「海を見た日」読書感想文あらすじ・ネタバレ・例文と書き方の大ヒント 

 
「海を見た日」
発売日:2021年05月28日頃
著者/編集:M・G・ヘネシー, 杉田七重
レーベル:鈴木出版の児童文学 この地球を生きる子どもたち
出版社:鈴木出版
発行形態:全集・双書
ページ数:226p
ISBN:9784790233824

内容紹介
それぞれの事情で、養母の家に預けられた3人の子どもたち。みんながバラバラの方向を向いていて、ちゃんと向き合わずに過ごしてきた。そこへ新しくアスペルガー症候群の男の子が仲間入りし、その子の母親に会いたいという願いをかなえるために4人は冒険に出かけることになる。

こちらでは
2022年「第68回 青少年読書感想文全国コンクール」中学生の課題図書の「海を見た日」の「あらすじ・ネタバレ」読書感想文の書き方のコツ・ポイントをご紹介いたします。

【読書感想文2022中学生課題図書】あらすじ例文・おすすめ課題図書紹介と選び方


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「海を見た日」あらすじ・ネタバレ・こんな人にオススメ 
「海を見た日」読書感想文の書き方の大ヒント 
「海を見た日」読書感想文・例文とみんなの感想 
うんちく・読書感想文の書き方は経験者から学ぶ!
 
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「海を見た日」あらすじ・ネタバレ・こんな人にオススメ

読みやすさ ★★☆☆☆
感想文の書きやすさ ★☆☆☆☆
こんな子におすすめ
・養子縁組問題に興味がある
・兄弟姉妹関係に悩みがある
・親子関係に悩みがある
・移民問題に興味がある

 
「海を見た日」登場人物

ナヴェイア
過去11年で7件の家を渡り歩く、黒人で背の高い中学2年生の里子。
里親の代わりに家事を引き受け、現状の不都合に目をつぶって、経済的に自立できることを夢見て家事と勉強に追われている。クエンティン曰く「のっぽの女の子」

ヴィク(ヴィクトリオ・キンテロ)
妄想癖のあるADHDのある小学5年生11歳の里子。学校ではのけ者だが頭の中はいつもスパイ活動中なので「忙しくて友達と過ごせない」と気にしていない。ナヴェイアいわく「ぶっ飛んでるヴィク」クエンティン曰く「うるさい子」

クエンティン
アスペルガーで“ママのいう”ルールやマナーに厳しい男の子。家に帰りたいのに、里親の元へ連れていかれるのがイヤ

マーラ
スペイン語しか話せない「始終だんまり」でラテンアメリカ系の最年少の里子。クエンティン曰く「静かな子」

ジェイダ
新しい学校でのナヴェイアの友達。彼女の状況を理解していて、ほどほどに同情的

マリオ
以前、ミセス・kの家にいた里子。ヴィクと仲が良かったが、盗難癖があり施設に戻された。

ミズ・ジュディ
新人ケースワーカー。「里子のため」と一生懸命だがやることが強引なわりに、子供たちからわかってないと思われている。クエンティン曰く「くちピンク」

ミセス・K(クズネツォフ)
ナヴェイアたちのロシア人の養母。夫に先立たれた哀しみから立ち直れず、育児放棄して寝室に引きこもっている。クエンティン曰く「への字口」

「海を見た日」あらすじ・ネタバレ



ナヴェイアは2歳から7件の家を渡り歩き、半年前からミセス・Kの家の里子になった。
昼は治安も悪くなく家も清潔、食事もあるが里親の未亡人のミセス・Kは喪失感で部屋に引きこもり育児放棄するので、ケースワーカーのミズ・ジュディにバレないように、ナヴェイアがほぼ家事と育児を引き受ける。年下の子の面倒もみなきゃならず、小5のヴィクは妄想癖と発達障害のADHDで薬が必要で、むちゃな行動でケガしないよう目が離せないが最悪生きていれはいい。一番年下のマーラーは英語が話せず、手はかからないがジュディの意見で一人違う学校なのでむかえに行くのが面倒。
ナヴェイアの新しい学校での友人のジェイダは同情的だし、パーティーに誘ってくれるけど『大学に行くまでガマン』と自分に言い聞かせ断る。

