が多種多様)と触角
胸…移動器官のハネと脚がついている
腹…生殖器、消化器系
・骨がなくてもよい~無脊椎動物
丈夫な「外骨格」と表面の油の層で脱水を防ぐ
足…空洞の筒「外骨格」の脱皮で成長する
・変身のとき~「不完全変態」と「完全変態」
「不完全変態」…幼虫→3~8回程度脱皮→成体
トンボ・バッタ・ゴキブリ・カメムシなど
「完全変態」…幼虫→サナギ→成体(昆虫の85%)
カブトムシ、スズメバチ、チョウ、ハエ、カなど
・昆虫の血の色は?
人間の血→赤。酸素を運ぶヘモグロビンによるもの
昆虫の血→無色・黄色・緑色。ヘモグロビンを含まないので
※上記動画参照
・かぐわしい言語~五感はあるが構造がちがう
嗅覚…触角で感じる。生殖アピ、エサ場情報配信する
【嗅覚】
・花々の計算
花はニオイを発し虫に受粉させる。メスに似たニオイで誘うランもある
・死の番人~音を活用
セミ…雄の鳴き声(音)で雌を誘う。だが寄生虫も近づき捕食される
チョウ(成虫)…口の中に耳
チョウ(幼虫)…全身の毛が耳がわり
カ、ミバエ…触角
シバンムシ(死番虫)…壁に頭を打ち付け雌に知らせる
【聴覚】
・極小のバイオリン弾き
ミズムシ…2mmで平均79dBの音をペニスと腹で出し雌を誘う
【味覚】
・足の裏に味覚?
イエバエ…足裏の味覚器官でヒトの100倍の甘みを感じる。動物のフンも食すためヒトの感染症拡大の一因にもなる
【視覚】
・複眼的な生き方
「複眼」…たくさんの小さな眼からの成り立ち。情報を脳内合成するが画素が荒い。
「単眼」…明暗の識別。複眼以外の目(スズメバチなど)
ミズスマシ…4つの眼の下2つは水中、上2つは水面のエサを探す
・トンボの眼はアニメじゃない
トンボ…左右3万個ずつの複眼で「紫外線、偏光、色、視野」を1秒最大300枚の画像認識(ヒトは1秒20枚)し、膨大な視覚情報を「選択的注意力」で体に指令し、ハイレベルな飛翔能力により95%の確率で獲物をしとめる。
※上記動画参照
※アメリカのドローン改良研究はトンボを参考にしている
【知能】~「情報を処理し、分析する能力」
・アリさんがこっつんこ(昆虫の脳)
ミバエ…頭を切り落としても神経の節々の”情報処理センター”で数日は活動できる。
※知能の高さは差が大きい
「社会性昆虫」…ミツバチ、スズメバチ、アリなど群れで共存する昆虫は知能が高い。情報伝達能力がある。
知能が低い…一定の週間しかない虫、寄生虫
・賢馬ハンス、賢いハチ
「賢馬ハンス」…数を数え計算もできるとされたが、人間の変化を読み取っていただけ。
ハチ…「数を数えられる」「情報伝達できる」
・ダンシング・ビー
ハチ…「色の識別ができる」「8の字ダンスでエサ場の情報伝達」
※動物行動学者フリッシュ…ナチスドイツ時代、ユダヤ系のため大学を追われたが、農産物増産の必要時にハチ全滅の危機で、専門家のフィリッシュも大学に戻れた。
・どこかで見た顔
アシナガバチ…階級社会で顔を識別し上下関係を把握。
※顔をペイントすると仲間と認識しないが、なれると受け入れる
ミツバチ…ヒトの顔も2日は記憶できる。
※ヒトの目や口は“花の模様”としてとらえている節もある
※昆虫の顔認知プロセスを追求で“相貌失認”(顔が認知できない脳障害)への活用や、ハチの顔認知パターン原理のプログラムで顔認証システムの精度が上がるかもしれない。
【昆虫の種類】
・キミの名は。昆虫の分類と学名
分類とは→どれだけ類似しているかで分ける。グループの大きい「界・門・綱・目・科・属・種」の順序で分ける
キオビクロスズメバチ…動物界節操動物門昆虫網ハチ目スズメバチ科
・五つの大家族~地球上の昆虫はおよそ30の目で分類
コウチュウ目(鞘翅目)…最大級の目で38万種。目の下の科は170科。
ハチ目(膜翅目)…11万5千種
チョウ目(鱗翅目)…17万種
ハエ目(双翅目)…15万種
カメムシ目…8万種
※昆虫とは…3対6本の足、体が頭・胸(むね)・腹(はら)の3つ
※クモ、ダニ、サソリ…4対8本の足。体は頭と胸が1つになった頭胸部(とうきょうぶ)と腹部(ふくぶ)の2つに分かれているため、昆虫ではない。「クモ鋼」
ヤスデ「ヤスデ鋼」ムカデ「ムカデ鋼」ワラジムシ「軟甲網」…足が多すぎる
第2章 昆虫たちの“婚活”事情 —— 生殖と繁殖
昆虫たちの変わったセックスライフ。虫の卵の数は多いがほとんどが孵化までたどり着けず、孵化しても大半が餓死、捕食される。その中で生存確率を上げる戦略が昆虫の“婚活”パートナー探しと繁殖方法は多彩である。
【セックス】雄と雌のたたかい
・交尾をめぐる闘い
ミナミアカメムシ…10日間交尾し続ける
インドナナフシ…79日間くっついて過ごしている
アオイトトンボ…2頭でつながって飛ぶのは雄が産卵を見張るため
※雄は「受精嚢」内のライバルの精子をかき出せる器官や、交尾後、雌の生殖器に栓をする方法など戦いが繰り広げられている。
・さまざまな“道具”
ショウジョウバエ…「受精嚢」を長い精子(ヒトなら40m)で自分だけの精子で埋め尽くす。
