『5番レーン』読書感想文あらすじネタバレ・感想文書き方(Chat GPT・答え)
ウン・ソホル / 作 ノ・インギョン/ 絵 すんみ/ 訳
鈴木出版 1,760円 (税込み) 254ページ
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内容紹介
常勝を誇る小6女子カン・ナルは、水泳部のエース。でも、最近はライバルに負け続け、悩んでいた。ライバルの不正を疑ったことから引き起こしてしまった事件をきっかけに、大きく成長する姿を描く、瑞々しくさわやかな青春ストーリー。
第21回文学トンネ児童文学賞大賞受賞。
こちらでは
2023年の「第69回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校高学年の部(5,6年生)の課題図書『5番レーン』の「あらすじ・ネタバレ」と読書感想文の書き方のコツ・ポイントをご紹介いたします。
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『5番レーン』あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ
『5番レーン』読書感想文のこたえと書き方・大ヒント
読書感想文をChatGPTで書いたらバレる?感想文での使い方とは?
うんちく・読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
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『5番レーン』あらすじ・ネタバレ・こんな子にオススメ
『5番レーン』おすすめ度
読みやすさ ★★☆☆☆
感想文の書きやすさ ★★☆☆☆
【みどころ】
小学校水泳部エース、カン・ナルの、大会に向けた熱き日々。勝つことが全てだと思っていたナルは、急にタイムを上げてきた他校生に負けてしまい苦しむ。ライバルへの対抗心や焦り、初恋にゆれる韓国発青春ストーリー。
~感想~
・外国作品なので翻訳の表現が、大事なところがわかりにくい
・恋愛要素が必要だったのか?疑問
こんな子にオススメ
・習い事をしている
・かなえたい夢・目標がある
・韓流ドラマ好き
・失敗したトラウマがある
・友達との関係に悩みがある
・ライバルがいる
『5番レーン』ネタバレ
【スタート】
水泳部エース、カン・ナルはライバル、キム・チョヒに負け落ち込んでいた。となりの席の転校生チョン・テヤンは「水泳部なの?」と聞かれてもナルは相手にしない。
今日は反省会。幼なじみで部長・スンナムがくれた試合動画のキム・チョヒの水着は妙に光り、怪しさを感じたがコーチはナルに「自分との戦い」を強いるばかり。ガマンできず「チョヒの水着」の事を切り出すとスンナムが「話に無理がある」と言い合いになった。
テヤンは親を説き伏せて水泳エリートのトレーニングできるこの小学校を選び、入部希望して来た。だが6年からの入部は異例。でも五輪も夢見るほどのナルがとなりで入部条件の「校内水泳大会でのタイム次第」にもがぜんやる気がでた。
一方、コーチは「水着は承認品」と調べて、ナルに「勝ち負けだけが水泳じゃない…どう負けるかが、どう勝つかより大切」「どうして水泳をやっているのか」と問う。
ナルは「勝つため」にどんなに苦しくても休まないし、とにかくやる。なのに一緒に始めた姉・ボドゥルはスポーツ専門中学からのび悩んで飛込みに転向し、スンナムと試合を見に来るよう強要までするのに大失敗し4位に。みじめな姉を見たくなく会場を出てスンナムがティシュをくれて泣いたのに、姉はケロっと「逃げるのは悪いクセだよ」「今日はやりぬいた」とキラキラしている・・・ロールモデルの姉は消え、コーチの言葉も理解できない。
ロッカーの上から落ちてきたテヤンの課題には「科学と水泳が好き」とどっちつかずにイラついたのに、校内水泳大会の直前テヤンから「ぼくも応援してよ」ほほ笑まれドキっとし、彼は優勝して入部入りが決まった。スンナムから「おまえもテヤンがイケメンだと思う?」と聞かれタピオカがのどにつまった。
【ターン】
テヤンは水泳部に「彼らにしか見えない世界」があると知り、特にナルはかがやいて見えた。
宿題で1か月間ナル、スンナム、テヤンで落ち合うことになったある日、ナルは「2人は中学に行っても水泳は続けるか?」聞いた。
スンナムは「実力的には五分五分の気持ち」と言い、逆に「ナルは体育中学に行くか?」の問いに顔色が曇ったのでスンナムは場を外した。
テヤンとナルで「そもそもなんで水泳をするのか?」の話になり、始まりは人魚姫のように泳ぐポドゥル姉さんだったのに、今の受け入れがたいの思いを聞いた・・・テヤンは「お姉さんにも簡単じゃなかったはず」そして家に着くころに携帯に「僕と一緒に韓国代表をやろう」にナルは噴き出した。