ある日、クエンティンという新しい里子が来た。
彼からしたら、どぎつい「ピンク色の口」で白人なのに茶色い肌、“まだ4月なのに白いズボン”の『ママ曰くルールやマナーを破る』“くちピンク”の女の人(ミズ・ジュディ)に、『ママ曰く悲しいか、性格のよくない』から”口がへの字”の女の人(ミセス・K)の家に連れてこられた。
“への字口”に「新しい家族をおむかえする」とうれしくなさそうに紹介され“くちピンク”は帰って来た“ノッポの女の子”(ナヴェイア)に車から降りるよう助けをもとめた。「出ておいでよ、いつまでもそうしてると、自分が困るだけなんだから」「…ここは大丈夫だから」と笑ってないけど、眉もひそめず疲れた声で言ったので車を降りた。

ミセス・Kは「クエンティンはアスペルガー…だから特別やさしくしていい?」とみんなに聞いた。
ヴィクは「子どもスパイ(設定)」が忙しく友達付き合いがないから、話し相手になると思ったのに肩透かしを感じた。(父ちゃんも4年前から任務で母国エルサルバドルに悪党と戦いに行き今は監禁中(設定))
夕食はミセス・Kの塩気のないミートローフをナヴェイアが「ものすごーくおいしい」とおだて、ヴィクにも〈テーブル下で言え!〉と隠れて強要し、「うまい」と言うと「(亡き)夫の好物だった」と落ち込みはじめたので、ナヴェイアが「後片付けはやるから」とミセス・Kを自室に行かせため息をついた。
 「たまには、手伝ってくれていいんだよ」と言われたが、クエンティンを寝かしつけることにした。でもヤツは話しかけても落ち込んでるだけなので「ジェームスボンドの武器を作る奴」のQというニックネームをつけた。ここにいたくない様子はわかり、胸が痛んだ。

ナヴェイアが3人を寝かしつけ家事を済ませたのは夜8時。
宿題も終わってないのに、新しい子の問題に付き合うヒマはない。
里子は6歳までに養子になれないと18歳の誕生日で里親の家から追い出される。
母親が死んだナヴェイアは誰の引き取り手もなかった。だからUCLAの里子支援の奨学金で大学に通い、トップクラスを維持して3年で卒業、次は医学校に4年、研修医3年で、そしてお金の心配をしないために医者になりたい。
以前のヒドイ里親は、支援金をもらいながら、子供たちに家業を手伝わせ、重症なケガをした子にもロクな手当てせず里親夫婦は逮捕された。問題が生じると里子は次の行き先が決まるまでの待機場所「ウェルカムセンター」で尿臭い不潔なベッドとヒドイ食事、年上の子がケンカが絶えないそこで過ごすことになる。
里子は“自力で生きる”作戦が必要だ。どこよりもはるかにマシなこの家から大学に行きたい。だから新入りが不遇でも私には関係ない。




目を覚ますとQがいなくなっていた。
ミセス・Kは家出は許さない。里子一人につき政府からの補助金が約千ドル入るけど「マリオの件」以来、男子受け入れを止めていて、今回Qが脱落してもっとヒドいのが来たら?と思い探しに行くことにした。
ナヴェイアはヴィクに起こされて「手伝う気がない」と言ったものの「2人になにかあれば、ミセス・Kが里親をやめるカモ?」と追いかけて探しに行くことにした。

クエンティンは自宅のあるトーランスを目指していた。前脱走した時はたどり着けず警察とくちピンクに連れ戻された。ブロックのハズレまで来たところで“うるさい男の子”に捕まり、“ノッポの女の子”も来て怒鳴られうるささに耐えられないので、自分の頭をバンバン叩き始めた。
「ちょっと、どうしちゃったの?」とナヴェイアと言われ、次に地面に倒れるようにしゃがみこみ、体を前後にゆらし始めた。ヴィクがゲラゲラ笑いだすとナヴェイアに怒られたが、マズイ事に改造車が寄ってきてサングラス男が、ナヴェイアにヒワイな感じの音でキスするマネをした。二人でQを立ち上がらせようとしても、殺されそうな甲高い声をあげ、また前後にゆれる。
サングラス男は「おい、だいじょうぶか?」と声をかけてきたが、ヴィクが震え声で大丈夫と言うと、車は走り去った。
Qは「ママ」って言ってたのでナヴェイアが「クエンティンいい子だね、でも今夜はママに会えないんだ!」というと静かになった。ヴィクは「今夜いっしょに家に帰るなら、オレがおまえをママに再会させてやる」というとナヴェイアはバカなこと言うなと怒鳴られたが、Qのつらい気持ちが分かり絶対連れて行こうと思った。