トコジラミ…雌の腹部を突き刺して射精し深手でほかのオスと交尾できなくさせて精子を卵子にたどり着かせる。
※雌も刺される部位が硬く進化した。
・雌も負けてはいない~「性的共食い」優位性を確保する雌
クモ雌…射精後ペニスが破裂し“腹上死”する雄を丸ごと食べる種もいる
カマキリ…「性的共食い」と受精嚢内の精子を「選択」をする
コクスヌトモドキ…状態の良い精子が受精しやすくなる操作する
【クローン】
・子孫を増やすのに雄はいらない~処女懐胎
アブアラムシ…親と同じ遺伝子を受け継いだクローン幼虫を産卵「単為生殖」する。
※クローンの同一遺伝子は変化対応力が弱くなる。雄と雌の遺伝子の多様性があることで、有害な突然変異の影響を少なくできるので、性が2つあることが種の生存戦略になる。
【性別産み分け】
・女王陛下に栄光あれ
アリ、スズメバチ、ミツバチ…ほぼ雌。雄は女王のヒモとして交尾のためだけに存在。射精の勢いで生殖器が避け爆死する。
・ビヨンセは正しかった
スカプティア・ビヨンセアエ…”美尻”のアブ
※ビヨンセ「世界を回しているのはだれ?」の曲同様、地球上の生きものも雌のほうが多い。昆虫会では雌の方が支配的。
・父はいないが祖父はいる
ミツバチ、アリ、スズメバチ…性染色体がなく、雄と雌の卵を自由に産み分けができる。
※受精卵→女王蜂と働き蜂(雌)、無精卵→雄
※「産まない働きバチ」の雌は父が同じ姉妹で、自分の娘より遺伝子が近い女王バチ候補の姉妹の世話をして一族の種の保存をしている。
【育児】
・ゴキブリミルク~育児で生存率を上げる
ゴキブリ(大西洋地域の種)…体内で孵化し、胎児「細静脈」を通じ乳汁を与えている
シラミバエ…同様。
・イクメン昆虫
ハサミムシ…卵の段階から育児。雌の世話で孵化確率が77%に上昇する
コオイムシ科水生昆虫…雌が雄の背中に30〜40個の卵を産みつけ育児
※ほかの生きものの体内に卵を産みつけ、孵化後捕食する寄生型の昆虫もいる
第3章 食べて、食べられて―昆虫と食物連鎖
昆虫の勝ち組とは「繁殖に成功するまで死なないこと」そのための「食うか食われるか」の昆虫どうしや、ほかの生きものとの複雑なやりとり、生存力が必要になる
【毒物であやつり寄生】
・ダーウィンの煩悶
「捕食寄生者」(寄生虫)…卵を寄生させ孵化し体内から捕食。成虫になるころ宿主が死ぬように生命維持の器官は最後まで残しておく
・ゾンビベビーシッターと吸魂鬼バチ ※注意
テントウハラボソコマユバチ(寄生バチ)…宿主テントウムシにウィルス注入して脳を奪い体内に産卵、20日かけて内臓を食べても殺さず脚元にはい出て蛹になりゾンビテントウムシを“盾”にして敵を追い払い成虫になって飛び立つ。
セナガアナバチ…学名アンプレックス・ディメンター(吸魂鬼バチ)ゴキブリの脳に針で神経毒(ゲノム物質)を注入。ゴキブリを”操縦”し自分の巣に連れ帰り卵を産み付け幼虫たちのエサにする
※注意 上記動画参照(閲覧注意)
【住居不法占拠】
・ツチハンミョウの賭け
ツチハンミョウ…ハナバチの雌の巣に寄生して、雌がハチの幼虫に運ぶ蜜、花粉とハチの幼虫をエサに成長する
【芸能とハニートラップ】
・自然界のデリバリーサービス~歌で誘う「攻撃的擬態」
フォトゥリス・ベルシコロール(ホタルの1種)…11種類の偽発光で別種のホタルの雄を呼んで捕食
ナゲナワグモ…蛾のにおいのシグナルで呼び、投げ縄の糸で確保
【殺し屋か社会秩序維持局か】
・国際ムシヒキアブ・デー
ハエ目ムシヒキアブ…昆虫界でも最強クラス「暗殺者アブ」大物の虫も奇襲で捕らえ、口吻を刺して消化酵素を注入し体液を高速ですする。個体数が少ないが昆虫の増え過ぎ調整の役割をしている
【計画出産】
・“ムシマゲドン”
ジュウシチネンゼミ…17年目間地中から目覚めはい出し成虫となる。
※アメリカではこのセミが出たら、騒音により屋外でのイベントあきらめる
・目覚まし時計の謎
ジュウシチネンゼミ…捕食の対象確率が高いため、個体数をあげて生存率を上げる。
【自己防衛】
・シマウマの縞も昆虫のせい?~虫よけ効果説
ツェツェバエ…大型哺乳類に病気を媒介する昆虫は縞模様を好まない。「視覚低位行動」関心のある方向に目を向けるのを乱す効果がシマウマの縞模様。
【殺す多様性】
・昆虫はすばらしいパランサー
食物連鎖により生物の数のバランス調整役を務めている。
第4章 昆虫VS植物 —— 植物との共進化
昆虫と植物の関わりがテーマ。ほとんどが草食性の昆虫。植物とウィンウィンな関係「相利共生」または「共進化」で共存しつつも、どちらかが優位に立とうする愛想半ばな共存関係がある。
【昆虫のバランス栄養食】
・ワニの涙をすする~草食の昆虫の栄養補給に
アブラムシ…主食が樹液→あまった水と糖分を「甘露」として排泄し、ほかの昆虫が摂取する
塩分不足…水たまりやワニの涙などに昆虫がたかり塩分摂取する
【早起きは三文の徳】
・女王陛下の朝食
マルハナバチ…冬の巣ごもりから目覚めた空腹時、ヤナギの木が早めに開花するので働きバチがいなくても乗り越えられる