キム・チョヒに負けた大統領杯全国水泳大会に向け、スンナム、セチャン、ドンヒ、テヤンはメドレーリレーにチャレンジし、ナルも雪辱を果たすべく力強く泳ぐ。その姿にテヤンは「ナルは人魚姫よりイルカが似合うよ、僕はイルカが好き」と言いナルを赤面させる。その言葉からプロフ写真をイルカに変えたら、すぐ「練習後遊びに行きたいて言ったでしょ?」と土曜日デートに誘われた。
翌日にはナルの好物のグミのプレゼントにさらに舞い上がったのに…キム・チョヒの学校が来て気分はぐしゃぐしゃになった。
さらにはコーチ同士が「メドレーリレー対決」を言い出し、キム・チョヒは「勝つためのお守り」だというあの水着を着て、ナルたちは負けた。
涙を隠すためプールからひとり更衣室に駆け込みと、キム・チョヒのカバンが目に入った。『これがなかったら…あんたどうなるの?』とチョヒの水着を手に見つめていると、人の気配におもわず自分のバックに突っ込み、なぜこんなことしたのか?自分がわからないまま逃げ帰った。
【タッチ】
デートはドキドキで映画どころじゃなかったが、「学校のプールに行かない?」と忍び込みテヤンの告白に2人の恋が始まった。だがすぐクラスの子にバレて部活まで雰囲気が悪くなり、コーチに怒られるかと思ったら「チョヒの水着を見なかったか?」問われた。
ナルは否定して走り逃げたが、胃炎で病院に行き、恐怖にオンオンと泣いた。
お母さんは「メダルより娘が大事、辞めていい」と抱きしめてくれる・・・でも「(競泳)はすべて」と気づき、ポドゥルには「(競泳をやめたら)アタシは世界が終わるくらい怖い」と怒り号泣した。
ポドゥルだって本気だった。でも「まじめで才能がある子」に太刀打ちできなかった。けどやれることは全部やったから飛込を楽しめているという。
「思ったのと違って下に向かったとしても、それは落ちているんじゃなく、飛んでいること」コーチは「競泳を続けたいのか考えてみてほしい」と言っていたとわかり、決心した。
ナルはキム・チョヒに会いに行き、水着と手紙が入っている紙バックを震える手で渡し、チョヒは怒って帰っていった。
大会1週間前にテヤンが「クジラのしっぽのキーホルダー」をくれて、お守りを手に入れたナルは本番当日、決勝前にコーチに「決勝を棄権したいです」「水着アタシが盗んだんです」と告白した。
だがそれに抗議してきたのがキム・チョヒだった。
「水着を盗んでまで勝ちたいわけじゃない。自分の力で勝ちたい!って(手紙に書いてあった)アタシも自分の力でアンタに勝ちたい。お守りなんかいらない!逃げて(棄権して)どうするの?」「アタシがアンタに勝ったらアンタを許してあげる」と・・・チョヒも自分の力でアタシに勝ちたいんだ。その気づきと同時に闘志がわいてきた・・・出るしかない。真剣に挑むことが自分も含めたすべての人への礼儀だ。決勝の4番5番レーンを2人は同時に飛んだ。
キム・チョヒが1位、ナルは自己ベストで2位。「どう負けたかが大事な意味を持つ試合」になった。
表彰台でチョヒは「気づいたんだよね、お守りより強いものがあるって…アタシだよ」とはじける笑顔で表彰台に上がった。ナルは憎らしそうに、でも笑いながらにらみつけた。
プールはナルの居場所。大事なのは自分で結果を作る事。そうすれば結果の良し悪しも受け入れることができる。今度はアタシがいちばんでタッチする。
『5番レーン』読書感想文のこたえと書き方・大ヒント
・小学校高学年の部(5,6年生)本文 1200字以内
(作文用紙400字×3枚)
青少年読書感想文全国コンクール
読書感想文コンクールの入賞した子は
原稿用紙3枚1200字きっちりに書きます。
起承転結でつづられるなら300文字ずつ。Twitterで140文字と考えると、なんとか小学生でも書けそうです。
・この本を選んだきっかけ
・簡単なあらすじ
・感想、疑問点など
(特に面白かったところ、感情が動いたところ)
・本を読んでの意見や体験談との比較
(本を読んで学んだこと、自分の意見、今後の生活に生かしていく。など)
『5番レーン』読書感想文のこたえと大ヒント
著者、選評者、翻訳者それぞれの「言いたいポイント」は物語自体のテーマです。
どれかを選んで、そこに焦点を当てて感想を書くとアタリです。
YouTubeウン・ソホル氏談
・挫折してうまくいかないとき、人は自分自身を最も憎むのです。そんな時、私たちに再び力を与えるのは結局愛する人々だと思います。
・私は誰もが間違いをする可能性があると思います。忘れてはいけないことは、自分が犯した間違いに責任があるということです。
・何かが欲しいのならチャレンジを怖がりクールなふりをするのではなく、失敗し、うんざりしても、一度は勇敢に試してみてください。
本書内・トンネ児童文学賞大賞選評
・この作品は子供たちが自らに質問を投げかけ、その答えを見つける物語
・楽しく才能があるから始めた水泳で、競争のなかで限界を感じ水泳をやることに悩み始める
・自分が優勝できない理由いいわけを見つけたのだ
・自分自身と向き合うことを先送りするため、逃げられる場所(ためらいといいわけ)が必要だった
・私たちの人生は、けっきょく自分との闘いである