翌朝ミセス・Kがクエンティンのために朝食を作ったが、彼は料理に手を付けない。しかもクエンティンの登校初日なのにミセス・Kのパワハラ上司が急に早出しろと言い出した。
ナヴェイアとヴィクが連れていく事にしたが、クエンティンは正門手前で動かなくなる。用務員ミセス・コルボーンが甥っ子も自閉症だからと対応してくれ、立ち上がらせることができたが、ナヴェイアもヴィクもこんなに周囲に優しくされた事はない。
ヴィクはナヴェイアに「4時にQの母親を探す作戦会議をする」と言いだしたが、ナヴェイアは参加しないので2人で決行することにした。Qの母親はガンでトーランスの病院にいるらしく、ひと目愛していると言いたいのだと想像でき…ヴィクは気づくと涙がこぼれあわてて拭き、土曜まで我慢しろと言った。

ナヴェイアにはムダにする時間はない。今日もミセス・Kは残業。母親のように家事と育児を終わらせ、ヘトヘトでも全ての科目でAを取らなければならない。でも最近なんの理由もなく涙があふれてくる。そんな時はこっそり泣くが哀しみは気付かないうちにたまるらしい。
以前、ゴミ収集容器の影に捨てられていた子犬を、数日間内緒で飼ったが、養母にみつかり散々叱られどこかに連れていかれた。目をつぶり、想像するのはいつの日が誰にも奪われない、自分の家をもつことだ。


転①

冒険当日の朝、マーラがパジャマのまま乗り込んできて「家に連れて帰るなら、ぜんぶバラす」とスペイン語でヴィクを脅すのでそのまま突き進むことにした。クエンティンは『ママ曰く〈バスはばい菌だらけ〉』と言われてたので、何も触らないようにしてるけど、“静かな女の子”(マーラ)に手を握られているけど、この子の手は嫌じゃなかった。

目を覚ましたナヴェイアは、異変を感じ3人がいない事に気付いた。ミセス・Kにバレたら全員ウェルカムセンター行きだ。
怒りで手が震えながら『ヴィクは自分がどれだけ恵まれているか、わかっているのだろうか?』と身支度をし、ヴィクだから部屋にはトーランスと書かれた地図があり、2時間半かかる道のりに早くもゲンナリした。
追いかけるとヴィクたちが乗ったバスをみつけ、叫んだが止まってくれなかった。今日は科学コンテストの作品を仕上げる予定だったのに役立たずの里子兄弟探しになった。ほかのバスに乗り追い付いたらヴィクの髪を引きずってでも全員連れて帰る。

ヴィクが地下鉄に乗ったのは学校でコンサート鑑賞依頼で少し不安だった。あの時はマリオと一緒で、奴は気前よくおやつをくれた。
マーラに「みんなで迷子になっちゃった」とスペイン語で言われ、ヴィクの「2人をためした」とのごまかしは通じず来た道を戻ろうとすると、ピットブルがうなりながら向かってきた。

ナヴェイアは地下鉄で3人を見つけられず絶望的な想像をした。が「ヴィクはヒドイ方向音痴」を思い出し、駅の外を探すと3人がピットブルにうなられ固まっているのを見つけた。
3人をかばい固まっていると、マーラがチョコレートバーを犬に差し出そうと近づいていく。
飼い主のホームレスにマーラは引き戻され「ガスはあんたの友だちを傷つけたりしない」という。マーラは犬にチョコレートをやりチョコバーをホームレスにあげに行くので、叱れなくなった。
ナヴェイアは猛烈に腹が立ち、家にもどるようにヴィクに言うと、逆に「全部ナヴェイアが考えたってミセス・Kに言いつけてやる」と言うので、ナヴェイアはヴィクに顔を寄せて「マリオのときみたいに?」と言った。
ミセス・Kから『ヴィクはわたしの目と耳だから』って聞いていると。ヴィクがマリオがお菓子を盗んだのをチクったことから『あなたが何かまちがったことしたら、ヴィクがいつでも知らせてくれるから、しっかりしなさい』って言われている、と。

ヴィクは何重にもショックを受けたが「中断させられたらまたチャレンジする」と言いはり、ナヴェイアは降参する代わり主導権を奪った。
ナヴェイアから見張られていると思われ、マリオの事も誤解されてる。去年虫歯が2本みつかり、ミス・ジュディに「俺とマリオは菓子の食い過ぎなんだって」と世間話をしたつもりだった。「菓子はマリオからもらう」と言ったら「どうしてそんなにお菓子を持っているの?」と聞かれ「知らない」と答えたらミズ・ジュディとミセス・Kが「大人の話」を始め、部屋を捜索すると菓子以外にも盗んだものがドンドン出てきて、マリオは連れ去られた。そしてマリオは俺と二度と連絡を取らないと決めてたらどうしようと思った。

