【かべのむこうになにがある?/あらすじ・ネタバレ】読書感想文の書き方のコツ・ポイント

こちらでは
2019年の「第65回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校高学年の部(5,6年生)の課題図書
『かべのむこうになにがある?』(絵本)の「あらすじ・ネタバレ」と読書感想文の書き方のコツ・ポイントをご紹介いたします。


「かべのむこうになにがある?」(BL出版)
著者:ブリッタ・テッケントラップ・作 風木一人・訳
本体価格:1,600円
ISBN978-4-7764-0816-1

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『かべのむこうになにがある?』あらすじ・ネタバレと感想・こんな子にオススメ 
『かべのむこうになにがある?』読書感想文の書き方のポイント

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Sponsored Link

『かべのむこうになにがある?』あらすじ・ネタバレと感想・こんな子にオススメ

【出版社内容情報】
大きな赤いかべがありました。いつからなのか、どうしてなのかだれもしりません。ちいさいねずみはおもいました。「かべのむこうになにがあるんだろう?」ねずみはかべのむこうが 知りたくて鳥にたずねると…。
ねこやきつねやくまは、「かべはあたしたちを守ってくれるのよ。外にはこわいものがいっぱいあるから」とか、「むずかしいことを考えるのはやめろよ。そうすりゃハッピーになれる」とか、いろいろなことを言います。
くたびれたライオンは「かべのむこうになんて、なにもない。闇だ。はてしない闇だ」とまで言います。
でもある日、飛んできた空色の鳥といっしょに、壁をとびこえたねずみは……。

もしかしたら「かべ」があることにさえ気づかずに暮らしているかもしれない私たち。
「かべのむこう」を知りたいと願う、ねずみの勇気と、希望を感じる結末が、心に小さな火を点します。
大人でも子どもでも、手元に置いておいて、ときどき読み返したい絵本です。

読みやすさ ★★★★★
感想文の書きやすさ ★★☆☆☆

こんな子におすすめ
・臆病、怖がりな子
・見て見ぬフリ、無関心でいる子
・楽しければ良いので、嫌な事に関わらないようにする子
・くたびれて悲観的に考えてしまう子 など

【作者のねらい】
「ほんとうのものを みる ゆうきが あれば かべは きえる。ぜんぶ きえたあとには きっと すばらしいせかいが あるはずだよ」と青い鳥がネズミに教えてくれます。
この物語の中の壁とは、心の壁のことです。
自分で乗り越えるべき壁のことです。
自分の中にある壁についてどう思うかの感想文を求めていると思われます。

【かべのむこうになにがある】~あらすじ・ネタバレ~

~大人から見た感想と解説~
この本は小学校5,6年生の課題図書ですが絵本です。
「簡単に読めそう」とこの本を選んだ人は、感想文を書くにあたって自分と向き合う事になってしまいます。
なぜならば、この本の中の「かべ」とは自分が乗り越えなければならない「かべ」の事で、イヤだからやらずに避けていたり、無視したり、言い訳したりして問題を先延ばしにしている事を告白しなければいけないからです。
その中には「もしかしたら「かべ」があることにさえ気づかずに暮らしているかもしれない私たち。」という評論家の感想もあります。

【レビュー投稿された一例】

年老いたライオンも壁を抜けて、ねずみたちみんなと一緒に♪
ぴょーん爺さん 60代 じいじ・ばあば 愛知県
好奇心旺盛なねずみのように、「壁の向こうには何がある?」と、思うより、現状に満足するほうだし、くまのように、「なにかを不思議がるには、年をとりすぎた」。ライオンのように、「壁のむこうになんてなにもない。闇だ。果てしない闇だ。」私に当てはまるのは、怖がりのねこように、「壁があれば、誰も入ってこられないでしょ。あたしたちを守ってくれてるのよ」が、一番頷ける答えのきがしました。”本当のものは、みる勇気があれば、壁は消える。全部消えたあとには、きっと素晴らしい世界があるはずだよ。”年齢には関係ないなあと思いました。年老いたライオンも壁を抜けて、ねずみたちみんなと一緒になれたのが私には一番よかったです♪
————————————————————
わたしはしりたい!みてみたい!
ぐるさん 40代 その他の方 愛媛県
ずっと昔からある、高い壁。
この中にいれば安全だということも知っているし、深く考えなければハッピーなままでいられることも知っている。

でも、外の世界を見たい。知りたい。
何がこの小さなねずみを突き動かすのだろう。

付和雷同していては、大切なものを見失う。
自分の気持ちにウソをついて生きていくことになる。
知りたい気持ちを諦めずにいたねずみは、真実を見つけることができたのだ。

対照的な年老いたらいおんは、なぜ最後まで壁を越えなかったのだろう。
推測なのだけど、もしかしたら、若いころに壁を越えようと散々チャレンジして、諦めてしまった過去があるのかもしれない。