【ワンオペから大家族へ】
・王国の育児室
マルハナバチ…最初は1匹で作った花粉ボールに産卵し蜜蝋で蜜壺(育児室)を作る。最初はワンオペだが幼虫が働きバチ(雌)に育てば産卵に専念できる。夏の後半には雄を育て、1匹だけ次期女王候補の雌は栄養豊富に育て、秋の終わりに世代交代し、新女王と雄が交尾して快適な寝床で眠りにつく。
※上記動画参照
【ビジネスパートナー】
・依存と絶滅は紙一重
タマキンバイ…ハエがキンポウゲの拝球に産卵し種子をエサに幼虫が育つが、産みすぎるとキンポウゲが枯れるので産み過ぎない紙一重のバランスを保っている
【用心棒】
・においでSOS
オレガノ…虫よけ効果の「カクバクロール」も効かないクシケアリが根っこをかじり巣を作る。このにおいにゴマシジミ(蝶)も来て産卵し育った幼虫はアリの幼虫を食べてアリ駆除させるウィンウィンの関係がある。
【詐欺】
・だましだまされ
アシ…種子の形と臭いを動物の糞に似せて、糞虫に勘違いさせ土に埋めさせる。
【労働対価】
・植物からのごほうび
「エライオソーム」…アリに種子を運搬させるための栄養満点の物質。
アリアカシア「アリ植物」…とげの内部の空洞にアリを住まわせ、栄養を提供しながらガードマンにする
【アブラムシ警報】
・ネットワークで警告
菌類(キノコ)…キノコの菌根を持った樹木は、その菌糸によって地中で互いにつながる「菌根ネットワーク」で情報伝達をし、栄養分共有と敵(アブラムシ)が来た時も注意喚起を伝達し、抵抗効果のある物質を分泌する。
【牧畜・ペット化】
・農耕のベテラン
ハキリアリ、キノコシロアリ、甲虫…菌類を“栽培”する。それぞれ一種類のみ「単一栽培」だが低リスクハイリターンな生鮮性が高い
・ペットはアブラムシ
アリ…アブアラムシを“甘い汁を出すウシ”として、逃げないようにハネを食いちぎるが、保護牧畜する
※クマが森にいるとアリを食べるのでほかの昆虫や植物の生育がよくなる
【昆虫の生態系貢献度】
・小さくても影響力は絶大
実験で「昆虫を農薬駆除しなかった畑」のほうが36%収穫が多かった。アリが地下通路を作り水分量があがり、窒素含有量も増え、雑草も抑えられたためだ。ほかにも「森林の窒素量調整をする」一方でアリを排除すると植物生育はよくなるが森林土壌の炭素と窒素量が15%低下するので排除がいいわけではない。
・痛すぎるサボテン
「生物的防除」…生き物を使って害虫に対抗すること
サボテンガ…オーストラリアに染色産業用のウチワサボテンが輸入されたが産業は失敗しサボテンだけが増殖し、土地が使えなくなったため天敵のサボテンガを投与すると劇的に壊滅さえることができた。だがフロリダに流れたこのガにより固有種のサボテンが根絶やしにされかけている。
第5章 ヒトの食卓と昆虫 —— 蜂蜜から昆虫食まで
ヒトと昆虫の関わりをとりあげる。ヒトの食糧生産に昆虫が貢献することで食卓が豊かになる
【虫から出る甘い栄養食】
・はるか昔から蜂蜜好き
ヒトは古来から甘いもの好きで5500年前の墓に、女性の骨と蜂蜜の壺が埋葬されていた。
・マッド・ハニー
ヒマラヤオオミツバチ…この地方のツツジ、姫シャクナゲとハチ自体の「グラヤノトキシン」などの毒が混入し、毒性と幻覚作用のある蜂蜜「マッド・ハニー」ができる。トルコの一部で「デリ(マッド)蜂蜜」として生成された商品として流通している。
※上記動画参照
・蜂蜜のありかを教えてくれる鳥
ノドグロミツオシエ…自分より大きいモノに蜂の巣の場所を教え破壊させ、おこぼれをもらう鳥。巣の発見率が54%まで上がる。
・「マナ」は虫の排泄物だった
マナコナカイガラムシ…これが排泄した甘露の結晶が、聖書に登場する奇異の食物「マナ」の正体という有力説がある。
・スズメバチの持久力
スズメバチ…幼虫が分泌するアミノ酸ヴァームがハチの持久力の秘密とされ、人間のドリンクに成分を再現したドリンクが売られている
【虫の襲撃~蝗害】
・恐怖バッタの軍団
バッタ…体重と同量のエサを食べ、襲撃された土地は草1本残らない。気象条件により大量発生で密集すると、ある種のホルモンが分泌され大きく黒く食欲が増す「相変異」を起こし群れを作り移動して食物を食い尽くす。
※植物の昆虫が嫌がる酸味・苦味・えぐみ・香り、成分は昆虫からの防備手段。だが昆虫がいなくなるとそれらが失われる、ともいわれている。
【高価な理由】
・チョコレートの小さな恋人
蚊(ヌカカ)…カカオの畑に生息し受粉するが、カカオは他の木の花粉でしか受粉しないのに、ヌカカも輸送能力が低く最良の結果でも3か月のカカオ収穫量はキットカット1枚分くらいになる。
・ミツバチ移送大作戦
カリフォルニアは世界の8割のアーモンドを生産しているが、収穫時に奇怪で一気に実を落とし整然としすぎるのでハチが生息できなくなる問題が起きる。そのためアーモンド開花に合わせ巣箱でカリフォルニアに「ミツバチ移送作戦」をする。
・1杯のコーヒーのかげで
「単独性のハチ」…ミツバチよりコーヒーの木の受粉力が高いが、ミツバチの巣箱を置くようになり駆逐される問題がある