ナヴェイアはヴィクを傷つけて後悔したが、でもみんなを危険にさらして本当に頭に来ていた。
“スパイごっこ”からもありえない話じゃないと思い、常に慎重にふるまっていた。でもヴィクなりの頑張りもわかるから「ミセス・Kには言わない」と伝えたが、態度の悪いヴィクをみていつもみんなにたよられて、仕切り役を務めるのがどんなに大変か、ヴィクの奴は分かってない。「私の知ったこっちゃない。私のやりたいようにやる」そう言えたらどんなに楽か。けれど私の人生はそんなに甘くないとイラダチが残る。

クエンティンはバスや電車を気に入って、ママにそんなに悪くないと教えてあげようと思った。それにバスに貼ってあるポスター『多重債務でお悩みの方…悩みスッキリ』と『便秘でお悩みのみなさん…おなかすっきり』は似ていると「オナカスッキリ!ナヤミスッキリ!」と静かな女の子に教えるとくすくす笑った。この子は好きだからママと3人で暮らしたいと思った。


転②

バスで降りたレドンドビーチは超豪華でみんな圧倒された。
ナヴェイアは「ビーチにはいかない」と歩きだしたのに露店市でマーラがいなくなり、怒りから“この冒険”自体が意味がないと攻撃した。
『クエンティンのママが病気で息子のことがわからなかったら、もっとかわいそうなこと』
『私たちは誰にも必要とされないから、ひとりでやっていかないといけないこと』
『ヴィクの父親は違法移民摘発で強制送還で、ヴィクを迎えに来ないのはココにいたほうがいいと思ったから』
『妄想の世界でずっと生きていくことはできないこと』

ヴィクは涙と鼻水を流しながらガタガタ震えていた。彼の妄想は誰も傷つけないし、妄想で現実と折り合いをつけている。

クエンティンは2人から逃げ出し、ポニーを見ていたマーラを見つけた。
ナヴェイアはダメだと言ったがクエンティンの〈緊急事態のときにつかって〉と言われてた5ドルでマーラをポニーに乗せると、見たことないうれしそうな顔にヴィクもナヴェイアもうれしくなった。更にヴィクがゴミ箱からチケットを拾い「多分この先に二度とこういう場所に来ることはない、何かに乗ってもせいぜい十分。滅多にないチャンスだ」と観覧車に乗ろうと言った。
最初「ポニーに乗せない」と言った時、マーラの目は、子犬を連れ去られた時のナヴェイアと同じ顔をしていた。…もう悪役を務めるのはうんざりだった。ナヴェイアは芝居かかったため息をついて見せ、みんなで観覧車に乗ることにした。順番待ちが長くてイライラし始めたナヴェイアの気をそらすためヴィクがジョークを話しだした。

でもちょうどてっぺんで観覧車が止まった時、みんな息が止まった。
観覧車にお金を使う意味があるのかわからなかった・・・でも水平線のずっと向こうまで白い砂が広がる海に目を奪われ、世界にこんなにも美しいものがあったと知った。そして一つの思いが大きくふくらんだ「きっと世界は、そんなにひどいところじゃない」
涙があふれないようにそっとまばたきした時、ヴィクが「父ちゃんも、キレイだって思うだろうな」と声に出ていた。ヴィクはやらかすがイイ子だ。彼がいなければいつもと同じ1日だった。感謝をどう話していいかわからないから「それから?」とジョークの続きをうながした。オチを聞くとQまで「オナカスッキリ!ナヤミスッキリ!」と大笑いして、私たちを隔てていた壁に突破口が開いた気がした。今日一日くらい普通の子どものフリをしたい。

魔法は解けてここから5キロの冒険に出る。ヴィクはマリオの話を始めた。
『でもマリオの件は一種の事故だ』
『ハイスクールになれば、ミセス・Kに家から追い出す…シルヴィアもアーニャも』
『それでマリオのやつ、万引きしたんだと思っていた』