・勝ち方を学ぶことは、負け方を学ぶことと同じ
・飛翔するか、墜落するかを決めるのは、自分である
・子供のうちに自分だけのときめき、何かに全力を注ぐ経験をどれくらいできるだろうか。
・ポドゥルは夢が壊れたのではなく、立て直した
・テヤンは遅れてはじめても、自分の手で扉をひらく覚悟がある
・スンナムは固い友情と五分五分という新調し進路を考える
・チョヒはお守りがなくても自分の力を信じ、不安を乗り越える
訳者あとがき
・自分も水泳大会で本当は実力不足だとわかっていたのに、ウソをついて欠席した自分にウンザリした
・ナルのように(不正した)自分を受け入れられるかどうか
・勝てなくても、臨んだ結果にならなくても、納得できるような生き方
・隣のレーンばかり気にして、自分のゴールを見失っていないか
読書感想文ChatGPTで書いたらバレる?感想文での使い方
話題のChat GPTですが、読書感想文でのChat GPTの使用は原則禁止です。
ですがこれからの社会Chat GPTを上手に使いこなす能力も必要です。
(文部科学省が、学校向けのガイドライン作成を検討を始めました)
もし読書感想文でChat GPTを使用した場合・・・生徒をよく見ている教員ほど「本人が書いたものではない」ということを見抜くことができます。
アジア圏の日本人学校で教員が、小学5年生の女子生徒が書いた「ハリー・ポッター」の読書感想文を「本人が書いたものではない」と勘づき、やはりChat GPTに書かせたということがわかりました。
・内容に違和感を覚える
・文章の構成と言葉遣いがいつもとちがう
・Chat GPTの文章にはその生徒の個性がない
・書かれた文章の内容の質問に答えられない など
将来、Chat GPTを使うスキルが必要かもしれません。そこで問題のケースでは「Chat GPTを使って学びを深める方法」を生徒たちと話し合いました。
・AIが書いた文章は読みやすい(メリット)
・文章添削では早く的確でわかりやすい回答がくる(メリット)
・人間味や面白味がない(デメリット)
作文を自分で書く
↓
ChatGPTで添削
(文章の書き方や構成の作り方)
(変更した理由)
↓
自分の感想文と読み比べる
↓
AIが出せない味は消さない
「自分らしさ(個性)」
「自分のエピソードや表現の仕方」
「会話文から始める構成」
↓
AIを生かせる部分
「文章校正」
「誤字脱字」
を修正するなどで利用する
Chat GPTは“きれいごと”の返答が多いと言われます。ですが精度が上がりユーザーの個性を分析し、まるで子ども本人が書いたのような回答ができる日が来るかもしれません。
上手にAIを使いこなすことは、処世術として必要ですが、読書感想文などは思考力の訓練です。
思考力は書くことで鍛えられるので、その機会が少なくなると言われ、なにかの判断をChat GPTにゆだねるうちにChat GPTの指示に従うのが正攻法と思うようになる世界は「AIを使っているつもりが、使われている」ことになるのかもしれません。
・自分で考える事、自分の意見を書く必要性を教える
・Chat GPTは文章の添削、文章校正や誤字脱字など感想文の基本を学ぶために使う
という、教え方が適切なようです。
うんちく・読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
「考える読書」
第68回青少年読書感想文全国コンクール入賞作品集
全国学校図書館協議会
発売日:2023年05月01日頃
読書感想文の入賞作は審査員の合格基準に達した書き方をしています。合格基準とは「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」です。小学校3,4年生だとまだ読書感想文になれていない子も多いので「考える読書」内にある感想文の入賞作は大いに参考になります。
2022年青少年読書感想文全国コンクール 入賞作
内閣総理大臣賞<小学校高学年の部>
◆水谷日菜美 東京都 板橋区立志村第三小6年
「捨てないパン屋の挑戦:しあわせのレシピ」(あかね書房)
文部科学大臣賞<小学校高学年の部>
◆峯川芽依 群馬県 沼田市立升形小6年「ぼくの弱虫をなおすには」(徳間書店)
読書感想文の入賞作は審査員の合格基準に達した書き方をしています。大切なのは「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」です。参考になる入賞作は大いに参考になります。昨年の入賞作2点を参考に、書き方のコツを頂きましょう。
●読書感想文は著者、書評などのコメントを参考にする
●本の内容の評価に「勉強になった」「前向きになった」「マネしたい」など入れる
●入賞している人の書き方を参考に勉強する
同学年でもおどろくほど大人っぽい感想文を書いている人もいます。そこまでできなくても、冒頭の書きだしや感想文の話の流れのスムーズさ、物語の捉え方や意見のまとめ方など文章の組み立て方を参考にしましょう。