【おいしさの秘密】
・世界一贅沢なコーヒー
「ジャコウネコ」…コーヒーの実を食べ、糞から取り出した未消化のコーヒー豆が成分分解された風味豊かで高級なコーヒー豆になる
※ゾウにコーヒー豆を食べさせ出てきた糞の豆はレーズン風味になる
・赤いイチゴは昆虫のおかげ
イチゴなどの果物の受粉は人工より昆虫の受粉したほうが、色も赤く実も形も味もよくなる。
【禁忌】
・食料としての昆虫 ※注意 上記動画参照
昆虫は魚、鳥のエサとなり、ヒトはその魚と肉を食べる食物連鎖がある。また世界の人口1/4(アジア、アフリカ、南米)では昆虫食があり、聖書には「バッタ類は食べてもいいが他は不浄」と書かれている
・エコな健康食
コオロギ…牛肉に匹敵するタンパク質、粉末は牛乳よりカルシウムに富み、鉄はホウレンソウの2倍
バッタ、ミールワーム…家畜の12倍環境にやさしい“ミニ家畜”として持続可能な食糧生産の可能性があると言われる。ベジタリアン、ヴィーガンへの移行や食糧問題、ウシのメタンガスからの環境保護についての解決策になるかもしれない。
アメリカミズアブの幼虫…食品廃棄物を食べて成長した幼虫を家畜、犬猫のエサにする
・昆虫食は普及するか~抵抗感を和らげる方法
「おいしそうな加工食品に見せる」
「大量生産」
「昆虫の病原菌やアレルギー、昆虫消費の法整備をクリア」
手始めに「昆虫を飼料にしてごみ問題を解決」しつつ電気エネルギーなど消耗しすぎず養殖をする。環境を守る主旨を逸脱しないで行うのが重要だ。
・ムシとスシ
バッタ、コオロギ…“陸のエビ”として前向きなイメージを持たせる。英ウェールズのレストランは昆虫料理を「バグ(虫)バーガー」「クリケット(コオリギ)クッキー」とアピール。ノルウェーでは柔らかい触感の昆虫食を「ムシ」と呼ぶのは「スシ」「虫」にあやかっているためだ。
・昆虫食のパイオニア
ビンセント・M・ホールド…19世紀の昆虫学者「労働社階級は栄養源として昆虫に目を向けるべし」と『昆虫食はいかが?』を執筆。と熱心に説いた。だが普及はしなかった。
もう少し食欲をそそる食材を選び、モダンな調理法にすれば抵抗感は払しょくできるのではないか。国連などで討議されている。
※注意上記動画参照「国連(国際連合)の闇」
世界平和ではなく、加盟5か国だけに利得のある決議をする機関。また決められた決議に従わなくても罰則はない。
第6章 自然界の“掃除人” —— 死骸と糞の分解
閲覧注意
都市をふくむ地球上の環境を、昆虫はどう清潔に保っているか?ナラの巨木の観察から読み取る。
【循環する命】
・地球の掃除業者
菌類や昆虫…自然界の死んだ生き物を有機的に分解掃除する。有機物となった栄養素が土に還り、新しい植物にめぐる。
【掃除に欠かせない枯れ木】
・枯れ木の楽園
「湿気でダメージを受け朽ちた木」が昆虫が分解掃除できる場。
・昆虫は“ソムリエ”
昆虫は枯れ木を「種」「腐敗の程度」「サイズ」「周囲の環境」の条件で選ぶ
・菌と昆虫の共同作業
昆虫の体の内外に胞子や菌糸をかかえているため、それぞれの枯れ木の異なる菌類となる。菌が付かないと腐敗まで時間がかかる。
・靴の裏の小宇宙
森の土の中には想像を絶する生き物がひしめき、それらの活躍で土再生のリサイクルとなるが、風と水による「浸食」で毎年何十億トン単位で土が消失する。
【都会で環境リサイクルする昆虫】
・都会の大食漢
都市には意外とアリが多く住み、ヒトの食べ残しの残飯なども食べている。生態系として都市の緑の役割が大きい。
【早食い競争】
・死骸をめぐる競争~昆虫の都合のいいエサ
ハエ…幼虫を死骸に取りつかせ“早食い戦略”で早く蛹になる
モンシデムシ…小さな2匹の虫はチームワークで1匹の大きなネズミ体を地中に引き込み、産卵“保育室”にする。
【薬物中毒】
・ハゲワシの悲劇
ハゲワシ…インドで牛に関節炎薬「ジクロフェナク」を投与した牛の死骸を食べたハゲワシが15年で99%死に絶えた。ハゲワシの減少でかわりの野犬が激増し、狂犬病のキャリアだったため、4万8千人の人が感染し死亡した。
【死体は語る】
・殺人事件の捜査に協力
死骸に取りついた生物が「いつ、どんな生物が死骸にたかるか」で事件解決に至るケースもある。※注意
死体の周りに集まる虫達は、病医学者よりも正確に「いつ死んだのか」「どこで死んだのか」を示してくれる。海外では裁判で重要な証拠としても活躍する
※法医昆虫学
【うんこ大好き】
・糞虫の仕事ぶり
ノサシバエ…大型哺乳類の糞には栄養素、微生物、細菌、寄生虫などの「バイオマス(動植物から生まれる再生可能な有機物)」も生息しているのですぐに産卵しに行く
・棲むか、掘るか、転がすか~糞虫3タイプ
「ドウェラー(居住)型」…餌の中に棲み、食べ産卵する。ライバルの卵もあると“家”を食べつくし全員餓死のリスク
「トネラー(トンネル掘削)型」…糞の下などに通路を掘り奥まで運び保育室にする“食糧庫付き別宅”
「ローラー(転がし)型」…糞のかけらを団子に丸め、転がしていく