…ナヴェイアは足から崩れ落ちそうになったが、仕返しかとも思った。だがヴィクは「ミス・ジュディもちゃんとした里親を見つけるのは本当に大変だって愚痴ってるよ」と。

ナヴェイアのゾンビのような顔色になった。
『今までの努力はすべてムダだった』怒りでパニックになりすべてから逃げなきゃって全速力で駆け出した・・・ナヴェイアは道路の真ん中で凍り付き、ヴィクも助けるために走り出したけど、2人とも地面にたたきつけられた。爆発するようなクラクションの音、大人たちがさけび、マーラの悲鳴、クエンティンが頭をなぐってる。ヴィクは死んでるみたいに地面に倒れていた。
女の人から「じっとしていたほうがいい」と言われたが、ひざが血だらけでだけどナヴェイアは立ち上がり、ヴィクの側に行きその頭を自分のひざの上に乗せ髪の毛を撫でてやった。息も荒くて、見えない何かと戦ってきてたかのようだ。
クエンティンは乗りたくない救急車に乗った。救急隊員はヴィクが「ADHDで」と知り「なら問題はない(ケガですんで)君は運がよかった」と「トーランス・メモリアル病院」へ搬送された。




ヴィクは6歳の時、父ちゃんと死んだ母ちゃんの姉のマリアおばさんのガレージで暮らしていた。
父ちゃんの仕事が見つからない日は「エルサルバドルにいればプロ」の腕前のサッカーで遊んでくれたけど、故郷を出た理由は教えてくれなかった。でも「ヴィクはここで生まれたから出て行かなくていいのでラッキー」と言う。
ヴィクは悪意はないけど、まわりのモノが壊れていく感じがあり「トラブルメーカ―」と言われてたので父ちゃんから「格別いい子でいるよう」言われていた。頑張っても失敗が目に付くのは、赤ん坊のオレのせいで母ちゃんが死んだからみたいだった。
学校でも母親に捨てられたみたいなこと言われ、ヴィクは『母ちゃんが生きている想像の世界』に浸るようになり、疲れ切っていた父ちゃんは突然帰って来なくなり、いとこのアルベルトから「お前の父ちゃんは強制送還で二度と帰って来ない」と言われ、怒りで体を押したら腕の骨を折って数日後、女の人にミセス・Kの家に連れてこられた。
そして想像の世界は”エルサルバドルで悪と戦う父ちゃんを助けるスパイもの”になった…妄想がなければ見捨てられたただのガキだからだ。でも今、気を失ったヴィクに悲しい目をした女の人が「愛してるわ、わたしのヴィクトリオ」「ずっと会いたかった。でも、いつでもいっしょにいるのよ」とおでこにキスしてくれた。これは妄想じゃないと気づいたけど、父ちゃんは来なかった。

ナヴェイアは待合室で書類を書くのに、ヴィクの誕生日もミセス・Kの名前のつづりも知らなかった。でも“冒険”中を思い出し、クエンティンにママの名前「友だちをお母さんの『エマ・ノックス』に会わせられないか?」聞くと看護師は「保護者が来るまで待った方がいい」と相手されなくなった。
ミズ・ジュディがヨガウェアのまま激怒しながらやってきて、ミセス・Kは動揺しすぎて車を運転できず来れないという…ナヴェイアが「クエンティンのママを探す冒険に出たんです」というと、顔が変わった。
『クエンティンのママは数週間前に亡くなった事』
『クエンティンに話したが理解しているかわからない事』
『セラピストから“動揺するから”とお葬式に出さなかった事』
『母親は“裕福な家の出”でクエンティンを両親に引き取ってもらうと遺書があったが、母親も元里子で混乱した人だった事』
そして「クエンティンは母親が亡くなる時に会わせなかったが、それでよかったんだと思う」

よかった?ヴィクには空想の世界、私には将来住みたい家。クエンティンにも生き抜いていくための何かが必要だった。その「対処メカニズム」がママにお別れを言うことだった。セラピーは何の役にも立たなかった。でも今日一日でクエンティンと私たちは家族になった。ミス・ジュディが着替えてくるというから「わたしたちだけで、大丈夫ですから」と見送った。
ノッポの女の子は〈結局あの人は、わたしたちと住む世界が違うのよ〉とうるさい男の子を「まだ冒険は終わってない」と点滴をつけたまま一緒に病院から連れて逃げ出した。

ナヴェイアはビーチに行くという。ヴィクは「(スパイは)少し休みを捕ろうと思ってる。Qには俺が必要になるだろう?」という。そして初めてのビーチで子供らしく過ごし、大きな砂の城を作った。
ヴィクは「俺たち漂流者…世間に投げ出されたって意味」にナヴェイアは「でも島にたどり着いたでしょ?」と答えた。
クエンティンは満足そうだけど、話すために隣に座らせ、ママの話を途中まですると『ミスター・ペブルス…もっといいところへ行った』とクエンティンは分かっていた。
ナヴェイアもヴィクも母親を亡くしていて「私のお母さんもよ。でも…そのうちなれる。」とうつろに言うと、クエンティンはリュックからR2-D2の目覚まし時計を出し、貝や海藻と一緒に砂の城を飾り付けた、潮が満ちて時計は流される様子をみんなで眺めていた。