大人が読むと、今の世の中を象徴しているかのようで心が痛い。
見ないふりしてないか、諦めてしまってないか。
私たちの世界に立ちふさがる壁も、越えることができるのかな。

表紙カバーの下に、答えがあるような気がします。
ブリッタ・テッケントラップの美しい絵が、希望を与えてくれます。

その他の「かべのむこうになにがある」 みんなの声

レビューを投稿しているのは絵本の好きな大人なのですが、共通しているのは「日常生活の中でのチャレンジしなかった事」を想像して感想を書いています。この絵本で感想文を書く目的は「自分の心について」考えることです。

読書感想文の書いていく内容としては・・・
・物語の「かべ」は何のこと?
・自分の中にある「かべ」とは何?
・自分が「かべ」を越えられないのはどういう理由からだろう?
ネコ→臆病、怖がりな子
くま→見て見ぬフリ、無関心なまま年取った
キツネ→楽しければ良いので、嫌な事は見ない知ろうとしない
ライオン→悲観的に考えたまま年老いた
・「かべ」を乗り越えたらあなたが見てみたい景色はなに?
などでしょう。

またプラスして書くなら
・壁を乗り越えないとどうなってしまうと思うか?
・生きていればたくさんの壁にであうものさ?とはどういう意味か?
・壁を乗り越えられない動物(ネコ・クマ・キツネ・ライオン)はどうしてなのか?

と、言う問題を書いて自分なりの答えを書くのも良いでしょう。

大人的にじっくり考えると、最後まで壁を越えなかったライオンは絵本の中ではくたびれている他に、なんとなく薄汚れています。もしそれが戦い疲れて「世界は闇だ」と思うほど傷ついていたのだとしたら?
ネコが臆病なのは誰かにいじめられて怖くなったのだとしたら?
クマが年老いて世捨て人のようだとしたら?
キツネが世の中の嫌な真実を知り過ぎて、世界に幻滅しているのだとしたら?
傷ついて自分の殻に閉じこもり「ひきこもり」「ニート」と呼ばれる人がいます。
「勇気を出せ」だけで彼らは外に出てきてくれるでしょうか?
ネズミは何と言って彼らを壁の外に出したのでしょうか?

最終的には「僕・私は勇気を出してかべを乗り越えます」という言葉でくくるのが、ぶなんなこの本の感想文の書き方になります。もう一つは「壁を乗り越えられない理由」が何にあるのか?「どうしたら壁を超える気持ちになれるのか?」にも注目すると深い感想文が書けると思います。

Sponsored Link

『かべのむこうになにがある?』読書感想文の書き方のポイントとその他オススメ本

読書感想文・用紙と字数のルール その他の詳細
原稿用紙を使用し、縦書きで自筆してください。原稿用紙の大きさ、字詰に規定はありません。
文字数については下記のとおりです。
小学校高学年の部(5,6年生)本文1,200字以内 
※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

  
  
2019年第65回 青少年読書感想文全国コンクール
~小学校高学年の全課題図書~


【ぼくとニケ/あらすじ・ネタバレ】読書感想文の書き方のコツ・ポイント
(講談社)
著者:片川優子・著
本体価格:1,400円
ISBN978-4-06-513512-9
 


【マンザナの風にのせて/あらすじ・ネタバレ】読書感想文書き方のコツ・ポイント
(文研出版)
著者:ロイス・セパバーン・作 若林千鶴・訳 ひだかのり子・絵
本体価格:1,500円
ISBN978-4-580-82335-8


「もうひとつの屋久島から:世界遺産の森が伝えたいこと」(フレーベル館)
著者:武田剛・著
本体価格:1,500円
ISBN978-4-577-04625-8

読書感想文の裏ワザ

前年の課題図書はすでに感想文を書いている人がいるので、どうしても苦手な人は参考にすることができると言う裏ワザがあります。

【読書感想文2018課題図書】小学校5,6年高学年の簡単に書ける本


 
ちなみに2018年の課題図書は以下の通り
「奮闘するたすく」…文章のテンポが良いので読みやすさはNO.1
「こんぴら狗」…感動本、勢いで読書感想文が書きやすいNO.1
「ぼくとベルさん:友だちは発明王」…自分を変える勇気をもらえるかも? 
「クニマスは生きていた!」…魚好きにはおすすめ

「かべのむこうになにがある」と同じようなテーマを扱っているのは「ぼくとベルさん:友だちは発明王」です。ベルさん…は222ページもあってまともに読まなければならない本ですが、去年の課題図書ですので過去の感想文を参考にすることができます。正直そんなにおもしろいとは思わなかったのですが、文字数がある本の方が読書感想文のヒントは文中に隠されているのでこちらの方が楽と感じる人もいるかもしれません。

関連記事と広告


関連記事


サブコンテンツ