・自分の糞も利用する
ハムシの幼虫…糞でかつらをつくり幼虫を敵から守る
カメノコハムシ…屋根もどきを作り、敵を脅かす
ツツハムシ…美しい筒を作り産卵する。孵化した幼虫は筒ごと移動し成虫にな手から出る
・ナマケモノという生態系
ミユビナマケモノ…地上に降りると死のリスクが高いが、糞の中にガが寄生しそのガがナマケモノの毛の中に育つ緑色の藻の栄養素となる。その藻がナマケモノの栄養とカモフラージュ効果となる共存関係のためだ。
・糞虫プロジェクト
オーストラリアにヨーロッパから植民地化のために牛を連れてきたが、それが脱走し数年後大群化し、孤島だったためその糞を分解する糞虫もおらず、土壌が草も生えない固い層となりハエも急増した。海外の糞虫170万匹を投入し牛の糞問題が解決した。
・糞虫をどう守るか~糞虫の15%が絶滅の危機
農業の変化…牛の抗寄生虫薬の成分が糞に混ざり甲虫に害を及ぼす
・多様性の砦を失わないために
ナラの減少…「生物多様性の砦」と言われる樹皮の荒いナラが生える土地が減少や無計画な伐採によるもの
第7章 産業を支える昆虫たち —— ヒトによる昆虫利用
蜂蜜から抗生物質まで、ヒトの暮らしに必要なものを、昆虫はどうもたらしているか
【昆虫と美】
・イーカロスの翼を固めた材料は
ミツバチの蜜蝋…腹の腺から分泌される物質。幼虫用の蜜壺、蜂蜜の貯蔵室に使われる。ギリシャ神話のイカロスの翼は蜜蝋でつくり、太陽光で溶けて墜落した。現代はロウソク、化粧品でも使用される。
・流出した絹の秘密
カイコガ…繭からとる絹の養蚕は中国で数千年の歴史があり、貿易の収益が高いため生産方法を国外持ち出し禁止にしていた。
・絹糸を出す昆虫たち~「絹糸虫」
クサカゲロウ…敵のアリに卵が取れないように、卵を細い糸の先にぶらさげる
トビゲラ(幼虫)…川に獲物しかけ用の網を作る
キノコバエ(幼虫)…網を作ってキノコの胞子や、小さな昆虫をとらえる
オドリバエ(雄)…肉食の雌のために獲物を捕らえる網を作り“求婚プレゼント”にする
【産業化】
・ヒトはクモの糸をつくれるか
クモの糸…耐荷重は鋼鉄の6倍だが軽くしなやかで、飛んでくるものを柔らかくとらえる。クモ1匹から100mの糸を採取できるが、共食いするため大量生産はむずかしく、マダガスカルのジョロウグモの糸でできた金色のドレスは、制作4年かかり、研究開発中だ。
・傑作を記した虫こぶインク
タマバチ…植物に卵を産み付けると化学物質の1種を分泌し、その部分を変化させて“家”兼“食料貯蔵庫”の虫こぶを作る。ナラの木にできた虫こぶの内部には担任さんが豊富でこれを利用し「没食子インク」が作られる。
※浸透性が高く防水と耐久性のあるインクとなり歴史上の芸術家の作品に使われている
・鮮やかな赤も虫おかげ
コチニールカイガラムシ…赤の原料として真っ赤な生態を乾燥させすりつぶし赤色素を取る。現在はほぼペルー産で食品添加物として赤い食品、化粧品につかわれている
・つやつやの正体は?
ラックカイガラムシ(幼虫)…「シュラック」※注意 という樹脂に似た物質を採取し、光沢と防水性ノアルニスがつくられ、家具、木工芸術品、レコード盤に多く使われたが、アメリカが爆発部や防弾の防水材に使いたいため苦い顔をした。
※注意 艶出しされている食品のすべてが「シュラック」の使用ではないので要注意
参照 Apeerマークは買わないよ
Apeer…ビル・ゲイツが設立の会社。野菜や果物の艶出しにジグリセリドを使用。この添加物は、人工的なトランス脂肪を含む油加工の副産物であり、冠状動脈性心臓病を引き起こすことが知られており、年間5万件の致命的な心臓発作につながる危険な食品成分。ビル・ゲイツが有機農産物を危険な化学物質でコーティングしている
・シュラック誕生の過程
シュラックはカイガラムシの幼虫の排泄物で、それを枝からかき落とし不純物除去しアルコールに溶かした状態にする
※現在インドで大半が生産され、零細の農家や収入のない3,400万人が飼育している。またこの虫の保護のため周辺で農薬使用がほぼゼロになる。
・ゼリービーンズからマニキュアまで
シュラックはかんきつ類、リンゴ、メロン、洋ナシ、モモ、パイナップル、ザクロ、マンゴー、アボカド、パパイヤ、ナッツ類にお化粧と日持ち効果として塗布される。
美容業界では、ヘアスプレー、マニュキュア、マスカラの接着成分。医療界では庁に到達するまで解けない「遅延放出性の薬」に塗布される。
第8章 昆虫が与えてくれるもの —— バイオミミクリー、医学、セラピー
昆虫の習性や能力を活かし、最新の研究や工夫がおこなわれている。
【最高峰の機能性をまねたい】
・ヒトが昆虫を真似る~「バイオミクリー(生物模倣)」
自然界の仕組みや機能をモデルにデザインや設計すること
トンボ…ドローン技術
甲虫…腹の湿度センサーから米軍の熱源感知センサーの開発研究
モルフォチョウ…鮮やかな青の発色の仕組みの理解で、ソーラーパネル、スマホの画面過料、布地、絵の具、化粧品に応用可能かも
・カネのにおいがする!