家に帰ると大人たちはカンカンで、うるさい男の子は「もうそっとしといてくれよ、臭い車のオバサン」って言いみんなで大笑いした。部屋に戻らされてクエンティンは「ここっていいところ」てヴィクに聞いた。「ちがうよ、でも、かなりいいところ」て答えた。
ヴィクが下に降りるとミセス・Kが疲れた顔で座っていたので「ナヴェイアは悪くない。だから追い出さないで」ていうと、本当の母親みたいに紅茶をついでくれて養母をやっている理由を話し出した。
『亡くなった夫が子ども大好きだったこと』
『子どもが産めなかったから、夫が里子に家庭を作ろうと決めた事』
『夫が亡くなったのに養母を続けていて、むいてないと思っている事』
たしかに良い養母じゃないと思う。でも身寄りも友だちもいないミセス・Kは寂しいのだろうと思った。

「オレの母ちゃんもういない、それってマジ、キツいんだよね。旦那さん亡くなったのも、同じだろうと思って」「そう。マジ、キツい」と言って2人で笑った。里子を高校進学で追い出していないけど、今後はよりチェックも厳しくなるし、里親はやめようかと考えているという。
ヴィクは「みんなここがいいんだ、ナヴェイアとマーラとQとミセス・Kはオレにとって大切な人だと気づいた。だから出て行くのは嫌だ」と泣きそうな様子にミセス・Kは「がんばってみよう」もう寝なさいと言われた。ヴィクもぎこちなくでも当たり前のようにミセス・Kのほっぺにキスすると驚かれたけど、オレの手をたたき「いい夢見てね」と言った。ヴィクが見た幻覚はホントに母ちゃんが現れたんだ…思いたかった。でも現実じゃない。帰り道に妄想をやめようと思った。今はみんなが俺を必要としてるから。

翌朝からミセス・Kは家事をするようになった。トーランスの事には触れないし明るい顔になってきた。ヴィクは家事を手伝ってくれるようになり、クエンティンと空き容器でスターウォーズ村を作り、マーラが繊細に色を塗った。それに「ハイスクールの話はウソで仕返しだ」と言った。
皆、同じ学校に行くようになりマーラの英語力も上がってきている。校門前でミセス・コルボーンにぶつかりそうになって怒られているヴィクとクエンティンを見て「まったく、うちの家族と来たら」って大人じみた言い方にナヴェイアは声をあげて笑った。

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「海を見た日」読書感想文の書き方の大ヒント

【読書感想文の応募要項】
・中学生の部 本文 2000字以内
(作文用紙400字×5枚)

 
字数が足りない場合は、以下のサイトの「文字数が足らない場合の対策」の部分が大変参考になります。
読書感想文の書き方 構成とコツ【中学生・高校生】コピペOK
 
 

青少年読書感想文全国コンクール審査基準
    ○ 応募規定にあっているか
    ○ 発達段階に応じた適切な本を選んでいるか
    ○ 読書のよろこび、楽しみが感じとれるか
    ○ 広い視野から作品を評価しているか 
    ○ 登場人物の心情や、作品の語っているものを的確にとらえているか
    ○ 著者の論旨を的確にとらえているか
    ○ 事実と著者の意見とを区別してとらえているか
    ○ 自分の意見・感想を率直に述べているか
    ○ 自分のことばで表現しているか
    ○ 発達段階に応じた考え方が表現されているか
    ○ 規定の文字数を十分に生かし、自己の思いを表現しているか
    ○ 読書によって得た自己の変革がみられるか
    ○ 規定の文字数を十分に生かし、自己の思いを表現しているか

 
あらすじは簡単でもいいですが
・自分がどう感じたか?
・本を読んで何を感じ、今後にどう生かすか?
・「似たような経験」の自己開示 → 高得点ポイントです

「海を見た日」作者からのヒント

本書紹介文から…

「これからの時代、家族とはどう定義すればいいのか?」 その問いに対するストレートな回答がこの物語です。
どんな家族も、最初から家族なわけではありません。本物の家族になるには、その成員がみな、自分以外のメンバーの心の痛みをわかって、助け合うことが必要なのです。そういう家族が集うのが本物の家庭であり、子どもにとってはそここそが、安心できる自分の居場所となるでしょう。