カミキリムシ…湿度変化で色を変える。中国でこの仕組みを模倣したインクを開発し偽造紙幣防止の開発を目指すている。
・シロアリに学ぶエコな建築
キノコシロアリ…高さ数メートルのアリ塚を築く社会性昆虫で、外気温が高くても内部は快適な温度管理ができるよう、昼と夜の気温差を利用し、暖気と冷気を循環させるシステムになっている。ヒトの肺のように酸素を含む冷気を引き込み、二酸化炭素を含む暖気を排出する。
※ジンバブエ首都ハラレの「イーストゲートセンター」はアリ塚の「受動的冷房」の原理を利用し、空調消費エネルギーは他と比べ10%ほどで済む。
【研究に欠かせない昆虫】
・ノーベル賞とショウジョウバエ
ショウジョウバエ…世界中に分布し、研究コストも安く有用で、ノーベル賞受賞者にはその貢献なしでありえない
【昆虫と医学】
・ハエもやけ酒を飲む~「ショウジョウバエのアルコール依存症」
ショウジョウバエからアルコール依存症、がん、パーキンソン症、不眠、時差ボケなど生理学や医学研究にも貢献している
・アリさん印の抗生物質
ハキリアリ…アリは巣で菌の農耕をするため、菌類への感染リスク対策に体内から抗生物質を出す機能がある。分泌するセルヴァミシンはカンジタ症に有効だ。
・幼虫を使った治療法
ヒロズキンバエのウジ…無菌状態のウジは抗生物質に似た物質と、傷口のPH値を変化させる物質を分泌し細菌の繁殖を抑えつつ、傷つき死んだ組織を食べていく治療法がある。
※注意 閲覧注意!うじ虫グロい!マゴットセラピー(Maggot therapy)
・「ウジ園」を建てた男
クロバエ…1900年代前半「マゴットキング(ウジの王)」と呼ばれたイギリス人が結核患者の治療にウジから出るガスを吸引する治療を推進していた。確率はし長かったが、現代でもそのガスは結核菌に類似した金の成長抑制効果があると言う説もある。
【昆虫とメンタル】
・コオロギセラピー
コオロギ…韓国で高齢者のメンタルケアにコオロギの世話をさせ、鬱の緩和が見られた。
・虫を愛づる人々~「バイオフィリア」
ヒト…自然やほかの生き物と深くつながりたい本能的欲求のことで、「生命あるものへの愛」の意味。昆虫の飼育や観察、自然との中での活動がメンタルを整える。ヘビやクモが嫌われるのはヒトの進化の過程で被害にあったことからと言われている。
・虫と触れあう機会を
子ども…子どもが虫とル触れ合うのは人生に意味ある大切な瞬間。
・ゴキブリは救いの神?~「核戦争後に生き残るのはゴキブリだけ」
ゴキブリ…放射能に強く、耐久性、頑健さ、運動神経は有用で災害現場の倒壊した現場でゴキをコントロールできる超小型電子機器をつけ、ヒト探索の人命救助に役立てようとの研究がある。
【昆虫とエコ】
・餌はプラスチック
ミールワーム…体内の微生物がポリエチレンを消化するので食べることができる
ハチノスツヅリガ…蜜蝋を食べるが、プラスチックがその化学構造が似ているので消化分解できる。
【アンチエイジング】
・生涯を逆回しする昆虫
カツオブシムシ(幼虫)…5か月餌なしで放置し忘れ、見つけた時は若返っていた。またそのまま絶食状態で5年放置すると幼虫期の後期から最初期へ“生涯を逆行”し生き延び、エサを与えると幼虫から成虫へ通常の成長を始めた。だが何度も成長スイッチの切り替えを経験した幼虫は生理面でのダメージが見られた。
・ミツバチの“若返りの水”
ミツバチ…巣の中の働きバチは老化速度をコントロールできる。老化抑制は特殊なタンパク質と判明はしているのでヒトに応用できれば、加齢による認知症治療に活用できるかもしれない
・水で戻せば生き返る?
ネムリユスリカ…体内の97%の脱水すると“乾燥休眠モード”になり高温、液体窒素、アルコール漬け、宇宙線にさらしても影響がない。また水をかけると1時間で復活する。体内の水分の「トレハロース(糖分)」濃度を20%まで増やし、体の機能を保護できるからだ。モードをきりかえられる謎が解明出来たら、ヒトにも応用でき宇宙旅行のカギを握る技術になるかもしれない。
※微生物、菌類、カイチュウ、クマムシなど暖歩動物、トビムシなども仕組みは異なるが“生きる屍”になることができる
・機械じかけのハチ~ロボットバチ
日本のある研究室でロボットバチ「受粉ドローン」を加発している。温室栽培農家はミツバチの減少で外来種を使用するが温室から逃げるため環境の影響がある。ただし受粉の生産性が高いのは異なる他種の昆虫が仕事した時で、代替え手段より精緻かつ巧みで簡単で安価だ。
※ヒトは「役に立つか邪魔か」の視点で生き物を区別してきたが、自然界がすべて精妙に構築されている。また人の世界のさまざまな問題への新しい解決策も見つかるはずだ。
第9章 昆虫とヒトの未来 —— 環境と多様性を守るために
昆虫が直面している危機をとりあげつつ、その暮らしを守るためにヒトに何ができるのかを考える。
植物の受粉、有機物の分解と土の再生。ヒトはその多くを昆虫に依存している。
この100年ほどの間に、地球の生態系は急激な変化を遂げた
農業の化学物質は昆虫へのダメージ→ヒトへのダメージとなる。その生態系の根を支える昆虫が失われると連鎖的影響がおよび大変な事態におちいるだろう。※注意 下記参照
・世界が1枚のハンモックなら~昆虫の1/4が絶滅の危機
昆虫が減少する理由→土地開発、農業林業の拡大、殺虫剤使用、気候変化など。…その悪影響がどれぐらいの被害になるか正確に予想できないが、ヒトも生き延びるのがむずかしいかもしれない。
・何が昆虫をおびやかしているのか?
1,土地の開発→生息地の減少
2,気候の変化→温暖かつ湿潤、異常気象、災害も増えている
3,農薬の使用→農薬の使用や遺伝子操作にともなう問題も大きい。
4,外来種の導入→外来種を排除するのは手段として正しいのか?説もある
・危険なカエルのキス
モウドクフキャガエル…「バトラコトキシン」という強力な神経毒を持つが、製薬会社がコレを「効果の高い鎮痛剤」と難病の治療法解明ツールの期待がよせられたが、これはカエルのエサとなるジョウカイモドキ科甲虫を食べた時だけ出るモノだった。
残念ながらこのカエルは中南米の生息地減少で絶滅危惧種となり、他世界中のカエルやイモリ1/3も絶滅寸前状態である。
※上記動画参照 毒のない「世界最強の猛毒を持つカエル モウドクフキヤガエル」
【昆虫の守り方】
・棲みかを守る
生物由来の薬成分を見つける機会を維持するには、それらの種の生息地の多様性も守るだ。昆虫は多様性の中で力を発揮できるためだ。ヨーロッパ諸国は最近、一定数の倒木を維持するようになったがじゅうぶんでない。
・多様な環境、多様な昆虫~自然保護は簡単に効果を上げられる
都市→川沿い、道路沿いに灌木、花壇設置、緑地の周りに花を植える
農地→真ん中の土地をわざと手つかずにしナラの古木を残すなどすると昆虫を呼び寄せ、受粉に貢献する
※昆虫による受粉の媒介は“保険”がかけられ、他種の昆虫が活動し機能しており、そのほうが質がよく数の多い実が付く
【昆虫経済効果】
・おカネに換算してみると…
昆虫の貢献による系座的価値は、「受粉」は世界で5770億ドル「有機物の分解と土の再生」はその4倍と言われる
※2023年5月 アメリカ合衆国ドル 1ドル=137.96 円
・夜も明るい街で~「光害」
夜間の人工的な光は「光害」として生態系に悪影響がある
ガ…光に集まるガは光源で焼け死ぬ
トンボ…街灯の下に車がいるとその輝きと水面を勘違いして産卵する
※だが「都会のガ」は人工の光に耐性ができ、近づかないように進化してきている。その一方で行動範囲が狭くなる懸念があり、受粉の機会が減少するのでやはり人口の光はよろしくない。
【昆虫減少の理由】
・気候変動が昆虫にもたらすもの
気候変動により鳥の「産卵」と「エサとなる昆虫の繁殖」のタイミングのズレが生じ、花の開花タイミングもズレ、生態系の連鎖に影響を及ぼし、地球全体の生態系が破壊的な影響を被るだろう。
・均質化する世界~「生態的均質化」
「温暖化」と「湿潤化」が進んだ場合の影響を分析すると「希少で得意な種」は減少し、「ありふれた種」は増加する。
・農業と遺伝子操作
ハチ…「ネオニコチノイド」農薬は八チ減少の理由の1つ ※注意
※注意 下記参照
カ…遺伝子操作でカを繁殖不能にし、マラリア感染抑制をする
※遺伝子操作の影響が生体系にドミノ式に影響を及ぼさないか懸念されている。
・外来種と在来種、そのバランス
セイヨウオオマルハナバチ…南米に持ち込まれると在来種インカマルハナバチを駆逐しそうになっている。ニュージーランドは在来種保護のため外来種の駆除計画を始動させた
・絶海の孤島、ロードハウ島の災難
この島に蒸気船が座礁し、船内のクマネズミが外来種として上陸し、島の希少種5種の鳥と13種の小動物を絶滅に追いやった。
・生きていたロードナナフシ
絶滅させられたと思われた巨大ナナフシが20キロ沖合「ボールズピラミッド島」で発見され「絶滅」以前になんらかの手段で脱出し生存していたのが発見された。
・毒餌による駆除の不安
ロードナナフシの繁殖計画が始まったが、ボールズ島の残りの個体をロード島に戻すべきか?問題が浮上。過酷な環境のボールズ島。ロード島にはクマネズミ残存している。
そのため毒入りシリアルでクマネズミ駆除計画が検討されたが、島の遺伝子的多様性への影響は避けられない。また島民から「そこまで保護しなくてはいけないのか?」との声もある。
※注意 本年の高校生読書感想文指定図書『タガヤセ!日本 「農水省の白石さん」が農業の魅力教えます』では「農水省で使用する農薬、使用法、基準法律を定めています」と農薬使用を肯定していて賛否両論。
双方の意見の精査は個々人の判断になります。
【適応できるものが生き残る】
・新しい環境、新しい種~自然環境の打たれ強さ
チカイエカ…ロンドン地下鉄トンネルにいる特殊遺伝子の種。路線や駅ごとにDNAが多少異なった進化のスピードの速い種となった。
・昆虫とヒトの未来のために
昆虫に変化が起きると、それまで進化の過程で協力関係にあったものが消失する。
昆虫を保護するのは、将来のヒトと地球に対する一種の“生命保険”といえるのではないだろうか。人間の道徳的義務は昆虫という仲間がささやかに満ち足りた生涯を送れるようにすることではないだろうか。
おわりに
ヒトと昆虫は長い歴史を分かち合ってきたが「昆虫学の大家エドワード・O・ウィルソン曰く「人間は無脊椎動物を必要とするが、向こうは人間を必要としない。…だが無脊椎動物がいなくなると、人間は数カ月生きるのが精いっぱいのはずだ」
ヒトに出来ることは
・子どもを昆虫好きにする
・受粉する昆虫に居心地の良い庭にする
・土地や農業にまつわる法律制定、予算を昆虫視点を取り入れる
・昆虫を愛で、ヒトの暮らしに貢献してくれることに感謝する
あるカナダの昆虫学者曰く
「世界はささやかな規制気に満ちているが、それらを発見する優れた目の持ち主は少ない」
『昆虫の惑星』読書感想文の書き方(Chat GPT)とこたえ
・高校生の部 本文 2000字以内
(作文用紙400字×5枚)
字数が足りない場合は、以下のサイトの「文字数が足らない場合の対策」の部分が大変参考になります。
⇒ 読書感想文の書き方 構成とコツ【中学生・高校生】コピペOK
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○ 応募規定にあっているか
○ 発達段階に応じた適切な本を選んでいるか
○ 読書のよろこび、楽しみが感じとれるか
○ 広い視野から作品を評価しているか
○ 登場人物の心情や、作品の語っているものを的確にとらえているか
○ 著者の論旨を的確にとらえているか
○ 事実と著者の意見とを区別してとらえているか
○ 自分の意見・感想を率直に述べているか
○ 自分のことばで表現しているか
○ 発達段階に応じた考え方が表現されているか
○ 規定の文字数を十分に生かし、自己の思いを表現しているか
○ 読書によって得た自己の変革がみられるか
○ 規定の文字数を十分に生かし、自己の思いを表現しているか
あらすじは簡単でもいいですが
・自分がどう感じたか?