本書作者あとがきから…

若いみなさんに、里子の直面する困難を理解してもらい、この子たちに必要な支援が届いていない事実にスポットライトを当てようと
私はこの本を書きました。読者のみなさんは子どもたちの、なにがあっても折れない精神に心ゆさぶられるおとでしょう。
これまで私が仕事を通して接してきた子供たちはみな、驚くほど強く、何事もやり遂げる力を持っていました。それも当然で、そうでなくては、人生に降りかかる、さまざまな困難を乗り越えていけないからです。
・・・ひとりの人間を助けることは、世界に途方もない影響を与えると、昔からずぅっと信じていますが、助ける相手が子どもである場合はなおさらそうだと思います。
…「だれも助けてくれないなら、自分で自分を助けるしかない」とナヴェイアはいいます。

「海を見た日」読書感想文・例文とみんなの感想

「海を見た日」例文

この物語は里子問題というより「家族になるとはどういうことか?」がでーまの作品だと思いました。
当たり前に両親がいて、兄弟がいて、祖父母や親せき、ペットもいる我が家を“一般的”と思うのは、悪いことではないと思います。ですがこの世界には幼い時から天涯孤独で血のつながりのある家族がいない人というのが存在する。それは物語の中のことで、まだリアルに感じ取れないのは実際そういう人に出会ってないからかもしれません。
ナヴェイアは13歳でミセス・Kの家の中では最年長の里子。
ネグレクト気味の里親がこの制度を投げ出さないために、生涯のある年下の里子の面倒と家事と勉強をこなすのも、将来安定した収入を得るため。でもなぜか最近ふとした時に涙が出ます。
ヴィクは、ADHDで父親が強制送還された里子。症状を薬で抑制しながらもスパイという妄想をしながら現実逃避。マーラはスペイン語しか話せない。クエンティンはアスペルガーで母親が死んだばかり。里親のミセス・Kは夫が亡くなって以来今だ喪失感と孤独に苛まれている。
作者はこの物語をとおして、ロスアンゼルスの里子事情を世界に伝えたい思いで手掛けた作品ですが、里親登録者は減少するばかりです。それはあまりにも里子を育てるのがむずかしいからです。
…「だれも助けてくれないなら、自分で自分を助けるしかない」とナヴェイアはいいます。
大人になるということは自我に目覚めることかもしれません。
自分の置かれた状況、能力を知り、目標設定したら、その過不足を判断して目標のために何をすべきか?を実直に進めていく…大人だって目標達成することはむずかしいことですが、ナヴェイアは、時々つらくてフと涙が流れても、目標に邁進していました。彼女は7件の家をつらい思いをしながら渡り歩き、いつの間にかだまって子供でいても幸せにならないと判断できたのでしょう。
その牙城を崩したのがヴィクです。ナヴェイアのペースを崩し、「多分この先に二度とこういう場所に来ることはない」と十分間だけ子供でいることをナヴェイアは自分に許したことから、それぞれ別の方向を見ていた4人が家族になれるきっかけをつかみます。

親子関係、家族関係の問題は世の中にごまんとあります。問題のない家族でも、いろんな出来事は生じますし、血がつながっていてもばらばらの方向を向いてしまう家族もあるのです。他人の寄せ集めの里親の家で家族になる困難を乗り越えて里親になるというのは、生半可な気持ではということはとても難しいことです。
それでも感情をぶつけ合い、1つの目標に向かいみんなで力を合わせ困難を乗り越える。そしてなんとか目標に到達した時の達成感が仲間としてやっと結びつきができ、ナヴェイアたちは家族になりました。
ヴィクも「Qは俺がいないと」と妄想の両親にすがるのをやめ、家族を守ることで居場所を見つけ、マーラも言葉の壁を取り除きみんなに心を開くことにしました。
家族とは、気持を許せるけど、協力したり守らなきゃいけない人間関係の最小コミュニティです。そこを離れても自分は家族の一員であるという安心感が人生を正しく歩ませるのだと思います。
日本のように祖父母から孫までそろっていた昔の大家族から、親子だけの核家族となり、子供のない夫婦や未婚率上昇で家族制度自体が変化しつつある少子化の国もあれば、今だ一夫多妻制や多子多産で人口爆発で資源の枯渇を促している国もあります。