・本を読んで何を感じ、今後にどう生かすか?
・「似たような経験」の自己開示 → 高得点ポイントです
Chat GPTでの読書感想文の書き方
Chat GPTで適切な回答を得ようとするには「AIがわかりやすい質問」をしなければいけません。
本書の場合、内容に対しての「より良い納得」を書き記すことが正解と思われますので、優等生な答えをするChat GPTは適切な回答をしてきそうです。
が、Chat GPTへの質問を考えるより本書の場合、自分で高校生的な美辞麗句を書いたほうが早そうな文献に思えますので、Chat GPTを使っての読書感想文製作は時間がある方向けとも思われます。
『昆虫の惑星』作者からのヒントとこたえ
TEDx トークスピーク内容
「昆虫は特別です。そしてそれらはあなたの命を救うかもしれません 」
・昆虫は驚異的であり、その活動で人類の食物連鎖において重要な役割を果たしている
・恐竜が生まれるより以前の太古から昆虫は生態系を維持するために24時間365日精力的に取り組んでいます
・昆虫の劇的な減少は、あらゆるバイオマスと多様性、地域、生態系に影響し、科学者で作家であっても、一人の母親とし理解する必要がある問題です
・昆虫は地球上でもっとも多い生命だが、昆虫の種が減るごとにハンモック生地を1本ずつ引き抜くような危うさがあり、最終的には私たちの福祉、そしてそれに伴う幸福も危うくなります。
・私の願いはより多くの人が、この惑星を共有する奇妙で素晴らしい昆虫の世界を学び、昆虫の小さな命への感謝を学ぶことです。
目標2.「飢餓をゼロに」
目標8. 「働きがいも経済成長も」→2025年には世界市場が1000億円になると見込まれる政府Sdgs計画案
目標13.「気候変動に具体的な対策を」
各章のポイント
・第1章→昆虫の高性能な体の仕組み
・第2章→繁殖が生涯最大の目的で最適な手段を選ぶ
・第3章→子孫繫栄のために無感情冷酷無比な「食うか食われるか」の世界
・第4章→昆虫と植物の「相利共生」「共進化」の共存で地球も救われている
・第5章→昆虫は食として有効か?
・第6章→昆虫は大地の母であり、掃除人として不可欠
・第7章→昆虫産業(繊維、化粧、医療、食品)の恩恵
・第8章→ヒトが昆虫を真似る「バイオミクリー(生物模倣)」の可能性
・第9章→昆虫の滅亡は世界と人類の滅亡へつながる脅威を感じよう
「地球の未来のため」を掲げるSDGsは正しい以外にありえないのだが、その「“正しい以外にありえない”が振りかざされすぎ」と感じた人たちが、「同調圧力に耐えられない」や「うさんくさい」といった声を発表し始めている。SDGsは、すべての批判をかわしうる無敵の盾ではなくなってきていたのであった。・・・コオロギへの理解を深めるという意味においてこの炎上は有意義であった。人類史では未知であったコオロギ食が、SDGs的だからといってほぼ思考停止のまま持ち上げられるのではなく、今まさにようやく、本当の意味で人類によって試され始めたのである。
参照 コオロギ食が炎上!SDGsゴリ押しを跳ね返す「拒否感」と向き合う正念場
国民に目に見えて求められている「コオロギ食」で環境を救えるか?は
まちがいなく利権者がいることなので甚だ疑問を感じます。
ですが「人間が昆虫から受けている恩恵」と「昆虫が減少している事実」は
認識し、個々人がどう昆虫減少にストップをかけられるか?
日本人だけでなく、地球に住む全人間の課題として
自分なりのアイデアや意見を書いてみましょう!
うんちく・読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
去年の受賞作と感想文をチェック!!
読書感想文の入賞作は審査員の合格基準に達した書き方をしています。一言で言うと「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」です。参考になる入賞作は大いに参考になります。昨年の入賞作2点を参考に、書き方のコツを学びましょう。
内閣総理大臣賞 <高等学校の部>
◆小倉優花 茨城県立竹園高3年
「クジラの骨と僕らの未来」(理論社)
文部科学大臣賞 <高等学校の部>
◆吉久萌花 香川県立丸亀高2年
「同志少女よ、敵を撃て」(早川書房)
●読書感想文の本は「自分の好みのテーマ」で選ぶ
●読書感想文の書き方は好きな本ほど書きやすい
誰かに読んだ本の面白さや感想を伝える気持ちなら読書感想文は書けます。
●入賞している人の書き方を参考に勉強する
同学年でもおどろくほど大人っぽい感想文を書いている人もいます。そこまでできなくても、冒頭の書きだしや感想文の話の流れのスムーズさ、物語の捉え方や意見のまとめ方など文章の組み立て方を参考にしましょう。