「子どもは親を選べない」と聞いたことがあります。現代では「家族とはこうあるべき」というセオリーは曖昧なものになってきていますが、1つ確かに言えるのは「なくてはならない存在」であるよう、家族それぞれが努力するのが必要があるではないか?と今回この物語を呼んで思いました。
家族には甘えすぎると不和が生じる、遠慮しすぎると疎遠になる、愛情の反対は憎しみではなく無関心です。
物語の最後にマーラが「まったく、うちの家族と来たら」と呆れたように言う感じは、日本なら家族に平気で「アホちゃうか」と心の距離が近いから言えるような、親愛の感情を許し合えるようになりました。こういう場所を得る人が増えたなら、アメリカ人の犯罪も減るだろうなと思います。
里子問題は難しい問題です。最後まで面倒を見切れない親が悪いのか?それを受け入れない社会が悪いのか?悪者を見つけても解決はしない問題なのだと思います。
この物語の中の4人のように「わたしたちだけで、大丈夫ですから」と言えるたくましい子供が増えたらいいなと思いました。【文字数1848字】
 

「海を見た日」みんなの感想

みんな頑張っててすごくいい話だけど、現実は厳しいようですね。 生徒たちは、どこに共感して感想文を書くのか興味あります。

ロスアンゼルスの里子制度問題点を、分かりやすく周知するための物語。ミセスKの家には、それぞれの事情で預けられた3人の子どもたちがいる。みんながバラバラの方向を向いていて、ちゃんと向き合わずに過ごしてきた。そこへ新しくアスペルガー症候群の男の子が仲間入りし、その子の母親に会いたいという願いをかなえるために4人は冒険に出かけることになる。不法移民のADHDの子やスペイン語しか話せない子、身寄りがない子など事情は様々だが、子ども達が置かれている状況は厳しい。何度も里親の家を渡り歩かなければならないこともある。

作者は里親制度の現状を知らせたくてこの物語を書いたそうだが、たくましく前に進んでいこうとする子どもたちの冒険譚が胸にきた。自分のためにいい子になっていたナヴェイア、ファンタジーの世界に入り込んでいたヴィク、母語のスペイン語以外ほとんど話さなかったマーラが、この日を境に変化する。また夫を亡くした悲しみから子らの世話をほとんどしていなかったミセスKも態度を改める。みんながつらい状況を変えたのは、たった一日の出来事だった。ちょっと他に目をむける心のゆとりが、温かくすてきな毎日へとつながっていくのかもと思えた。

日本ではあまり身近ではないが、里親制度の存在、預けられる子どもがそんなに多いということに驚かされた。里親も含めて、生きるのに精一杯だった彼らが互いを思いやるまでに成長していくいい作品だった。ナヴェイアは、はじめのうち、しっかりしてるから高校生くらいかと思ってた……。犬にチョコレートをあげる場面!犬にチョコレートは毒だと聞いたので、ちょっと気になった。

 

大人も子どもも、それぞれの問題を自分の頭のなかだけにとどめていて、お互いに対しては「きっと○○だろう」という想像で動いているから、話がややこしくなる。でも、だいじなことをちゃんとつたえて、きちんと対話するってとてもむずかしいこと。それができるようになったナヴィエアやヴィクはとてもえらい。とくにこれから高校に進学するナヴィエアのことは、心から応援したくなった。


去年の受賞作と感想文をチェック!!

読書感想文の入賞作は審査員の合格基準に達した書き方をしています。
一言で言うと「読書したうえでの学習効果が感じられるか?」です。
参考になる入賞作は大いに参考になります。
昨年の入賞作2点を参考に、書き方のコツを学びましょう。

内閣総理大臣賞 
<中学校の部>
◆広瀬健伸 茨城県 洞峰学園つくば市立谷田部東中8年 
「本気の「好き」のその先に」・・・「牧野富太郎 日本植物学の父」(汐文社)より

2023年度前期に放送されるNHK連続テレビ小説第108作『らんまん』で牧野富太郎氏をモデルに、朝ドラとして放送されます。主演は神木隆之介さんです。

「牧野富太郎【日本植物学の父】」あらすじネタバレ・読書感想文の書き方のコツポイント

文部科学大臣賞 
<中学校の部>
◆武藤さくら 福島県 郡山市立富田中2年
「言葉に思いをこめて」・・・「春や春」(光文社)より

メインの大賞のひとつ文部科学大臣賞は、去年の課題図書「牧野富太郎 日本植物学の父」が受賞しました。
2023年度前期に放送されるNHK連続テレビ小説第108作『らんまん』で牧野富太郎氏をモデルに、朝ドラとして放送されます。主演は神木隆之介さんです。

入賞作を読むと読書感想文の雰囲気がわかりますので読んでみることをお勧めします。

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